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不動産投資の最新動向

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なぜ不動産投資を女性に勧める営業マンが増えているのか?

目次

最近、「女性のための資産形成セミナー」などと銘打って、女性にターゲットを絞って不動産投資を勧める業者が増えています。

不動産投資は、性別によって成功率が変わったりすることがあるのでしょうか?女性に投資用不動産を売り込む業者が増えたことの実態を暴きます。

女性は不動産投資が好き?

「投資用不動産は、女性のほうが売りやすいです。女性に多い性格と、不動産投資の強みがマッチするんですよね」

と語るのは、匿名を条件に取材に協力してくれた、女性向け不動産投資を提唱する不動産会社のA社長。

「一般論として、女性は自分の住まいにも持ち家を求める傾向があります。形になって残る資産を好む、と言うんでしょうかね。不動産投資は投資の中でも数少ない、目に見える実物を得られる投資ですから、『実物が手元に残るんです』という営業トークは比較的、反応がいいですね。また、女性は男性に比べて若いうちから堅実にコツコツ蓄財する人が多く、相場の上がり下がりを見ながら売り買いして利ざやを取る投資は好みません。不動産投資は短期で利益を狙うというよりも将来を考えて着実に資産を形成する手法ですから、多くの女性が魅力に感じてくれていますね」

女性に多い性質と、不動産投資の特長がマッチしているというのです。

不動産会社の「女性マーケティング」

また、女性向けに不動産投資を勧める会社が増えたのには、不動産業界の内部事情もあるとA社長は言います。

「どの会社も正直なところ顧客の新規開拓に苦しんでおり、もう売り込む先がない、というのが実情です。医師向けだとか外資系金融マン向け、中にはフリーター向けなんて銘打ってマーケティングしている業者がいますが、既に競合が多すぎたり成約につながりにくかったりして悩んでいるケースが多いです。そこへいくと女性というマーケットは今まで手付かずで、比較的ブルーオーシャンなんです」

売り込み先の枯渇に苦しんだ不動産会社が次に見出したマーケットが女性である、とA社長は語ります。

しかし、女性はなぜ今まで不動産業界がアプローチしていなかったのでしょうか。

「今はちゃんと稼ぐ女性が多いです。大企業の総合職新入社員の半分が女性、なんてことも当たり前ですから。大きなローンが組める属性なのにまったく不動産会社がアプローチしていない女性は、驚くほど多いんです。」

国税庁の民間給与実態調査における20代後半男女の平均年収は、男性が404万円なのに対して女性が326万円。マクロで見ると80万円近くの開きがありますが、確かに、この数字は「女性がみんな低収入である」ということを意味しません。

ちなみに20代前半で見ると男女の平均給与は30万円ほどの差しかなく、今後、男性と同じように歳を経るごとに昇給していく女性が増えるのは間違いないでしょう。

既に大企業総合職や女性が活躍するベンチャー、外資系企業などでは、昇給も昇格も男女同権が当たり前になっています。いきおい、女性不動産投資家が増えていくという見込みには説得力があります。

女性は賃貸経営に有利か不利か?

さらにA社長に、物件購入後の賃貸経営において女性は有利か不利か、聞いてみました。

「有利でも不利でもなく、賃貸経営の能力に男女差はないと思います。そもそも、サラリーマン向けの不動産投資で女性のプレイヤーは今まであまりいませんでしたが、昔ながらの大家さんって女性のイメージがありませんか?旦那さんが外で勤めたり会社を経営したりしてバリバリ働きつつ、先祖から受け継いだ土地で奥さんがアパート経営をしているパターンはもともと多いです。賃貸経営において女性であることのハンデはありません。むしろ、男性より女性のほうが、入居者に細やかな気配りをしたり、物件を丁寧に世話して長持ちさせたりすることは得意な印象です」

女性の不動産投資の良さについて力強く言い切ったA社長。

A社長の会社で開いている女性向け不動産投資セミナーでは、参加者が男性に比べて熱心な姿勢で受講する傾向にあり、スムーズなやりとりで成約になっている事例が多いそうです。

不動産投資は不動産投資

以上、女性向けに不動産投資がマーケティングされていることの背景を暴いてきました。

不動産投資塾の調査では、「怪しい」などという印象はなくフラットなイメージです。

女性狙いをうたっているからといって警戒する必要はありませんが、そもそも投資としていい条件なのかどうかを冷静に考えて、物件の購入を判断すればいいでしょう。

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著者紹介

小島 拓
小島 拓

一般社団法人首都圏小規模住宅協会 代表理事
大学卒業後に不動産会社の営業職に従事し、以来10年以上にわたって、不動産投資のプロとして個人投資家の資産形成をサポートしてきました。しかし不動産投資の初心者を狙った悪質な業者の話を耳にすることや、自身が勉強不足なまま、先行き不安な物件に投資しようとする人を目の当たりにするにつれ、投資用不動産業界をもっとクリーンで、多くの人が正確な知識を持って安全に投資できるようにする必要があるという思いが募り、2018年度より、不動産業者としての立場に一旦区切りをつけ、投資用不動産業界の健全化を目的とした「一般社団法人首都圏小規模住宅協会」を発足しました。不動産投資による被害や失敗を減らしていく取り組みを随時行ってまいります。

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