不動産投資の最新動向
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2020年10月29日(木)
インカムゲインとキャピタルゲインの違いとは? 具体的な違いやメリット、リスクを解説
投資から得られる利益には、インカムゲインとキャピタルゲインの2つがあります。そもそもインカムゲインとキャピタルゲインとはどういう意味なのか、それぞれの違いについてもきちんと理解している人は意外に少ないのではないでしょうか。自分に適した投資方法を探る上では、これらの意味と違いをきちんと理解しておきたいところです。また、それぞれのリスクにも解説していきましょう。
インカムゲインとキャピタルゲインについて
インカムゲインとキャピタルゲインはそれぞれ投資から得られる利益という点では同じですが、本質はまったく異なります。
インカムゲインとは
インカムゲインとは、「資産を保有することで安定的・継続的に得られる利益」のことです。
不動産投資の場合は、家賃収入がこれに当たります。株式投資の場合は、株主が受け取る企業からの配当金が該当します。ほか、銀行預金や利付債権の受け取り利息、投資信託の収益分配金もインカムゲインです。
キャピタルゲインとは
キャピタルゲインとは、「資産を売買した売買差益で得られる利益」のことです。
資産については、土地、建物、絵画、ゴルフ会員権、貴金属、株式や債権などの有価証券などが該当します。価格が高く変動したときに売却することで得られる値上がり益がキャピタルゲインです。
インカムゲインとキャピタルゲインそれぞれの特徴
次にそれぞれの特徴を解説します。
インカムゲインの特徴
インカムゲインは、「一回あたりの利益は小さい」「利益が安定して発生しやすい」「利益が発生するのは保有している間のみ」の3つが特徴として考えられます。
インカムゲインは長期的に資産を保有することで利益を得る方法です。
不動産投資をした場合、たとえば毎月の家賃収入が10万円だったとしても、複数物件を所有しない限り急激に収益が増えることは考えられません。しかし、入居者がいる間は原則として毎月家賃収入を得ることができるため、安定的な収入という点では大きなメリットです。
インカムゲインを得るためには、資産を保有し続けなければならないこともポイントです。
キャピタルゲインの特徴
キャピタルゲインは、「発生する利益が大きい」「利益が発生するのは確実ではない」「資産を売却したときのみ得られる」の3つが特徴です。
株式投資をした場合、たとえば1,000円の銘柄を100株購入して、それが1,500円になったときに100株すべて売却したら、その差益は50,000円です。10万円が15万円になったと考えると利益が大きいことがわかります。
ただし、その逆もあり得ます。1,000円の銘柄が800円になったら、損失となります。これを「キャピタルロス」と呼びます。資産を売却したときのみ得られるのがキャピタルゲインのため、売却するまでは利益になるか、損失になるかはわかりません。特に価格変動が大きい金融商品を取り扱う場合には注意が必要です。
両方の性質を持つ不動産投資と株式投資
投資商品の中で、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を得られるのが不動産投資と株式投資です。細かく見れば投資信託や預金も両方の性質を持つこともありますが、今回は特にわかりやすくメジャーな投資方法の二つについて紹介しましょう。
不動産投資
前述の通り、毎月安定的に得ることができる家賃収入はインカムゲインです。
家賃収入が安定的だといっても、物件の運営費やローンの支払い、税金の負担、修繕費が必要です。これらの出ていくお金も視野に入れながら計画的に行わなければなりません。
一方で、不動産を売買して得られる利益はキャピタルゲインです。
不動産の売買によって動く金額はとても大きいので、リスクはその分大きくなります。ちなみに、タワーマンションを売買してより高級な物件に住み替える「空中族」や一昔前の「土地転がし」は不動産のキャピタルゲインで利益を得るケースです。
株式投資
株式投資は、株式を売買することで利益を得られるキャピタルゲインです。景気や業績によって株価が変動するため、大きな利益を得るチャンスがある一方、損失を被る可能性もあり、リスクのある投資商品といえます。
ただ、株式を所有していることで、配当金や株主優待を得ることができるため、これは大きなメリットでしょう。株式を保有していることで得られる利益ということで、配当金や株主優待はインカムゲインに該当します。
企業は利益の一部を配当金や株主優待で還元するため、好景気のときはキャピタルゲインとインカムゲインの両方を得ることができます。株式投資はリスクも大きい投資商品ですが、リスクを最小限に抑えることもできます。
一定以上の損失が出ないように「損切り」の条件設定をしておくのです。これは、株式投資を行う上で必須の考え方でしょう。
また、「分散投資」によって同時期に複数銘柄を購入することで、たとえ一つの銘柄で損失が起きたとしてもほかの銘柄でその損失をカバーすることができます。
インカムゲインとキャピタルゲインのメリットやデメリットについて紹介してきましたが、どの投資方法を選択するにしても、安定的かつ高収益を得られることが理想です。リスクをきちんと把握した上で、手堅く自分に合った投資スタイルを確立しましょう。
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。