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コンビニより多い不動産業者、悪徳業者を見極めるには?

目次

漫画やドラマ、小説でおなじみの「悪徳不動産会社」。フィクションの世界だけではなく、現実にも存在するのです。

不動産、なかでも住宅購入は、多くの人にとって人生で最大の買い物といっても過言ではありません。

しかし、悪徳業者に当たってしまうと、口車に乗せられて「ハズレ物件」をつかまされたり、相場より高値で物件を購入する羽目になったり……。

現にそうした被害はあとを絶たず、多くの人に泣きをみているのです。

本記事では、そんな悪徳不動産会社と悪徳営業マンの手口や、悪徳業者の見極め方を解説します。

不動産業者はコンビニよりも多い!

「歯科医と美容院はコンビニよりも多い」といわれますが、実は不動産業者の数も、コンビニより多いことをご存じでしょうか? 

日本フランチャイズチェーン協会が発表している統計によれば、2020年10月時点で、全国のコンビニの店舗数は5万5,872店舗(コンビニエンスストア統計データ)。
一方、不動産業者(正確には宅地建物取引業者)の数は、2020年10月時点の発表では、不動産業者の数は12万5,638業者でした(国土交通省宅地建物取引士登録者数統計データ)。

不動産業者の数は、実にコンビニの2倍以上で、6年連続で増加しています。

不動産業者の大半が「小規模業者」

12万5,638の不動産業者のうち、約10万は従業員5人未満の「小規模事業者」です。

CMやネットでよく見るような、たくさんのグループ会社を束ねる「大手不動産会社」はごく一部。不動産会社のほとんどは、非常に小さな会社といえます。

2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災前後、不動産業者は減少傾向にありました。しかし、2013年の東京オリンピック開催決定を皮切りに、不動産業者はどんどん増えました。

これだけ数が多いと、なかには悪徳業者がいるというのも、不思議ではありません。

気を付けろ! 悪徳業者の手口の数々

不動産購入は、信頼できる業者を選択することが特に重要です。

悪徳業者に当たってしまえば、不動産取引においては損しかありません。

たとえば、ぼったくり価格で不要な費用を支払わせたり、購入させられた物件がそもそもウソ情報だったり……。

コンプライアンスを無視して、夜中に電話がかかってきて、心理的な損害を被ったりすることもあるのです。悪徳業者は、電話での連絡を好みます。電話だと記録が残らず、足がつきづらいからです。

「おとり物件」に要注意

不動産取引において、「おとり物件」や「おとり広告」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 

「おとり物件」とは、募集広告はあっても存在しない物件、あるいは存在しても取引の対象にならない物件のことです。大手不動産業者サイトのSUUMOやHOME’Sなどのポータルサイトに掲載されていることも珍しくありません。

比較的多いのは、物件について問い合わせると、業者から「ちょうど成約したところです」と言われ、別の物件を案内されるケースです。

実際のところ、そんなにタイミングよく物件が成約することはありません。掲載されている物件は既に売れているのにもかかわらず、募集広告を掲載し続けているため、このような事態が起こります。

「ちょうど成約した」という都合のいいことを言われる場合、ほとんどが「おとり広告」だといえるでしょう。

「他に検討している人がいるから早く決めて」はリスク大

営業マンの言葉でいえば、「こちらの物件は人気で他に検討している方がいるので、すぐに決めてください」などと急かしてくる場合は、要注意です。

もちろん、同時期に購入を検討している人がいる可能性はありますが、かなり稀で、だいたいウソのケースが多いです。

このような営業スタイルは、契約を急かすための詭弁です。その物件に満足しているならばまだしも、少しでも不安要素があるなら、他社に相談すればもっとよい物件が見つかる可能性はあります。

このようなセリフで契約を急かしてくるようであれば、その営業マンの信頼性を疑いましょう。

「提携住宅ローンがお得です」を疑え

物件を購入する際、「自社提携の住宅ローンが得だ」とゴリ押ししてくるような、他の金融機関の選択肢を与えてくれない業者には、気をつけてください。

住宅ローンに限ったことではありませんが、お客さん側に選択肢を与えない営業マンは、非常に悪質です。

前述の「早く決めてください」にも通じますが、住宅ローンについては、お客さんの無知をいいことに、平気で適当なその場しのぎを言う営業マンが存在します。そもそも、営業マン自身がローンについてよく理解していないケースも、少なくありません。

「請求金額がぼったくり」に要注意

不動産取引で特に注意したいのが、業者から最終的に来る請求です。事前説明なく、突然ぼったくりのような高額な請求が届くことがあります。

たとえば、仲介手数料は法律で上限額が決まっています。しかし悪徳業者は、法律上の上限は守りつつも、「上乗せ分」を別の名目で請求してくるのです。

請求書の費用名目に以下の内容があったら、特に注意しましょう。

・「銀行融資事務代行費用」
・「融資斡旋費用」
・「ローン事務代行費用」
・「現況測量費」
・「契約書類作成費」

「仲介手数料」という名目でなければ法律に引っかからないと考え、平気でこのようなぼったくり請求をしてくる業者がいます。

売買契約の際には、費用など各項目の説明責任があります。追加費用についてあいまいに答えてくる業者は、疑ったほうがいいでしょう。

悪徳不動産会社の見極め方

ここまで述べてきた悪質営業の手口は、実際に行なわれていることです。

騙されてからでは遅く、損失は取り返せません。

どのようにすれば、悪徳業者を見極められるのでしょうか?

具体的に、以下の4点をチェックすれば、悪徳業者を回避することができます。

①国土交通省の監督処分情報

不動産会社は、国土交通省もしくは都道府県から許可を受けて営業を開始します。ルール違反により行政処分を受けたことのある会社は、不当な営業を行なっていた可能性が高いといえます。

国土交通省ネガティブ情報等検索システムで、過去5年以内に罰則を受けた不動産会社を調べることができます。

「処分年月日」「事業者名」「会社住所」「処分等の種類」「違反行為の内容」の項目を確認してみましょう。

②宅建免許の認可番号

あくまで一つの目安ですが、営業年数が長ければ長いほど実績が豊富で、その地で多くの取引をしている業者、つまり信頼できる不動産業者だと考えることができます。

「宅地建物取引業者免許証」の認可番号を確認することで、どれほどのキャリアがあるかを知ることができます。

以下のような記載になっています。

例1:「国土交通大臣免許(4)第○○号」
例2:「東京都知事免許(2)第○○号」

()内の数字は、免許の更新回数です。更新回数が多ければ多いほど、長年に渡って営業を続けている証となります。

③ネット上の口コミや評判

業者について、インターネット上の口コミや評判をチェックしてみましょう。

特に、Googleの口コミは信頼度が高いので、オススメです。Googleアカウントを使わなければ口コミできないシステムなので、具体的な批評コメントがあれば、関係者が本気で不快に思った可能性が高いといえます。

ちなみに、SUUMOの口コミは「自作自演」が可能なので、あまりアテにしないほうがいいでしょう。

まずは、仲介を担う不動産会社の社名や支店名で検索してみることをおすすめします。

④不動産営業マンの宅建資格の有無

宅建資格を有しているかどうかは、不動産会社が悪徳かどうかを見極める重要なポイントの一つです。

会社自体が宅建業者であるというだけでなく、対応する営業マン本人が宅建士であるのかも、重要な判断基準となります。

宅地宅建取引士は国家資格で、誰でも簡単に取得できる資格ではありません。

少なくとも、「重要事項説明書」と「売買契約書」に名前が掲載されるのは、宅建資格をもつ営業マンです。

悪徳なことをすると、苦労して取得した宅建資格を剥奪される可能性があるので、ある程度の良識をもっていることが期待できます。

余談ですが、「住宅ローンアドバイザー」「住宅ローン診断士」「損害保険募集人」といった資格を名刺に記載している営業マンがいますが、誰でも合格するレベルの簡単な資格なので、信頼する材料にはなりません。

信頼できる業者を見つけて安全な不動産売買を

不動産取引において最も重要なのは、悪質な業者に当たらないことといっても過言ではありません。

くれぐれも、こうした悪質業者や営業マンの手口には注意して、人生で重大な買い物の一つである不動産購入を、納得のいく形で進めましょう。

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著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

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