不動産投資の最新動向
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2021年1月31日(日)
不動産営業マンの本音とは? 業界の実態を大暴露!
「千三つ」――千の言葉のうち、本当のことは三つしか言わない不動産業界人を揶揄した表現です。実際に、悪質な不動産営業マンの甘言に乗せられて後悔する羽目に陥る投資家は、あとを絶ちません。
実は、不動産営業マンが嘘ばかりついて物件を売るのには、業界独自の仕組みが密接に関係しています。
不動産営業マンの「嘘トーク」の実例から、彼らの知られざる本音に迫りましょう。
不動産営業マンの本音は、「物件を売れさえすればよい」
悪質な営業マンは、「物件を売れさえすれば、契約後にお客さんが困っても関係ない」という本音をもっています。そのため、営業マンがコントロールしやすく、売り込みしやすいようなお客さんを狙って、騙しにかかってくるのです。
営業マンがなりふりかまわずに物件を売ろうとする背景には、不動産業界の給与体系があります。
不動産業界は成功報酬の歩合制
不動産業界の営業マンのほとんどは、営業成績によって給与が変動する歩合制で雇われています。
たとえば、不動産仲介会社の場合、売買契約が成立した際の仲介手数料の10〜30%程度が営業マンの給与に加算されます。歩合給が入るのは成約によってのみで、物件購入後に細かく顧客をフォローしたとしても営業マンの給料は増えません。顧客満足度は営業マンの評価には関係しないのです。
この仕組みが、自分の歩合給さえ増えればお客さんを騙して物件を販売してもいい、という考えを持ったダメな不動産営業マンを生む温床になっています。
くわえて、不動産は一生に一度の買い物であることが多いため、お客さんがリピーターになってくれる可能性はあまりありません。どんなに良い対応をしたところで、顧客が再びその営業マンを頼り、利益をもたらしてくれることは、滅多にないのです。これも、「契約さえ決まれば、その後はどうなってもいい」と営業マンが考える理由の一つです。
不動産営業マンの嘘
不動産会社の営業マンは、新規の契約によってのみ評価されます。成果があがらなければ、自身の給料が安くなるだけでなく、上司からの情け容赦ない追い込みが待っているのです。
結果、契約を取るために平気で嘘をつく営業マンが出てきます。たとえば、次のような嘘です。
物件探しでの噓
「この物件は、他のお客さんからも問い合わせが入っています」
「このタイミングで決めないと、この後商談するお客さんが決めてしまいます」
「即日完売した人気のマンションに、キャンセルが出ました」
これらの情報は、ほとんどが噓です。お客さんを急かして正常な判断ができない状態で契約させたり、売れ残り物件を口八丁手八丁で押し付けようとしたりするための嘘は、不動産営業マンの得意技です。
よくよく確認すると希望する条件に全く合わないような物件を、急かされてうっかり買ってしまわないよう、注意しましょう。
値引き交渉での嘘
不動産取引に、値引き交渉はつきものです。なるべく高く売りたい売主と、なるべく安く買いたい買主との対峙になるわけですから、双方が納得できる落とし所を見つけるのが不動産営業マンの仕事です。
しかし、悪い営業マンは、手っ取り早く交渉をまとめるために嘘をつきます。
よくあるのが、売主から「価格交渉で50万円までなら値引きしてもいい」という了解を得ているのにもかかわらず、買主には「値引き交渉できない物件ですが、オーナーさんとお話してなんとか20万円下げてもらいました」と伝えるようなケースです。
売主からすれば「上限より安い値引きで売却できた!」、買主からすれば「値引きできない物件を値引きしてもらった!」となり、営業マンがさも良い仕事をしたかのように見えるわけですが、そんなことはありません。取引は円満に終わりますが、買主は本来値下げできたはずの幅を抑えられて、必要以上に割高な物件を買わされたことになります。
小さな言い訳や約束破りに要注意
不動産営業マンの嘘を素人が見抜くことは、相当勉強したとしても非常に困難です。結局、営業マンが人間として信用できるのかどうかを、自分の目で見極めるしかありません。
営業マンの人間性を判断するポイントの一つは、無責任な発言やちょっとした言い訳、約束破りの有無を見ることです。
質問に対して「確認して折り返します」と言ったまま連絡がない、約束の時間に遅れてくる、「絶対に儲かります」と根拠のない自信をチラつかせる、進捗報告がないので電話したら「ちょうど連絡しようとしていたところで」などと言い訳する……このような面が見られる営業マンであれば、気をつけたほうがいいでしょう。仕事に対していい加減でモラルに欠け、平気で嘘をつく人間と見受けられます。
複数の不動産営業マンを比較すること
信頼できるプロフェッショナルな不動産営業マンを探すためには、一つの不動産屋だけに相談するのではなく、複数の会社に問い合わせ、話を聞いてみることが重要です。
複数の会社に相談するのを面倒くさがって、信用できない営業マンと取引してしまえば、損をするのはあなた自身です。不動産売買はひとたび取引が成立してしまったら基本的に後戻りができないので、結果として何千万円ものお金を損してしまうかもしれません。
慎重に慎重を期して、少しでも担当の営業マンに不信感を覚えたらすぐに他社へ切り替えたほうがいいでしょう。
過去に不動産会社の「悪徳業者」や「悪徳商法」について解説した記事があります。ぜひあわせてご参照ください。
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。