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リースバックとは? メリットとデメリットを徹底解説!

目次

住宅ローンの返済がきつくなったので今の家を売却したいが、引っ越しはいやだ――そんなとき、よく利用されるのがリースバックという手段です。

リースバックの仕組み、メリットやデメリットを解説するとともに、不動産投資家にとって「リースバック物件」を投資対象とする際のポイントを紹介します。

不動産所有者の立場で考えるリースバックとは?

リースバックとは、不動産所有者が自宅を売却して現金化しながら、売却後もそのまま住み続けられる手法です。

買取代金は一括で支払われるので、ローン返済が苦しくなった場合以外でも、まとまったお金が必要なときに使い道があります。

実は、住宅購入したもののローンが支払えなくなる人は近年増えています。特に昨今は新型コロナウィルス感染拡大の影響で、給料が減ったりボーナスがカットされたりしてローン返済が難しくなっている人が多いのです。

住宅金融支援機構によると、2020年3月から「住宅ローンは支払えない」という相談は急増しています。

そのような人たちに選ばれているのが、リースバックです。

不動産所有者の立場から見たリースバックのメリットとデメリットを解説しましょう。

リースバックがもたらす3つのメリット

リースバックを利用するメリットは次の3つです。

①売却後も自宅に住み続けることができる
本来、住宅を売却したら、引越し先や仮住まい先を探す必要があります。

資金に困っていてローンの返済が困難な人の場合、引越し費用は抑えたいと考えるでしょう。
リースバックを用いれば、リースバック運営会社と売買契約を交わし、その後賃貸借契約を結ぶことで引越しは不要となります。近所に知られることもありません。

一戸建てだけでなく、マンションもリースバックの対象となります。

②月々の支払いが定額に
持ち家であれば、突然の出費は日常茶飯事です。

固定資産税や火災保険、地震保険などの支払いにくわえ、修繕費が発生する場合もあります。

さらに、月々のローン返済があるので、自分の家だといっても維持費用は意外に高額です。

ところがリースバックなら、月々の支払いは家賃(リース料)のみ。

固定資産税の支払いもなくなるため、毎月の支払い負担が軽減できる可能性もあります。

マンションの場合、物件によりますが、リースバックを用いれば管理費や修繕積立金の支払いもなくなります。

③住宅を所有するリスクを大きく軽減できる
住宅所有者に大きなリスクとしてのしかかるのは、災害などによる建物の損壊です。

住宅設備が故障すれば突発的に費用負担が発生しますし、災害については自身で火災保険や地震保険に加入するなどして備える必要があります。

災害が起こってしまったら費用がかかるだけでなく、不動産の資産価値が下がってしまう危険もあるのです。

さらに、市場金利が上昇すれば、住宅ローンの返済金額が増える可能性も考えられます。

リースバックで自宅を売却すれば、上記のリスクは運営会社がすべて負う形にできるのです。

リースバックのデメリット3つ

一方、リースバックの利用によるデメリットは次の3つです。

①不動産の所有権がリースバック運営会社に移る
所有権を運営会社に移転することには、デメリットもあります。

大きなデメリットは、リフォームや建て替えなどで物件を自分好みにカスタマイズできなくなる点です。

自由な改造は自宅を所有するうえでの醍醐味の一つですが、住宅をリースバックすれば、リフォーム等は物件の所有者である運営会社の許可を得なければなりません。

②売却価格は市場価格よりも安価になる
リースバックはすぐに自宅を現金化し資金調達できるメリットがありますが、その売却価格は市場価値よりも下がってしまいます。

リースバック業者が、売主のその後の家賃滞納リスクや将来の買い戻しの可能性などを査定の要件に入れるからです。

もし、相場以上もしくは相場近くの金額で売却できたとしても、その分、毎月支払う家賃が高くなってしまいます。

くわえて、不動産の購入時、価格以上に融資を受けるオーバーローンを用いていて、残債が売却金額よりも大きくなっている場合は注意が必要です。

その場合は、売却しても抵当権の解除ができないため、リースバックの利用ができません。

③契約内容によってはずっと住み続けられない
リースバックの契約条件次第では、「自分の家にずっと住み続ける」願いは叶わない可能性があります。
借家契約には「定期借家契約」と「普通借家契約」があり、定期借家契約で締結した場合は、運営会社の都合で契約更新をしない場合があるからです。

契約内容によって例外はありますが、定期借家の場合は賃貸借契約の期間満了後、運営会社が入居者に退去を勧告できます。

「任意売却」や「リバースモーゲージ」とはどう違う?

リースバックと同じく、ローン返済が苦しくなった際に取れる方法として、ほかに「任意売却」と「リバースモーゲージ」があります。

それぞれ、リースバックとの違いを解説しましょう。

任意売却は住居を引っ越す必要がある

任意売却は、債権者である金融機関の了承を得たうえで、債務者の意思で不動産を売却する方法です。

任意売却の基本的な仕組みは、一般の不動産売却と同様です。

したがって、リースバックのように、売却後も任意売却した物件に住み続けることはできません。

リバースモーゲージは老後資金としての活用が目的

リバースモーゲージは、年金受給者も含む高齢者向けのローン商品です。

投資や事業資金の目的ではなく、あくまで老後の生活資金確保の目的で、自宅を担保にして金融機関や自治体からお金を借りる方法です。

売主が死亡した後に自宅を売却することで、借りたお金を一括返済します。月々の支払いはローンの利息のみというのもポイントです。

リバースモーゲージは、資金を得た後も自宅に住み続けられる点はリースバックと共通しています。

ただ、物件の所有権はそのまま売主に残るため、物件所有にかかるリスクはリバースモーゲージの実行後も引き続き負わなければいけません。

「安価・高利回り・空室知らず」なリースバック物件は投資価値あり?

最後に、不動産投資家にとってのリースバック物件の価値を説明します。

リースバック物件は、市場価値よりも物件価格が安くなりやすいです。

不動産投資家にとっては、安価に仕入れられる点が大きなポイントといえるでしょう。

一般的に不動産市場では、都市部で3〜6%、地方で5〜8%が投資利回りの目安ですが、リースバック物件の場合は8〜13%程度の利回りで買い手を募集している場合が多いです。

安価に購入できるうえに高利回りであれば、将来的な売却益も見込めるでしょう。

さらに、売主がそのまま住み続けるため、購入直後から空室もなく、継続して家賃収入が得られるのは大きなメリットです。

ローン返済に苦しんだ世帯が入居するため家賃滞納がやや心配ですが、家賃保証会社を利用すればリスクヘッジできます。

賃貸契約は「定期借家契約」を締結し、入居者の素行や滞納状況などを把握したうえで、更新時に再契約するかどうかを判断しましょう。

売り手のニーズを把握して有利なリースバック投資を

リースバックは不動産の売主にとって救いの一手となりえますが、不動産投資家にとってもメリットが大きな方法です。

高利回りの物件を探している投資家向けとしては、おすすめの投資案件だといえるでしょう。

リースバック物件を探している投資家は、任意売却専門の不動産会社に問い合わせてみてください。

うまくすれば、掘り出し物のリースバック物件を購入できるかもしれません。

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著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

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