不動産投資の最新動向
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2020年6月30日(火)
借地権付き物件への投資でボロ儲け?基礎知識と売却の極意
不動産投資においてお困り物件になりがちなのが、借地権付きの物件です。借地権は権利関係と法制度が複雑で、特に売却の際に非常に困る投資家が数多くいます。借地権の基本的な仕組みから購入の際の注意点、売却のポイントまでをまとめました。
借地権とは
「借地」とは、その土地の地主にお金を払って、上物(建物)を建てることを前提に第三者が借りている土地です。借主はその土地に対して、「借地権」を持っています。
この場合、地主は土地の所有権と、借主から地代を受け取る権利を持っていることになります。借地権が付いている土地のことを「底地」といい、地主は底地を保有しています。
法律的に借地は借主側がかなり優遇されており、都心においては借地権:底地の比率が8:2とか9:1といったような土地も存在するのです。
借地権を持って建物を保有している場合、建物の用途変更や増改築といった重要な判断の際は底地を持つ地主の承諾が必要で、承諾料を支払う必要があります。
また、1992年8月以降に借りた土地の場合、それ以前の旧法(借地法)ではなく新法(借地借家法)の適用を受け、建物の構造や用途によって細かく規定が定められます。
なぜ借地は売却で困るのか
借地権に絡んで不動産がお困り物件となりがちな理由の大きなものとして、売却の難しさがあげられます。
まず、地主が土地を売りたいと考えた場合、上に借地権の付いた底地を売却することになります。しかし、借主が建物を建てて使用したままになるため、底地を買った人は事実上その土地を使うことができず、底地は単なる地代徴収の権利になってしまいます。買い手にとってあまりうま味のあるものではなく、高額売買は難しいでしょう。
より複雑なのが、借主が借地権を売却したい場合です。借地権を売買するのには底地を持つ地主の承諾が必要になり、承諾料を支払わなければいけません。
地主が承諾しない場合でも、裁判所に申し立てて認められれば借地権を売ることが可能ですが、この場合は買い手がその土地を担保にして銀行から融資を受けるために求められる地主の承諾書がもらえない可能性が高くなります。
融資を受けられなければ、借地権の買い手はかなり狭まるでしょう。
このように、借地権付きの土地は権利関係が複雑で、利用に制限がつきます。
プロでも借地権がらみの案件は敬遠するケースが多く、特に外国人の買い主からは嫌がられるようです。
売却を依頼する不動産会社も、複雑な法制度の理解から地主との交渉のノウハウ、売却にあたってのスキーム構築、買い手に対する融資のアドバイスなど多岐にわたる専門知識が求められます。弁護士の介入が必要になるケースも多く、依頼費用は高額になります。
豊富な実績がないと売買を成約までまとめ上げることが難しく、「うちは借地は扱いません」と門前払いにされることも少なくありません。
一方、取り扱いが複雑であるために借地権付きの不動産は相場より安く取り引きされることが多く、掘り出し物として集中的に狙うプロやベテラン投資家もいるようです。
特に「旧法」で規定される物件については、非常に高い利回りを得られる物件もあるのだといいます。
お困りの借地を円満に売却するには
この問題を解決して借地を売却する最もシンプルなスキームは、地主の合意を得て土地に付いている借地権を外して売却し、借地権:底地の価値の比率で譲渡所得を借主と地主に譲渡所得を配分することです。
買い手にとってみれば借地権のない普通の土地の権利を購入することができるので面倒がなく、売却価格も相場に近いところが狙えるでしょう。
売却するにしても平時の運用にしても、借地権付きの土地を扱うので大事なのは地主との合意につきます。
もともと借地になる土地は、地主が先祖代々受け継いでいるが自分で土地を運用することが難しいために土地だけ貸し出した、というような過去の経緯があることがほとんどです。
従って、借地権者が軽い気持ちでただ「売りたいです」と申し入れたところで、すんなり受け入れられないことが多いでしょう。
地主が最大限に納得するスキームを考えるだけでなく、普段から借主と地主との間で良好な関係を保っていなければ、借地権の売買はまとまりません。
複雑な物件こそ知識が武器になる
借地権付きの物件はプロでも避けるほど難しいものですが、一方で正しい知識を持っていればライバル投資家が参入してこないブルーオーシャンであるともいえます。
不動産投資の市場はもはや、当たり前のことだけやっていても利益を得ることが難しくなっており、自分は中級者以上という自負のある投資家は、しっかり勉強してトライしてみるのもいいでしょう。
うまくいけば、大きな利益を得ることができます。
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。