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2020年6月30日(火)
地震大国日本の投資家の必須知識!地盤確認と地震保険の話
ご存じのとおり、日本は地震の多い国です。内閣府によると、2000年から2009年の間に起こったマグニチュード6以上の地震のうち、およそ20%が日本近海で発生しているといいます。東北・首都圏に大きな被害をもたらした2011年の東日本大震災の記憶も、みなさんいまだに新しいことでしょう。
いうまでもなく、大地震は不動産投資家にとって大きな懸念要素です。地震を防ぐことはできませんが、投資家として取れる対策について解説しましょう。
地盤と地盤確認
建物の耐震性を考えるうえで非常に重要なのが、「地盤」です。
地盤とは、建物を建てる際に基礎を埋め込む地中の部分のことを指します。場所によって地盤の固さは異なり、柔らかいほどに地震が起こったときの揺れは大きくなるのです。
たとえ建物の耐震性が高いとしても、地盤が弱ければ構造全体が沈下するなどして損害を受けてしまいます。
東日本大震災の際も、埋立地や臨海地域などで「液状化現象」の被害が多数報告されましたが、これは水分を多く含んだ地盤が揺れによって緩み、液体化してしまったことが原因です。
耐震性を考えた場合は当然、地盤の固いエリアに建てられた物件を購入するのが賢明でしょう。
地域の揺れやすさの調査は、各自治体の発表がポータルになったサイトを内閣府が公開しています。
詳細な地盤についてのデータは、東京であれば東京都建設局の「東京の地盤(GIS版)」、東京都都市局の「地震に関する地域危険度測定調査」などにまとめられています。
他にも、国土交通省では国土地盤情報検索サイトを公開しており、地点を指定して検索すれば当該地点のボーリング検査の結果などが閲覧できるようになっています。
民間の地質調査会社が公開するデータも存在するので、ニーズに合わせて自分が見やすい媒体でチェックしてみるといいでしょう。
ただし、地盤が弱いから絶対危険というわけではありません。
1981年6月以降に建てられた建物は震度6以上の地震で大きく損傷を受けないことを基準に作られており、阪神淡路大震災や東日本大震災においても新耐震の建物が地震自体(火事や津波を除く)で倒壊したケースは報告されていません。
あくまで投資用物件なので、地盤に執拗にこだわるのではなく参考程度に確認しておけばいいでしょう。
地震保険でリスクヘッジ
地震によって建物が被害を受けるリスクをヘッジするためには、保険という手法があります。
多くのオーナーが火災保険には加入しているはずですが、火災保険は地震を原因とする火災は補償外です。
地震保険は、地震による建物の倒壊だけでなく、地震に起因する火災や津波、地盤沈下も補償してくれます。全壊でない「一部損」にも保険金が支払われる場合もあります。東日本大震災以降は、火災保険と地震保険の両方を契約するオーナーが増えているようです。
地震保険は火災保険にプラスするような形式になり、火災保険の保険金の30〜50%が保険金になります。
ただ、他の保険に比べて保険金額が低くなるのが地震保険の特徴です。補償範囲も建物構造部のみなどと限定されており、構造部ではない門扉や階段の修繕費や、保険金の額を超えた分の修繕費は自分で支払う必要があります。
地盤の弱い地域では特に保険が必要
かつて、地震による損害を賃貸経営のリスクとして真剣に考えるオーナーはそれほどいませんでした。地震のせいで大損した、というケースがほとんどなかったからです。
しかし、阪神淡路大震災や東日本大震災などによって多くの物件オーナーが大損害を被り、今後も首都圏を中心に大震災の発生が高い確率で予言されている昨今、震災は賃貸経営の大きなリスクとして認識されるようになりました。
平時では地盤の良し悪しよりは立地や利回りに重点をおいて物件を選ぶのがセオリーでしたが、現代の賃貸経営ではここに地震対策というファクターが加わっています。
地盤の弱い地域の物件を買う場合は必ず地震保険をつけておくなど、震災はいつか発生するリスクとして具体的に考えて対策を打っておくべきでしょう。
地震大国の不動産投資
東日本大震災の後、海外の投資家が日本の震災リスクの大きさを実感し、日本の不動産から資金を引き揚げていったという経緯があります。
日本で生まれて日本で育った人にとってそれほど実感はないかもしれませんが、日本における地震は不動産投資の重大なリスクとして世界から認識されているのです。
しかし、国内にいる人間にとっては、本記事で紹介した地盤確認や地震保険などで対策を講じることができます。もしもの時になって頭を抱えることのないように、物件の購入時点で万全の備えをしておきましょう。
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。