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不動産投資の最新動向

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2027年リニア開通、不動産投資への影響は?

目次

2027年開通する予定のリニア中央新幹線。

JR東海と静岡県の対立により予定通りの開通が難しくなったという報道で、話題にのぼることも多くなりました。

そこで今回は、リニアにまつわる最新の情報と地価予測をふまえ、リニア開通が不動産投資にもたらす影響や狙い目となるエリア、そこに投資するメリットを解説します。

2027年開業は不可能!? 投資家も注目の最新リニア事情

電力と磁力を駆使し、車体を浮かせて走るリニア新幹線は、東京-名古屋間をわずか40分で移動できるという、夢のような超特急です。

東京(品川駅)-大阪間の全線開通は2037年の予定ですが、現在新幹線で2時間30分程度かかる同区間を、わずか67分で走り切るそうです。

リニア新幹線が開通すれば、停車駅周辺地域の再開発に注目が高まり、地価の上昇が見込まれるため、次の投資先を探す不動産投資家にとって「リニア開通」というのは、要注目のトピックです。

しかし実は、2027年開通予定とされているリニア建設プロジェクトに、暗雲が立ち込めています。

静岡県が着工を認めないことから、JR東海が工事を中断せざるをえない状況に陥っているのです。

静岡県民の生活用水で命の水でもある大井川の水資源が、リニア開通のための南アルプストンネルの工事実施中に毎秒2トン減少するというのが、静岡県が工事に反対する最大の理由です。

静岡県の同意を得なければ建設は進められないため、2037年開通予定の大阪までの延伸時期も、非常に不明瞭なのです。

リニア開通遅れによる不動産市場への影響とは?

リニアが開通すれば、東京-名古屋間の開通で約5兆円、東京-大阪間の開通で約17兆円もの経済効果が見込まれています。

前述のとおり、リニア自体の工事は停止中ですが、実は不動産市場にとっては悪いニュースばかりではありません。

停車駅周辺地域の新駅・新路線の開発など、周辺工事は着々と進んでいるからです。

再開発により各地域の地価は上昇傾向にあり、リニアの開通が遅れたとしても不動産価格が暴落する危険性は低いでしょう。

再開発地区で賃貸需要の高まる狙い目エリアとは?

リニア開通によって恩恵を受けるエリアは、不動産投資家にとって注目すべきポイントです。

どのようなエリアを狙い、どのような物件をセレクトすべきか、エリアごとに解説しましょう。

注目度の高い橋本駅周辺と横浜エリア

リニア新幹線の中間駅の1つが「橋本駅」です。

神奈川県相模原市に位置する橋本駅ですが、神奈川県では横浜市、川崎市に次ぐ人口規模を誇ります。

JR橋本駅の乗車客は1日に約6万6,000人、京王線橋本駅の乗降客は1日に約9万8,000人。

「相模原の北の玄関口」ともいわれている橋本駅には、タワーマンションなど多くの賃貸物件が新たに供給されており、チェックしておきたいエリアです。

リニア着工前から約10%も地価が上昇したエリアもすでに存在します。

特に、自治体の「相模原市広域交流拠点整備計画」に沿ってまちづくりが進められている橋本駅周辺は、要注目の場所といえます。

さらに、橋本駅から横浜線で接続する横浜駅近辺も無視できません。

横浜はいわずと知れた神奈川県最大の都市であり、本社機能を横浜近辺に構える企業もたくさんあります。

横浜には「商業施設の建設計画」「カジノ誘致」というトピックもあり、大規模都市開発が進められているため、今後さらなる人口流入が予測できます。

労働者が激増するため、周辺地域のワンルームマンションの将来性が高いでしょう。

とりわけ築古の物件は、東京に比べてかなり価格が安いので、早めに買ってリフォームしておけば、地価の上昇後に高値で売却できる可能性もあります。

地価上昇がめざましい名古屋エリアは外せない

リニアの発着駅となる名古屋駅近辺も、見逃せないエリアです。

名古屋では、大規模な再開発が花盛りで、JPタワー名古屋や大名古屋ビルヂングをはじめとするランドマーク的な高層ビルが次々に建て替わっています。

実際、2000年から2020年までの20年間で、名古屋市の地価は40%も上がっています。

直近の大規模計画としては、2022年に着工予定の名鉄名古屋駅ビルの再開発プロジェクトが注目です。

地上30階を誇る高さ180メートルの超巨大ビルが誕生する予定で、オフィスや商業施設、ホテル、住居などが入ることになります。

大規模再開発でさらなる地価上昇が期待できる栄駅周辺

さらに、名古屋駅から市営地下鉄で2駅の「栄駅」周辺にも注目しましょう。

中部地方を代表する繁華街の栄エリアですが、2019年だけで路線価が23.5%も上昇しており、名古屋市内ではトップクラスの上昇率を誇ります。

約400年の歴史に幕を閉じた百貨店「丸栄」の跡地には大型商業施設が新設予定で、大丸松坂屋百貨店と栄広場の複合商業施設も2024年に完成予定。

これらの大規模施設が開業すれば、エリア価値は格段に上がるでしょう。

一方で、名古屋は注目度が高いだけに、ほかの不動産投資家との競争は激しいと考えられます。

収益物件を探す場合は、名古屋駅の近隣駅などにも着目してみてください。

たとえば、矢場町駅や伏見駅、金山駅は、いずれも名古屋駅や栄駅にアクセスしやすく、狙い目です。

人口が流入するエリアを予測して投資計画を立てよう

リニアの発着駅である東京・名古屋・大阪の近郊エリアは、再開発により今後、市場価値がどんどん上がるでしょう。

築古マンションや戸建てなど安価な物件を今のうちに購入すれば、地下の急上昇で大きな値上がりが狙えるかもしれません。

今回紹介した内容を参考にしつつ、人口が増えそうなエリアを自分なりに予測し、投資のチャンスを見つけましょう。

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著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

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