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加藤隆が実際に体験した不動産投資の罠

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不動産投資を失敗しないために、初めて大家になったらするべきこと

目次

今回は、大家になったばかりの方へ向け、勉強しておくべきことや初期にやっておいたほうが良いこと、確認するべきことをご紹介します。
また、不動産投資においては、正しい情報を得る力や情報を判断する力をつけて、だまされないようにすることも大切です。
不動産投資初心者が失敗を避けるために、気をつけるべきことをまとめました。

世界経済を俯瞰で見ながら、資産運用の特徴を考える

不動産経営を始める前、もしくは始めたばかりという方には、ある程度は経済、法令、会計・税務、不動産経営全般について、勉強しておくことをおすすめします。

経済については、マクロ経済を学び、世界と日本の経済の関係を俯瞰しながら、資産運用全般の特徴、長所・短所を知ることです。

昔の金兌換(きんだかん)性と違って、現在は不換紙幣で金の裏付けが不要なため、理論上は無制限に紙幣を印刷することが可能です。極論をいえば、国は借金が積み上がっても紙幣を印刷すれば良いだけのことなのです。

紙幣の信用度は下がり、貨幣価値が下がっていくこととなります。逆にいえば、相対的に、物の価値が上がっていくこととなります。いわゆるインフレの状態です。借入金を活用して、不動産に変えておけば、借入金の実質負担は減り、相対的に、不動産の価値は上がることとなります。こうした長期的・大局的な見方が大事だといえます。

資産運用

資産運用は、流動資産と固定資産に大別されます。流動資産は、すぐに現金化できるもので、現金・預金・外国為替・貴金属・株等が当たります。固定資産は、すぐには現金化できないもので、不動産がこれです。

固定資産である、不動産投資は、すぐに必要となる資金は活用せずに、余剰資金でやるべきでしょう。
不動産経営においては、修理費、家賃滞納、空室(敷金返却・リフォーム・空室フリーレント時家賃無し・広告費・家賃値下げ)等突発的な支出があります。ローン支払不能にならないようにある程度の余剰資金は確保しておくべきでしょう。

法令、会計・税務

不動産経営をするうえで、不動産のことはもちろん、法令、会計・税務も密接に関わってきます。こういったスキルは、サラリーマンや自営業者であっても役立つものです。
法令は、基本的な民法・会社法や、権利関係の法令(国土交通法・都市計画法・緑化法、建築基準法等)・宅地建物取引業法・区分所有法などは知っておきましょう。

会計・税務は、財務諸表の簡単な意味程度を理解しておくと便利です。貸借対照表(BS、Balance Sheet)(資産―負債=自己資本)、損益計算書(PL、Profit & Loss statement)(売上―経費=利益)、資金繰り表(CF、Cash Flow)(受取現預金―支払現預金=手残り現預金)などが自分でわかるようになると良いでしょう。

自分の財務内容を把握しておくと、融資受け・確定申告・税務調査時等、必要に応じ、関係者(不動産会社・金融機関・税務署等)へタイムリーに情報提供できるようになります。
不動産会社や金融機関、各種士業の先生(宅地建物取引士・不動産鑑定士・司法書士・土地家屋調査士・公認会計士・税理士・弁護士等)と話をするのもスムーズになるというメリットもあります。

法律や経営を勉強していると資格取得について考えることもあるでしょう。「足の裏に付いた米粒」(取っても食えない)といわれているように、それで食べていくのは難しいですが、この際資格取得をするのもおすすめです。
 勉強することで金融機関の担当者に、真摯に不動産経営に取り組んでいるという印象を与えることができ、有利に働くこともあります。

私もN本政策金融公庫から融資を受けるときに、各種資格の合格証書コピーを要求されたことがありました。私は、行政書士、宅地建物取引士、マンション管理士・管理業務主任者、防火管理者、AFP(Affiliated Financial Planner)・FP技能士2級を持っています。

不動産業界・金融業界は、魑魅魍魎の世界で、悪徳不動産会社・悪徳金融機関が跋扈していますので、だまされないように知識を深め自己防衛に備えるべきと思います。

不動産投資初心者が、これだけはやっておくべき5つのこと

①自分の属性情報を整理する

不動産会社交渉や金融機関交渉、物件購入の際には自分個人の情報が問われます。自身のタイムリーな属性情報を整理しておきましょう。

売手市場の昨今、優良物件を割安価格で購入するには、スピードが重要になります。まずは、「源泉徴収票」、「確定申告書」を整理すべきでしょう。
さらに交渉が進むと、収入・支出関係では「給与明細書」や「賞与明細書」など、資産関係では、「預貯金通帳」や「登記簿謄本」などの書類が必要になります。 

自分の資金繰りや収支、資産負債内容については、一覧表にまとめておくと便利です。その際、簡易ソフトなどを使わずにMicrosoft Excelなどの表計算ソフトを活用し、自分で作成することをおすすめします。便利な簡易ソフトは、仕訳・財務諸表の見方がわからなくても、ソフトが自動的に仕訳し、決算書を作成してくれます。

しかし、自分自身で理解して集計や転記等計算式を組んで作っていった方が、最初は大変ですが決算書への理解が深まります。

資金繰り・損益・財務内容などにおいて、どこをどのように改善すれば、全体が改善されるのかも理解しやすくなります。
不動産経営も経営の一つですから、そういった気構えが重要です。

そういったことは、不動産会社や金融機関選定にも役立ちます。サラリーマンや自営業者にとっては、本業でも役に立つことでしょう。

②自分の属性をアップする

収入や自己資本など、自分自身の属性をアップさせることも大切です。属性アップのため、サラリーマン以外の収入の道(資産運用など)も模索し、節約して種銭を作りましょう。

③信頼できる不動産会社を選定する

不動産会社についてはネットや口コミ、訪問などで常にチェックしましょう。
業歴の長い会社や、資金繰り・収支・財務内容の優良な会社、シミュレーションがしっかりとした会社(不動産取得税、固定資産税・都市計画税、場合によっては、修理費・リフォーム費用・空室・家賃下落まで考慮している会社)などをピックアップしましょう。

さらにメリットだけでなくデメリットも話し、本人に選択を任せてくれる会社、建てっ放し・売りっ放しではなく、その後の建物管理・賃貸管理まで行ってくれる会社やリピーターが多い会社などが信頼できる会社といえます。

④信頼できる金融機関を選定する

不動産会社の情報収集と同様に、ネットや口コミ、訪問などでチェックします。業歴の長い金融機関、資金繰り・収支・財務内容の良い金融機関、リピーターが多い金融機関、条件の良い金融機関(融資金額・期間・金利など)などがおすすめです。

⑤物件を選定する

信頼できる不動産会社・金融機関を選定したら、金融機関に対し、自分の属性情報を開示します。その上で、いくらまで融資受けができるか、どういった物件なら融資受けできるかを聞きます。
その中から、自分の好みの物件を絞り込み、その情報を不動産会社と金融機関に開示し、該当情報が届いたら、即判断し、行動します。

優良物件を割安価格で購入するにはスピードが命です。融資内定が取れていれば、仮に二番手以降でも、優先してもらえる可能性が高くなります。

不動産経営において、きちんと確認するべきこと

不動産経営で特に確認が大切なのが、「重要事項説明書」、「売買契約書」、「抵当権設定付金銭消費貸借契約書」、「媒介契約書」、「賃貸借契約書」といった書類関係です。

契約者、物件、金額、期限、特約などの重要な点は必ず確認することです。契約の段階になって、不利な条件に変わっているといったことがよくあるからです。

「売買契約書」においては、白紙解約期限をきちんと理解しておきましょう。金融機関・融資金額・期間・金利などを明確にし、白紙解約期限内に融資実行まで進めることが無難です。

悪徳不動産会社・金融機関にだまされないためには

悪徳不動産会社・金融機関は存在します。ですから、重々気をつけなければなりません。
だまされないためには、先述した通りしっかりと勉強すること。そして、信頼できる不動産会社・金融機関を選ぶことです。

現在、悪質な事柄で流行っているのは、「違法建築」です。
耐震偽装、杭打ち傾き、天井界壁抜きなど、やりたい放題です。ネットや口コミから、信頼できる不動産会社を選ぶしかありません。

土地から購入した建築請負の場合には、古屋付土地、更地、基礎、上棟・棟上、建物完成、内装完成、引き渡しなど、タイミングごとにチェックすることも牽制になります。
建物が完成した後や中古物件では、なかなかチェックしにくいものです。それでも、傾きのチェックや雨漏りなどは素人でもある程度はチェックできます。

契約上、新築は品質確保法で10年間(基礎・柱・天井・水回りなど)の保証が付いています。中古を宅地建物取引(宅建)業者から購入する場合には、瑕疵担保責任2年間が付いています。
中古を、個人などの宅建業者以外から購入する場合には、瑕疵担保責任は特約で排除することが可能です。その場合は、注意が必要です。

地面師や三為業者(第三者のためにする業者・他人物売買・中間省略登記)などによる、手付金詐欺もあります。所有者が本物であるか確認し、手付金は少なめにしましょう。
取引が白紙解約条項などよって解約となった場合には、即時回収に回らなければなりません。

他にも、詐欺の手口としては「書類偽造」もあります。本人の知らない間に行われ、トラブルが起こったら、こちらのせいにされます。
スルガ銀行では、源泉徴収票や預貯金通帳などの個人属性関連、重要事項説明書や売買契約書などの物件属性関連を偽造し、不正融資を行なっていました。

偽造されないためには、不動産会社経由ではなく直接金融機関(できれば複数担当者)に対し、コピーではなく原本を提出することです。口頭だけではなく、電子メールや書面、場合によっては録音などでも証拠を残しておきましょう。

しっかりと勉強を重ね、まずは始めることが大切

不動産経営の事故率は0.1%(主に融資返済不能)といわれており、安全性が高い資産運用方法です。
不良物件を割高価格で買わない限り、失敗のリスクは低いでしょう。
しかし、悪徳不動産会社や金融機関から不良物件を割高価格で買ってしまうと、一発玉砕や自己破産、再起不能に陥りかねません。

とはいえ、「何もしないことのリスク」があることも事実です。勇気を持って、小さなところからでも、まずは始めるという気持ちも大切だと私は思います。
初心者の方は、リスクの低い物件から不動産投資を始めて、慣れてきたら徐々にリスクも取りつつ、やがてはリスク分散形の不動産経営にシフトしていくのが良いかと思います。

しっかりと勉強して、十分気をつけながら不動産投資に取り組んでいきましょう。

著者紹介

加藤 隆
加藤 隆

サラリーマンのままで、経済的・時間的・精神的自由を目標に、預貯金・外国為替・貴金属・株等の資産運用を経て、不動産経営歴31年。数々の失敗・バブル崩壊を生き抜き、リスク分散をモットーに、東京・博多・札幌・名古屋・京都・小樽・千葉に、区分所有マンション・一棟物アパート・一棟物マンション・戸建等、物件108戸を運営。総資産7億円・借入5億円・自己資本2億円、年間家賃収入4,100百万円・借入金返済3,100万円・キャッシュフロー1,600万円。節税で、所得税・住民税ゼロ。

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