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不動産投資の最新動向

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20代は不動産投資で失敗しやすい!? 成功者と失敗者の違いとは

目次

不動産投資で成功を収めるには、長期的に取り組むことが不可欠です。

だから、若いうちから資産運用を始めることをおすすめします。

今回の記事では、最近増えつつある20代の不動産投資について注意すべき点を解説。

成功者と失敗者の事例を、具体的なエピソードとともに紹介します。

若年層が陥る不動産投資の失敗原因は?

不動産投資は、物件を購入してから長期的に運用するのが一般的です。

家賃収入をコツコツ得ながら数年間運用して、売却することで大きな利益を狙うことも可能です。

不動産投資は、金融機関の融資審査が通れば、さほど自己資金を用意する必要がない点が大きな特徴。

不動産投資ローンを組んで、毎月の家賃収入で返済します。

ところが、数十年賃貸経営をしても収支がマイナスで、物件を売却しても赤字になってしまう……。

この場合は、「失敗」でしょう。

逆に、月々の家賃収から諸経費による支出を差し引いてキャッシュフローが赤字になっているのは、不動産投資の失敗とはいえません。

実は多い20代の不動産投資失敗例

不動産投資は長期的に取り組むのがおすすめです。

そのため、20代などの若いうちから取り組むと、将来的に大きな資産を得られるというアドバンテージがあります。

しかし、20代は知識不足や資金不足などから、家賃収入を上手に得ることができずにローン返済が滞り、結果、苦難に陥る人が続出しています。

また、20代は転職や転勤、結婚、出産と、生活環境が大きく変化するタイミング。

ライフイベントまで想定して収支シミュレーションを計画しておかなければ、失敗する可能性が高くなるのです。

不動産投資で成功する人・失敗する人の特徴

不動産投資で成功する人と失敗する人には、どんな違いがあるのでしょうか。

とくに、20代で不動産投資に失敗する人の特徴を紹介します。

原因① 自己資金不足は失敗する

不動産投資において重要なポイントの一つは、自己資金です。

銀行融資に期待しすぎて、自己資金をほとんど用意していない人がいます。

なかには自己資金ゼロで不動産投資に取り組む人も。

近頃は「自己資金ゼロから始める〜」のような謳い文句で、不動産投資会社がセミナーを開催しています。

書籍にも同様の内容のものが多く出版されていますが、自己資金がなければいざというときに大変困ります。

実際、頭金ゼロで不動産投資を始めたとしても、融資の金利は徐々に高くなり、利息の負担金額が大きくなります。

月々の返済負担額が重くなるため、最低でも購入物件の5〜10%は頭金として用意しておくのが無難でしょう。

原因② 不動産投資の知識不足および勉強不足は失敗する

本気で収益を得たいならば、不動産投資について最低限の仕組みは勉強しておきましょう。

不動産の基礎知識がないままでは、不良物件をつかまされてしまうことも……。

不動産市況やトレンドといった情報収集も勉強の一環です。

物件選びについても、新築物件か中古物件か、ワンルームマンションかアパートか、一戸建てまたは一棟など多種多様で迷ってしまうでしょう。

選択肢が多い上に、物件ごとの条件も複雑なので、しっかり勉強しておくことが必要です。

専門的な領域まで突っ込むとキリがありませんが、営業を受けて疑問に思ったことは自分で調べるなど、失敗しない手段を講じましょう。

原因③ 計画を怠ると失敗する

不動産投資は家賃収入や売却益による収益がある一方、固定資産税など各種税金やローン返済額、修繕費といった諸費用が発生します。

自己資金の有無にもつながりますが、たとえば設備が故障したら、修繕費を負担するのはオーナー自身です。

急な支出に耐えられるだけの資金がなければ、設備は故障したままとなり、入居者が退去してしまう可能性も。

将来への備えを考えずに、家賃が入ったらすぐに使ってしまうようなオーナーは、投資に失敗することは必至です。

原因④ 不動産会社の営業文句を鵜呑みにすると失敗する

不動産投資会社の営業マンは、とにかく物件を売ろうと躍起になっています。

不動産投資のメリットばかりをアピールして、その気にさせる売り文句をたくさん持っているのです。

たとえば「節税できる」「自己資金ゼロから資産形成できる」といった言葉です。

くわえて、「利回り」という言葉に踊らされる投資家も少なくありません。

利回りとは、物件価格に対して1年で得られる収入や利益の割合です。

利回りが高いほど多くの収益を望めるわけですが、「表面利回り」と「実質利回り」という2種類の利回りがあることを覚えておきましょう。

不動産業者が広告などに一般的に記載しているのは「表面利回り」です。

表面利回りには支出が想定されていないため、あくまで目安と考えましょう。

一方で「実質利回り」は、物件価格と家賃収入にくわえ、諸経費を想定して算出した割合です。

営業マンに「利回りが高いのでおすすめです」と言われても、それが実質利回りのことを言っているのか確認しましょう。

営業マンのトークをむやみに信じてしまった結果、物件を割高で購入してしまうことも。

価格相場や適正価格を比較するほか、管理会社の管理物件の入居率や空室率を把握するなど、しっかり調べてください。

20代のよくある不動産投資失敗事例

最後に、20代で勢い任せに不動産投資に取り組んだ結果、痛い目を見た事例を紹介します。

失敗事例① 自己資金ゼロ、フルローンで物件を購入して自己破産

サラリーマン勤務をはじめて4年のAさん26歳。

老後に向けた資産形成に興味を持ち始めたタイミングで、不動産の営業マンから電話がかかってきました。

話を聞いてみると、「想定利回りが15%以上」とかなり高く、「自己資金ゼロからでも始められる」という営業文句を信じて購入を決断。

しかし、オーナーになって数か月後、投資マンションの設備が故障。

修繕費の負担を想定していなかったAさんは、その後月々の住宅ローン返済が滞るように。

退去者が出てからは空室対策がうまくいかず、家賃収入もどんどん減っていきました。

ついにローン返済ができなくなって物件を売却しようとしましたが、ときすでに遅く、キャピタルロスが出る状況となってしまいました。

結果、Aさんは自己破産に追い込まれたのです。

失敗事例② セミナーで物件購入を即決、ローン返済に苦心

不動産投資に関心があった会社員のBさんは、インターネットであるセミナーの広告を見つけて、参加を申し込みました。

セミナーでは不動産投資で得られるたくさんのメリットが紹介され、Bさんは目が眩みました。

その後の個別相談で丁寧な対応をしてくれた営業マンのトークを信じ込んで、Bさんはその場で購入を決断。

頭金を出す程度のお金はあった30代のBさんはローン審査も無事通り、晴れてマンション投資をスタートしました。

購入物件は都心でしたが、駅から遠かったため、なかなか入居者が見つかりませんでした。

賃貸情報サイトに広告を出すにはさらに予算が必要で、Bさんの出費はさらにかさむことに。

それでも効果がなく、空室が長期化して家賃収入はまさかのゼロ。

ローンの返済は給与から支払うほかなく、返済地獄に陥ってしまったのです。

計画性をもって学ぶ姿勢が大切

若年層の不動産投資には、失敗事例が溢れています。

共通しているのは計画性がなく、リスクを甘く見ていることです。

本当に不動産投資で成功したいのであれば、知識習得や情報収集をしっかり行ないましょう。

また、自己資金を用意したうえで、シビアに収支シミュレーションを行なうことが必要です。

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著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

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