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加藤隆が実際に体験した不動産投資の罠

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水漏れで200万円の請求を受けた話など、水漏れにまつわるトラブル事例

目次

設備系のトラブルと言うと、すぐに思いつく限りでも鍵の紛失や故障、エアコンや給湯器の故障、台所のトラブル(ガスコンロ・換気扇・棚などの故障やボヤ・火災)、風呂やトイレ、洗面所の故障、水漏れなど、数々あります。その中でも最も多いのが、水漏れトラブルです。今回は水漏れトラブルや、損害保険についての話をしましょう。

設備系トラブルは管理組合・所有者・入居者の誰かが責任を取る

水漏れのトラブルは、入居者だけでなく下のフロアの住人など、他人に迷惑をかけて被害が甚大になるリスクもありますから、決して軽視してはいけません。

また北海道では、設備が古くなってくると、極寒の日に水道管が凍って破裂するトラブルがしょっちゅう起こります。寒い冬の年では、4回立て続けに水道管破裂・水漏れがあったこともあります。大家業をやっていると、誰もが経験するよくあるトラブルの一つが、水漏れトラブルと言えるのではないでしょうか。

対策というわけではないのですが、水漏れなど設備系トラブルの場合、責任の切り分けが大切になります。誰が、どこまで責任を取るのかをはっきりさせておかないと、いざトラブルが起きた際に誰もが無責任に対応せず、被害が拡大してしまうこともあるのです。

区分所有マンションの場合、共用部分(エントランス・エレベーター・廊下・ベランダなど)については、管理組合(建物管理会社)マター(案件)となります。専用部分(各室内)については、所有者(大家)マターになります。そして、入居者の故意・過失の場合には、入居者に求償でき、入居者マターとなります。ですので、入居者にも、火災保険などの保険に加入させるのは重要です。さらに言うと、水漏れトラブルの場合は、上階からの水漏れにより被害者になる場合だけではなく、水漏れが下階へ被害を与えて加害者になる場合もあり得ます。加害者になってしまう場合を想定して、第三者損害賠償責任保険(入居者と所有者以外の人に被害を与えてしまった場合に損害賠償を行う保険)に加入させておくことも重要になります。

この切り分けについては、お互いに、知らぬ存ぜぬという傾向にありますので、賃貸管理会社も含め、きちんと確認すべきです。

ただし、一棟アパート・一棟マンション・戸建てについては、区分所有マンションのように共有ではなく、管理組合もないため、全て、所有者マターとなります。管理費・修繕積立金制度もありませんので、所有者が自分できちんと長期的視点も含めて、管理する必要があります。

水漏れで200万円の請求が来ることも!

以前、札幌の区分所有マンションで、水漏れが発生し、下の階にまで被害を与えてしまったことがありました。水漏れを起こしていたのは、床下の見えない場所らしく、区分所有者のコントロールできるエリアではありません。もちろん所有者である私の管轄とも思えず、当然のことながら共用部分に該当して、管理組合(建物管理会社)マターと思っていました。ところが管理組合は、専有部分だと言い張って、知らぬ存ぜぬを決め込もうとしました。

しかも不幸なことに、下の階は、美容室。高額な美容設備にまで影響が出たとかで、なんと、200万円もの損害賠償請求が来たのです。私は、賃貸管理会社経由で、共用部分だと主張してもらいました。しかしらちが明かず、仕方なく、私が直接、建物管理会社に交渉して、管理組合を説得してもらいました。

結果的には、管理組合の方で共用部分と認められ、管理組合(建物管理会社)マターとなり、助かりました。しかし、自分の所有する部屋の被害部分については、所有者マターとなりました。

ある日突然来た、知らない人からの損害賠償請求

水漏れといえば、こんな話もありました。同じく以前の札幌の区分所有マンションでの話です。

ある日、突然、知らない人から電話がありました。
「私は、おたくの所有している部屋の、下の部屋を所有している者だが、おたくの部屋から水漏れがあり、部屋がぐちゃぐちゃ。どないしてくれるんや!! なんなら出るところに出てもええんやけど、わしも、たまたま、修繕の仕事をしているから、4万円で手を打とうやないか」

私は、振り込め詐欺の一種かなと思い、一旦は電話を切りました。その後で、賃貸管理会社に電話をしたところ、どうも事実のようでした。

賃貸管理会社の話では、電話の調子と同じで強硬で手に負えないので、なだめるのを諦めて所有者の私の電話番号を教え、直接話してくれと、話したようです。これでは、管理の意味をなしていませんし、個人情報保護もあったものではありません。賃貸管理会社に対して憤りを感じないこともなかったのですが、問題は被害者の相手です。現場を見てみないと、適切な判断ができないとも思いましたが、しかし、札幌での出来事ですし、交通費だけで、数万円が吹っ飛びます。裁判でも起こされたら、何十年、何百万円もかかり、時間とお金の無駄です。この時は相手の要求通り、4万円で終わらせました。

保険金の不払い

不景気な中、2005年くらいからでしょうか、一時、保険金の不払いが多くなっていました。本来は保険金を支払わなければならない事例であっても、なんだかんだと理由をつけて不当に支払いを拒否したり怠ったりするのです。

私の場合は極寒で水道管破裂・水漏れが起こった時でした。明らかな事故であり、通常は、保険適用ですが、ある損害保険会社だけは、かたくなに、経年劣化であり事故ではないと言い張り、適用をこばんだのです。

このように保険会社などの業者と揉めると、賃貸管理会社を経由して交渉するのですが、それでもらちが明かない場合、所有者(私)が直接交渉し、適用になる場合もあります。しかしその時は、結局、駄目でした。

保険金の適用は、修理会社の「工事報告書」の記載の仕方にもよりますし、損害保険代理店の記載の仕方・交渉の仕方にもよるようです。

損害保険契約の付保状況が不明のあげく更新漏れ

またまた、札幌の区分所有マンションでの話です。

この日はまた水漏れが発生し、所有者として対応を迫られました。通常は、賃貸管理会社が損害保険の付保状況を把握しており、入っている損害保険でカバーしてくれます。しかし、この時は、損害保険の付保状況が分からないとのこと。私も勤めで、出先でしたし、所有物件は108戸もあり、すぐに調べることもできず詳細は分かりません。急ぎということで、なんとか記憶を辿ってみると、損害保険会社までは思い出すことができました。それは長期保険契約の案件でした。昔は融資期間(25年間なら25年間の契約)に合わせ、長期で保険契約を結んだので、かなり昔の契約であることが想像できました。出先から問い合わせてみると、ショックなことに、損害保険会社は合併を重ね、現在は分からない状況とのこと。損害保険の代理店でもある賃貸管理会社に問い合わせてみても、分からない状況とのことです。

仕方がないので、家に帰り、膨大な書類(32年間108戸)の中から、損害保険関係書類を見つけ、それを元に改めて問い合わせました。すると、なんと更新漏れになっているという衝撃的な事実が判明しました。通常、損害保険会社・代理店等から、更新の案内が来るものですが、合併などで分からなくなり、漏れていたとのことです。

今回は、水漏れということで、比較的軽微な事態ですみましたが、火災などの重大な被害が発生したトラブルの場合でしたら、大変なことになっていたところです。すぐに、更新手続きを取ったのは言うまでもありません。

上階からの水漏れで被害者になったことも

続いて、上階から水漏れされた事例です。これも、札幌の区分所有マンションでの話。(ほとんどのトラブルは、札幌ですね。心が寒くなります)

上階から水漏れがあり、天井に水漏れ跡が残りました。それ以外の被害はなかったので、補修だけお願いしました。補修が終わった後、上階の所有者から、承諾書に署名捺印してくれと言われました。私は、念の為、賃貸管理会社に相談し、見に行ってもらいました。すると、未だ、天井の染み跡等の補修は不充分なようで、もう一度、手直ししてもらいました。やはり、ちゃんとした現物チェックは必要だと思った次第です。

著者紹介

加藤 隆
加藤 隆

サラリーマンのままで、経済的・時間的・精神的自由を目標に、預貯金・外国為替・貴金属・株等の資産運用を経て、不動産経営歴31年。数々の失敗・バブル崩壊を生き抜き、リスク分散をモットーに、東京・博多・札幌・名古屋・京都・小樽・千葉に、区分所有マンション・一棟物アパート・一棟物マンション・戸建等、物件108戸を運営。総資産7億円・借入金5億円・自己資本2億円、年間家賃収入47百万円・借入金返済31百万円・キャッシュフロー16百万円。節税で、所得税・住民税ゼロ。

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