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【タワマン人気に陰り……売却時期を見定めて早く高く売る方法】

目次

日本に初めてマンションが登場してから、60年あまり……約650万戸にも及ぶ膨大な数のマンションが日本中にひしめいており、その中で近年問題視されているのが、2000年代に建設が相次いだタワーマンションです。芸能人や経営者などハイステータスな人々が住む憧れの住まいとして脚光を浴びましたが、いざ住んでみると不便なことが重なり、後悔する人が続出しているのです。

2021年に開催が延期となった東京オリンピックが終われば、土地が値下がりするとも予想されており、今後も所有し続けるか、早めに売るべきかの判断を下す必要があります。

タワマンに住んで後悔する人たち

タワマンに暮らしたいと考える人々のニーズは、ステータスとして「品のよい暮らしがしたい」「おしゃれな暮らしがしたい」「都会的な暮らしがしたい」という憧れの実現であることが大半です。一方で、タワマンで暮らす人は必ずしも生活に満足しているわけではありません。いざ住んでみると不便さや不満が噴出し、「今の家に一生住み続けたい」と考える人はほとんどいないのが現実です。

もちろんタワーマンションは駅から近いなどの好立地であることが多く、魅力的なメリットを備えています。商業施設や医療施設のほか、保育園も増えており、利便性がかなり高い住環境も魅力です。また、タワマンのメリットを多分に享受できるのは共用施設の存在でしょう。ゲストルームやキッズルーム、ジムやプールなど、通常の暮らしでは家に備わっていないような設備が充実しています。

憧れのタワマン暮らしで後悔する理由とは

2020年新型コロナウィルスの大流行により、外出自粛やテレワークの機運が高まり、家で過ごす人が増えています。家にいる時間が増えたからこそ気づいた、タワマンに対する不満が出てきているのです。

エレベーターの渋滞
数百もの世帯が住まうタワマンだからこそ、通勤・通学のタイミングではエレベーターが大混雑します。コロナ禍において、「3密」による感染リスクを高めてしまうと考えられます。
さらに高層階であればあるほど、上り下りに時間がかかり、エレベーター以外の乗降手段がないため、不満が募りやすいようです。災害や停電、事故などの非常時には階段での登り降り余儀なくされるため、住民の負担は重くなります。

隣人の音漏れが気になる
「隣からトイレを流す音が聞こえた」「ドアの開閉の音が聞こえるので隣人の出勤・帰宅時間が嫌でもわかってしまう」など、プライバシーについての不満が聞かれます。タワマンは構造上、縦に長いことから軽量化を目指して、軽い素材で壁を仕切っていることは珍しくありません。遮音性が低く、聞きたいとも思わない隣の家の音が聞こえてしまうわけです。

回線が遅いインターネット
マンションなどの集合住宅の場合、建物単位でインターネット回線を契約することが多いです。在宅勤務など家にいる人が増えた分、同じ時間帯に同じ回線を利用するため、回線速度が遅くなり満足にインターネットもできないという事象が起きています。

宅配の利用やゴミ出しが面倒
近年では通販やUber Eatsなど宅配してもらうサービスが充実してきたことにより、わざわざ買い物に行く必要がない便利な時代になりました。宅配ボックスで荷物を受け取ることもでき、ますます家を出る必要がなくなりましたが、複数あるセキュリティを通って家まで届けてもらうか、1階にあることが多い宅配ボックスまで荷物を取りに行く必要があるなど、不便なことも多いのです。

他にも、「風が強くベランダで洗濯物が干せない」、「共用施設の予約が取りづらい」、「タワマンならではのカースト問題にストレスが溜まる」など、さまざまな不安要素があるようです。さらに、タワマンで暮らすにはこのようなリスクがあるので、今後の売却について検討する必要性も考えなければなりません。

大規模修繕の負担額増加

タワマン購入直後は、住宅ローンと合わせると管理費と修繕費は月々4万〜5万円程度が相場ですが、管理費・修繕費は段階的に高くなってくることが多いです。入居当初は管理費・修繕費を高く設定すると買い手がつかないため、低めに設定していることがほとんどです。また、高層マンションの修繕は施工技術が確立されておらず、修繕事例もほとんどないため、最初から正確な見積もりを出すことが難しいのです。

いざ大規模修繕をしようとした際に、たとえば外壁塗装一つでも通常の住居のように足場を組むことができないため、屋上からゴンドラを使うなど工数やコストがかかってしまいます。

老朽化進行の恐れあり

大規模修繕を実行するには、住民の3/4の合意を得る必要がありますが、莫大な予算がかかる上に、普段徴収している修繕積立金では足りない可能性があるため、大規模修繕自体が困難になる可能性が高まります。また、上層階と低層階ではそれぞれの住戸の値段が異なることから、居住者のステータスやライフスタイル、考え方の違いがあり、大規模修繕の合意形成が難しいことが考えられます。

居住目的だけでなく投資目的で購入している人もいるため、根本的に考え方が異なるのです。結果的に大規模修繕が行われず、タワマンの老朽化が進行し、資産価値が落ちる可能性もあります。

タワマンのここぞという売り時と売却の方法

マンションの売り時のピークは、東京オリンピック直後と言われています。そこからマンション価格の下落が予想されるため、売却を検討している場合はそれまでに判断し売却する必要があるでしょう。

タワマンを売却するタイミング

前述の通り、東京オリンピックまでに売却するのが賢明な判断です。そこで判断材料として、相場の考え方を解説します。まず、「中古マンションの価格相場」を見極める必要があります。立地や設備によって売却の価格相場は変わってくるので、ご自身の保有物件の価格相場を調べることから始めましょう。一括査定サービスを利用するなどして、複数会社へ同時に査定依頼をすると効率的です。

所有時期で見極め方が変わる売り時

時代や環境によって変わる「価格相場」ですが、所有者の所有状況で売り時を見極める判断ポイントが変わります。

タワマンを5年超所有
不動産売却の際、「譲渡所得税」を納税する必要があります。譲渡所得税は不動産の所有期間に応じて税率の計算が異なるのですが、所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」、5年超の場合は「長期譲渡所得」といいます。短期譲渡所得の税率は39.63%で、長期譲渡所得の税率は20.315%です。タワマンを5年超所有している場合は、売り時と判断する理由の一つとして良いでしょう。

タワマンを10年超所有
居住用としてタワマンを購入した場合、所有が10年を超えてから売却すれば、譲渡所得の軽減税率の対象となります。「10年を超えて所有」に当てはまれば、譲渡所得6,000万円以下の部分では税率14%となるのです。10年という期間は住宅ローン控除を受けられる期間でもあり、住宅を購入する際に住宅ローンを借り入れた場合、毎年住宅ローン残高の1%を10年間所得税から控除されるのです。ちなみに、2018年以降に新築されたタワマンの低層階であれば、固定資産税が見直されたことで減税されていることもアピールポイントとなります。

タワマン売却の方法

タワマンの売却を検討する際にポイントは大きく二つです。一つは、購入時の販売元に査定を依頼することです。タワマンの設備など物件の詳細に一番詳しいことと、物件の需要まで把握していると考えられるため、正確な評価をしてもらった上で、物件に適した売却活動を実施してもらえるメリットがあります。もう一つは、一般媒介契約をセレクトすることです。販売元だけでなく、複数社に査定してもらい、一般媒介契約で複数社を競わせながら、購入希望者の幅を広げて、より早く高く売ることに徹しましょう。

賢いオーナーはすでに売っている

タワーマンションが流行し出した当時と比べると、タワマン事情も大きく変わりました。今もなお増え続けるタワマンですが、賢いオーナーはすでに売却するなど早く判断し手を打っています。高額な大規模修繕費用を請求されるなど追い込まれてから行動するのではなく、早めの判断をしましょう。

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著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

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