不動産投資の最新動向
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2021年7月21日(水)
「無償譲渡物件」が大人気!?――「0円で物件が手に入る」にリスクはないのか
毎月定期的に家賃収入が得られる不動産投資は、比較的容易に不労所得が得られる投資として根強い人気がありますが、初期費用が大きなネックとなります。
一般的に数千万円以上する不動産は、ローンを利用するにしても数百万円の初期費用が必要です。
そこで注目を集めているのが、初期費用0円で手に入る「無償譲渡物件」。
今回の記事では、無償譲渡物件のリスクを徹底検証します。
「無償譲渡物件」とは?
無償譲渡物件とは、文字どおり「無償=無料・0円」で譲渡してもらえる物件のこと。
この物件が存在する大きな背景としては、人口減少などによって空き家が急増したことがあります。
総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、2018年時点の空き家の数は848万9000戸で、過去最多を更新。
全国の住宅のうち、空き家が13.6%も占めているのです。
しかし、空き家を所有していても、よいことはほとんどありません。
庭木の枝が伸びれば近所迷惑になりますし、人が住んでいなくても毎年固定資産税などの税金を納めなければなりません。
だからといって売却しようとしても、立地が悪い、建物の老朽化が激しいといった理由で、買い手が見つからないケースが多いのです。
そのような物件が、「無償譲渡物件」となって、にわかに注目を集めています。
「無償譲渡物件」へ投資するメリットは?
無償譲渡物件の魅力はなんといっても、0円で物件が手に入ること。
不動産会社を介さずオーナーと直接取引をすれば、仲介手数料もかかりません。
自己資金が少ない投資家には、非常に大きなメリットとなります。
また、自然が豊かな地方の一戸建てが多い無償譲渡物件は、単純に賃貸に出すというのではなく、民泊や宿泊施設として活用する方法も考えられます。
無償譲渡物件を手に入れる方法は?
タダで物件を手に入れるというのは夢のような話ですが、具体的にはどうすればよいのか?
もっとも手軽な方法は、気になる地域の自治体に直接問い合わせてみることです。
全国の市区町村の多くは、「空き家バンク」を運営しています。
「空き家バンク」とは、オーナーが賃貸・売却・無償譲渡したいと考える空き家の情報を集約し、その空き家を活用したい人に紹介する制度。
ただし、すべての自治体にこの制度があるわけではありません。
くわしくは、「市区町村名 空き家バンク」といったキーワードで検索すれば、かんたんに情報が得られるでしょう。
無償譲渡物件を手に入れる際の注意点は?
自己資金が少ない不動産投資家にとって非常に魅力的な無償譲渡物件ですが、手に入れる際には次の4つの点に注意しなければなりません。
①各種の税金がかかる!
無償譲渡物件の購入費じたいは無料ですが、手に入れたあとは贈与税や不動産取得税、登録免許税、固定資産税、都市計画税が発生します。
つまり、まったく無料で手に入れることはできないのです。
②登記などの手続きが面倒……
不動産業者を介さないで取引をするということは、契約書の作成や登記などの手続きを、すべて自分で行なう必要があります。
不動産関連の手続きは非常に煩雑で、ほとんどの人にとって初めての作業ですから、非常に厄介です。
契約関係においては、慣れないゆえに「建物や設備に不具合が生じた場合にどうするか」を決めておかず、引き渡し後に「言った・言わない」となり、オーナー側とのトラブルに発展するケースは少なくありません。
③リフォームや修繕をしなければならない物件が多い!
無償譲渡物件のほとんどは、売りたくても値段が付かない物件です。
つまり、築古でリフォームや修繕をしなければ居住できないような建物が多いのです。
したがって、購入費は無料でも、リフォームや修繕費で多額の出費を要することになります。
④立地が悪くて賃貸に向かない場合がある!
無償譲渡物件を売りたくても値段が付かない理由には、立地の悪さも考えられます。
その場合は、通常の賃貸物件には向かないので、前述の宿泊施設など、別の活用方法を考えなければなりません。
0円だからといって飛びつかず、じっくり吟味を
以上のように無償譲渡物件を手に入れるさいには、さまざまな注意点があります。
0円だからといって飛びついてしまうと、将来「何の役にも立たないお荷物」となってしまうことも。
「タダ!」という文句に踊らされず、個々の物件をじっくり吟味することが重要です。
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