星野陽子の金持ち母さん投資術
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2018年10月29日(月)
融資が厳しい今こそ女性が不動産投資をしたほうがいい理由
オリンピック景気の終わりが間近となり、さらにシェアハウスの不正融資問題も発覚したことで、投資用不動産への融資が下りにくくなっている日本の現状があります。しかしそれでも私は不動産投資で資産を築くことをおススメしたいと思います。特に、女性こそ不動産を所有してのちのちに備えておく必要があります。
今回は、女性が不動産投資をしたほうがいい理由について、私なりの考えをご紹介したいと思います。
これからは「長生きのリスク」に備えなければならない
まず忘れてはならないのが、医療技術が進歩し、食糧も十分に行きわたった日本(などの先進国)に住む私たちは、どんどん寿命が延びているため、長生きに備えなければならなくなっているということです。平均寿命は2017年の統計で男性81.09歳、女性87.26歳(厚生労働省調査)となっており、どんどん延びています。今後も、さらに延びていくことが推測されます。
そのため、「人生100年時代」が到来したといわれるようになりました。このフレーズで思い出すのは、イスラエル国籍のユダヤ人と結婚していた私が、ユダヤ人の知人から毎年いただいていたお誕生日のメッセージです。そこにはよく「120歳までお元気で」とお決まりの文句が書かれていました。
人の生物学的な寿命の限界が120歳という説もありますが、それを知ってか知らずか、ずいぶん長生きを想定したメッセージだと思ったものです。
しかし現在、120歳というのはあながち不可能な寿命ではなくなってきました。120歳までいかなくとも、例えばあなたは100歳になったとき長寿をお祝いされて、幸せと思えるでしょうか。それともお金の心配をずっとしていて「早く死にたい」と思っているでしょうか。
喜ばしいはずの長寿なのですが、60歳で会社の定年を迎えた後、100歳まで、年金があてにならない日本でどうやって生活していったらいいのか心配になっている人たちが多いようです。今の日本において、長生きはリスクの一つになってしまっているのです。どんな人でも、老後のための資金を準備しておかなければ、最悪の場合は路頭に迷ってしまうリスクがあるのです。
なぜ女性が老後資金について真剣に考えなくてはならないのか
私は、男性よりも女性のほうが、より真剣に老後資金について考えなくてはならないと思います。
以前に比べると改善してきましたが、育児や介護で会社を辞める女性は男性よりも多いということもあるせいか、会社が支払う賃金は女性のほうが男性に比べて少ないという現実があります。
厚生年金の受給額もそれに応じて女性のほうが少なくなります。それに加えて女性のほうが長生きです。つまり、男性より少ない年金で、男性より長く生きなければならないのです。
以前は結婚すれば夫の給料や退職金、厚生年金などで生活できましたが、現在は夫の稼ぎだけで家族が生活できる状況ではありませんから、老後の資金もとても足りなくなる可能性があります。不安でいっぱいの人もいることでしょう。
私も離婚を真剣に考えたときには不安でいっぱいでした。第二子が生まれたばかりで、第一子もまだ幼く、それまでしていたパートの年収は100万円に届かず、実家も裕福ではないため頼れる人がいなかったからです。
しかしながら、生活のためフリーランスの翻訳者としてお金を稼ぐ一方で、自分に義務として課したお金の勉強がその不安を消してくれました。お金の勉強というのは、主に株式投資や不動産投資の勉強でしたが、そのおかげで今では、株式投資をして配当を得たり、不動産投資をして家賃収入を得ることができています。
私は女性には、株式投資よりも特に不動産投資をおススメしたいと思っているのですが、その理由は以下のようになります。
女性に不動産投資(賃貸業)をおススメする5つの理由
①投機的な資産運用ではない
不動産投資は様々な投資の中でミドルリスク・ミドルリターンといわれています。しっかり勉強して軌道に乗せられればそれなりのリターンもあるので、リスクをあまり取りたがらない人に向いていると思います。
②仕事または主婦業との両立ができる
不動産賃貸業(大家業)は、不動産の管理を専門会社に任せることができます。そのため、仕事をしている人や育児や介護で忙しい人でも成功しやすい事業なのです。
不動産賃貸業で成功している人たちが、たまに飲食業や他の事業に手を出すことがあるのですが、失敗している人が少なくありません。すべての管理を自分でやらなければならない事業は、やはり簡単ではないのです。彼らの多くは「不動産賃貸業は楽だ」と言っていました。
③年齢による向き不向きがない
高齢になっても続けられるというのも大きな理由の一つです。『大家さんと僕』(矢部太郎・著)という漫画には、高齢の女性の大家さんとお笑いコンビ「カラテカ」の矢部太郎さんのほっこりする話が描かれています。
この作品が(おそらく意図せずに)描いているように、大家さんは高齢になっても続けられ、収入を得ることができるのです。また、高齢女性の気遣いや少しお節介だったり親切だったりするところが、一人世帯が増えていく時代にますます活かせることも示唆しているように思います。
女性は服や美容院や化粧品などにかけるお金が男性より多いのですが、歳を重ねると年金だけでは心もとなく、諦めなければならない人も多いのではないでしょうか。大家業で稼いだ家賃収入があれば、その出費をまかなえることができるかもしれません。
④女性だからこそ持つ強みがある
女性の考え方や感性を大家業に活かせるため、不動産投資を女性がすることは強みにもなります。
家族やカップルが家を購入したり、部屋を借りたりするときに、家にいる時間が長い(今後はわかりませんが)女性が決定することが多いと聞いています。
女性の感性を活かしたリフォームや部屋作りなどで、女性客に選ばれる部屋にしたり、居住者にこまやかなサービスをしたりすることで、入居率アップや長く住んでもらえることにつながるでしょう。
⑤いざという時の備えになる
自分の住まいとして使えるのも理由の一つです。高齢になったり、失業したりすると、住む場所を借りるのが大変になりますが、所有していればいざというときに自分で使うことができます。
借家で一人暮らしをしていた80歳になろうかという父が退去を求められたときの話ですが、生活保護は受けておらず国民年金で生活していた父は、自治体の供給する賃貸物件に入ることができませんでした。希望者が多数いたためです。
父は私に迷惑をかけたくないと言い自力で住む場所を探していました(私も父にとって「自立している」ということが大切なのかと思い任せていました)が、高齢で無職の父に部屋を貸してくれる人を見つけることができず、結局は私が部屋を提供しました。
幸い私は提供することができましたが、自分自身や家族の生活でいっぱいだという子ども世代は少なくないでしょうから、必ずしも親のために物件を提供できるとは限りません。
高齢者を受け入れる賃貸物件は増えてきましたが、持ち家がないと、父のような事態に直面してしまうかもしれません。
高齢になったときの住む場所を含む人生設計については、しっかりと考えておいたほうがいいと痛感しました。投資用ワンルームマンションを一つ持っているだけでも、いざというときには住むことができるので安心かと思います。
以上、不動産投資のメリットで女性に関係することを述べてきましたが、もちろんリスクもありますのでリスクについては、こちらのコラム「不動産投資の代表的なリスクとその対策方法」をご覧ください。
不動産投資を始めるなら、まずは本を読んだりセミナーに参加したりして、幅広く知識や方法を必ず学んでいただきたいと思います。
融資が厳しい現在でも物件を買うことができる!
ご存じかと思いますが、シェアハウス「かぼちゃの馬車」問題を発端に、スルガ銀行の不正融資が明らかになり、他行にも影響が及んで融資基準が厳しくなりました。
フルローンで貸していた銀行が、物件価格の30%を頭金で入れるように要求してきたりしています。多額の預金を持たない普通の会社員は不動産投資のための融資を受けにくくなってきました。
では融資を受けられないと、不動産投資ができないかというと、そういうわけではありません。
融資基準が甘いときでさえ融資を受けられなかった人たちも不動産投資をしています。
そういう人たちはコツコツとお金を貯めて、現金で築古の戸建てを買ったり、中古のワンルームなどの区分マンションを買ったりしています。数百万円の戸建てをいくつか買い、戸建てを共同担保にして融資を引き、アパート一棟を買った女性もいます。
そもそもほとんど預金がない状態でフルローンを組んで不動産投資をするのは危険ですので、30%の頭金を入れてアパートを購入するほうが安全で正常といえるかもしれません。
ただし、融資を使った不動産投資に比べ、現金でする不動産投資は資産を形成するのに時間がかかったり手間がかかったりします。
そのため、これまでは融資をいかに引いて利用するかが不動産投資のコツとされてきました。しかしながらこれからは借金をするのが嫌な人や地に足のついた投資をしたい人に向いた投資法として、注目されるかもしれません。
あるいは、賃貸併用住宅を、住宅ローンを組んで購入するという不動産投資の方法もあります。会社員であれば、住宅ローンの方が審査に通りやすいので、これもよい方法です。
価格下落を見越して準備していた投資家にはチャンス到来!
融資が厳しくなったり、不動産投資は罠がいっぱいで怖いと思う人が増えたり、空室率の問題などで不動産投資はうまみがないと思う人が増えたりしている中、いくら私が不動産投資をススメても、本当に良いのかと疑問に思われるかもしれません。
でも実はこのようなタイミング(もっと下がるタイミング)を待っている投資家がたくさんいます。
ここ数年は融資が緩く、不動産投資が過熱気味で、価格が高かったのですが、今の傾向が続けば価格は少し下がってくるでしょうし、怖くなって売る人たちもたくさん出てくるでしょう。
投資で無理をしたために不動産を手放さなくてはならない人たちも出てきているようです。いよいよ割安な物件が出てくるチャンス到来です。
また融資が厳しくなったとはいえ、銀行はお金を貸して金利で稼いでいるので、優良または正常な貸し出し先には貸したいと考えているはずです。
属性が高く、とりそこねることのない人だと思ってもらえれば、今後も融資を受けられるかと思います。具体的には金融資産をたくさん持っていたり、資産を持っていて連帯保証人になってくれる家族がいたりする人は有利です。
空室率の問題については、エリアや物件を選定しないと大変なことになるかもしれませんが、部屋を借りたいというニーズがなくなるわけではありません。
また日本の人口は減ってはいますが、外国人労働者は増えているので、実はニーズが極端に減少しているわけではないのです。よく考えて、地に足のついた不動産賃貸経営をおススメします。
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著者紹介
星野 陽子星野 陽子
不動産投資家。著者。特許翻訳者。
東京都出身。外資系メーカー、シティバンク勤務を経て、イスラエル国籍のユダヤ人と結婚。子ども二人に恵まれるも離婚。フリーランスとして在宅で翻訳の仕事をしながら、シングルマザーとして子ども達を育てた。東欧からの移民の子で、14歳から働き、資産ゼロから財産を築いたユダヤ人の義父からは不動産投資を学び、投資物件(6億円)などの資産を築いた。著書に『ユダヤ人と結婚して20年後にわかった金銀銅の法則50』『ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣』『貧困OLから資産6億をつかんだ金持ち母さんの方法』がある。オンラインサロン「マネサロ」主宰。 オフィシャルブログも定期更新中。