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石川貴康の超合理的不動産投資術

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物件の収益を維持するための5つのポイント

目次

不動産を継続して買うためには、常に物件の収益を改善し続けなければなりません。経年劣化、供給過剰や入居者減少による競争の激化などにより家賃収入は年々下がる傾向にあります。何もしなければ、どんどん入居率が悪化し、家賃が下がり、収益が苦しくなります。

不動産賃貸は入居者がいなければ、収入がゼロになります。後で頑張っても、収入がなかった時期の家賃は取り戻せません。この辺が、他の収入と違うところです。

たとえば、小売りや飲食店などでは、キャンペーンを行うとか、イベントを行うなどで売り上げを増やし、低迷期の売り上げ減を挽回できます。しかし、不動産賃貸はそうはいきません。頑張れば過去の収入減が取り戻せるわけではなく、そのまま機会損失になります。

したがって、常に入居を確保し、家賃下落を起こさないように努力する必要があります。また、家賃収入以外の付帯収入を増やすことも選択肢になります。
物件を買い続けるには、今持っている物件の収益性が低くては話になりません。不動産で稼いで、そのお金でまた不動産を買うというのが王道です。金に金を生ませるとは、まさにこのことなのです。

それでは、物件の収益を維持し、改善する方法を述べてみましょう。

収益を維持するために①入居者の入居を限りなく長く確保する

新規入居の獲得ばかりに目がいきがちですが、もっとも大切なことは、今入居してくれている入居者に、可能な限り長く住んでもらうことです。

一度退去があると、次の入居者を探すのは大変です。次の入居者のためにリフォーム費用がかかりますし、空室期間中は家賃も入ってきません。既存の入居者が入居を継続してくれるというのは、リフォーム費用もかからず、空室期間による家賃の取り逃がしもないわけです。

長く入居してもらうため重要なことは、「管理の質」を上げることです。入居者の問い合わせには迅速に対応できる管理体制が必要です。また、環境を清潔に保つことも必須です。

管理の質をあげるためには、既に第2回コラム「管理会社を間違えないために押さえておくべき6つのポイント」で書いた通り、良い管理会社を選ぶことです。入居者とも、大家とも連絡が迅速で、入居者、大家の立場を勘案して適切な提案ができる管理会社を選びましょう。

また、「入居者の質」をあげることもとても重要です。入居者同士のトラブルが起きれば、いやになった入居者の退去が発生します。音を出す、人を呼んで騒ぐ、散らかす、ルールを守らない、ストーカー化するといった入居者がいると、クレームが入ります。改善されない場合、迷惑を被った入居者が退去してしまいます。

私も、こうした入居者には随分と損をさせられました。隣人が嫌だからと退去した入居者もいました。こうした困った入居者は、契約する前に識別できれば避けたいものです。入居申込者のチェックは管理会社に任せて、おかしな人はブロックできるようにできますが、必ずしも事前に避けられないケースもあります。

入居してしまった後は、管理会社を通じて「指導」してもらいます。何度か「指導」を繰り返しても改善されない場合は、「退去推奨」します。退去費用(要は立ち退き料)や引っ越し費用を大家が持ってでも退去してもらった方が良い場合があります。

困った入居者が長くいると、新規入居が取れず、かりに入居してくれても退去が続く可能性があります。大損害となりますので、「入居者の質」をあげる努力は必須です。

以前は外国人を嫌がる大家もいましたが、私は普通に受け入れています。今は、情報も行き渡り、かえって外国人の方がルールを守る傾向があります。
要は、快適で静謐な住環境が確保できればいいわけですから、その努力はしなければなりません。そのためには良い管理会社を選んで「管理の質」をあげ、良い入居者に入ってもらって「入居者の質」をあげなければならないのです。

収益を維持するために②長期入居が期待できる物件を選ぶべし

もうひとつ、私が心がけている点があります。地方物件を購入する際は、「長く入居される物件」を選ぶということです。長く入居されるというのは、要は家族で入居するファミリー向け物件を取得するということです。
 
私は地方物件では、家族、特に子どものいるファミリー層向け物件購入に力を入れています。戸建て、アパート・マンションでも2LDK、3LDKの間取りの物件を買うようにしています。駐車場は必須、1戸に最低1台、できれば2台確保したいところです。
 
子どもがいれば、学校の関係で長く住んでくれる可能性があります。子育てが絡むと住んでいるところにも愛着がわきます。特に戸建てなどでは、入居者が清掃してくれるので、その分のコストが下がり、収益性もアップします。

場所は環境の良い場所で、買い物が便利で近くに学校と病院があるロケーションを重視します。地方は車社会なので、駅に近い必要はありません。

長い入居が期待できるファミリー向けの物件を買うことで、長期入居による収益維持ができるのです。

収益を維持するために③確実に入居を確保する体制を築く

それでも退去は起きます。退去後に迅速に次の入居者が見つからないと機会損失になります。

この点で、「募集力が高い管理会社」を選んでおくべきです。入居を確保し続けるためには、入居させる力のある管理会社を選びます。

では、どういう管理会社が入居させる力があるのかというと、これはもう実績を見るしかありません。もし、自分の物件の管理会社の募集力が低いという懸念が生じたら、大家仲間に管理会社の評判を聞くなどして、リサーチした方が良いでしょう。あるいは、自分で直接複数の管理会社に当たってみて、判断しても良いでしょう。

私も、募集力がない管理会社に頼んでいて、本当に損をしたと思える時期があります。その時は、たまたま別に持っていた物件の管理会社の募集力が各段に良かったので、そちらに切り替えました。

収益を維持するには、退去後迅速に募集して入居を決めてくれる「募集力が高い管理会社」が重要なパートナーになります。

ここまでは、入居を維持し、機会損失を減らす方法を述べました。「管理の質」、「入居者の質」、「長く入居される物件」、「募集力が高い管理会社」が重要でした。次に、下落する家賃に対する対応策を述べたいと思います。

収益を維持するために④家賃下落を避けるための修繕と設備投資

経年劣化とともに家賃は下がっていきます。また、供給過剰で競争が厳しくなると、周辺の家賃が下がってきて、下落圧力が増します。経年劣化をできるだけ避け、その上で周辺物件との競争に巻き込まれないように、物件の魅力を維持し、高める努力が必要になります。

少なくとも、周辺の競合物件を魅力度で上回らなければなりません。そのためには、外観のきれいさと設備が重要になります。

外観はできるだけきれいに維持したいものです。古い物件が一度も大規模修繕されずに汚い状況では、入居は覚束ないでしょう。定期的に外壁や屋根の修繕、塗装は行うべきです。新築後、だいたい20年程度で一度、その後は状況を見て行います。

外壁や屋根は規模にもよりますが、数十万円から数百万円かかります。大規模マンションではもっとかかります。修繕積立を行うためにも積立金はして置きましょう。

こうした大規模修繕は業者によって価格が大きく変わります。できるだけ複数業者から見積もりをとって、大家も勉強して、良い修繕をリーズナブルな価格で行ってくれる業者を見つけなければなりません。大家仲間の評判を聞くなどして探しましょう。

一時期、外壁の塗装色を工夫して、魅力を高めようという動きが流行った時期がありました。私も提案されて、やや高めの塗装をしましたが、今考えるとあまり影響があったとは思えません。こうした判断は難しいところです。

外壁や屋根以外で入居者が見るところは内装と設備でしょう。内装はきれいに保つべきです。設備は流行があるので、判断が難しいところです。また、お金もかかります。

よく大家向けの雑誌や新聞で人気設備の特集が組まれます。管理会社が、「これをつけてくれ」と提案してくる場合もあります。

しかし、実際にやってみるとあまり入居に関係のない過剰な設備である場合もあります。大家としてきちんと判断しないと大変な出費になり、収益を悪化させます。

私の場合では、カラーモニターフォンを勧められて何戸かにつけた経験があります。これなどは入居のアップにほとんど関係がなかったと思っています。それで今は、新築時は付けていますが、中古物件に追加設置することはやめました。

同様に、インターネット無料、洗浄便座、ケーブルTV、追い炊き、浴室乾燥機、宅配ボックスなど、新しい設備がどんどん出てきます。これらすべてに対応していては出費がかさみます。もし、複数物件持っているなら、一気に設備投資せず、一戸ずつお試しで設置してみて判断してみるのも良い手だと思います。

私は、地域によってインターネット無料設備を完備していますが、すべての地域ではやっていません。設置前、設置後でさほど効果が上がっていないので、あまり入居に関係があるとは思えません。他の設備も同様です。

最近は、入居者が入居の条件で出してきた場合に設置を検討します。もしくは入居促進のため、管理会社に「もし要望があれば付けて差し上げますよ」と伝えてもらって、入居確保の魅力の一つとして扱ってもらうようにしています。洗浄便座や新規洗面台への交換などはこの方法で設備投資の要否を判断しています。

いずれにせよ、流行りの設備や管理会社が言うままの設備をすべて設置していてはお金がいくらあっても足りません。費用対効果を判断して、投資しましょう。

収益を維持するために⑤付帯収入を増やす

家賃下落が避けられない昨今、入居者からの賃貸収入以外の付帯収入でなんとか収益をあげる努力も必要です。

私が行っている付帯収入の確保は、自動販売機の設置、太陽光発電による売電、有料バイク駐車場の整備、携帯アンテナへの賃貸などです。これ以外にも貸しカンバンなどの手もあります。大きな収益ではありませんが、下落する家賃を補う意味で、付帯収入を増やす手は常に考えなければなりません。

既に不動産を持っている既存物件の収益が低いと資金が貯まるのに時間がかかって、繰り返し不動産を買っていくスピードが遅くなります。継続して不動産を買い続けるためにも、収益を維持し、改善する力を身につけていきましょう。

著者紹介

石川 貴康
石川 貴康

外資系コンサルティング会社、シンクタンクに勤務し、現在は独立の経営コンサルタント。大手企業の改革支援を今も続ける。対製造業のコンサルタントでは業界第一人者の一人。会計事務所も経ており、経理、資産評価、相続対策にも詳しい。2002年から不動産投資を始め、現在は15棟153室ほか太陽光3箇所、借地8箇所を経営する。著書に『いますぐプライベートカンパニーを作りなさい! 、サラリーマンは自宅を買うな(東洋経済新報社)』『サラリーマン「ダブル収入」実現法 、100円ちゃりんちゃりん投資、(プレジデント社)』など

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