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コロナウィルスがもたらす不動産投資への影響

目次

2020年4月7日、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡を対象に緊急事態宣言が発表されました。バーやデパート、スポーツクラブなど多岐にわたる施設に対して、営業自粛の強い要請が出されています。安倍晋三総理大臣をして「戦後最大の危機」と言わしめ、世界中を混乱に陥れているコロナウィルス騒動。不動産投資にはどんな影響が出ているのか、また今後どのような影響が出るのかについて見ていきましょう。

店舗来店型の不動産会社には大ダメージ

コロナウィルス騒動によって、既に飲食業界やイベント会社などの深刻な業績不振が伝えられています。不動産業界への影響はイメージが湧きにくいかもしれませんが、現状はどうなっているのでしょうか。

ある賃貸仲介業を営む不動産会社への取材によると「影響は甚大」だといいます。

企業からの従業員への在宅勤務指示や電車に乗ることの自粛により、店舗に来店する顧客が激減しているのだそうです。

やむなくこの会社では物件の現地で待ち合わせて案内だけをしたり、顧客のほうを訪問したりして営業をしているそうですが、成約率は振るわないのだそう。やはり、店舗で接客しながら様々な物件を提示して契約に導いていくスタイルが取れないと、営業は相当やりにくいとのことです。店舗はいったん閉めてしまって営業員の訪問だけにしてしまっている会社もあるようですが、経費等を考えればむしろ賢い選択かもしれません。

他、収益物件を保有している不動産会社では、テナントに入る飲食店からの賃料支払いが既にストップしてしまったところもあるという情報が入っています。今回の緊急事態宣言で自粛を要請された業種がテナントに含まれる場合、今後さらに大きな被害が出ることでしょう。

投資用賃貸物件への影響は今のところ軽微

では、居住用の投資用物件についてはどうかというと、今のところ大きなダメージは出ていないようです。

テナント物件のように入居者の賃料入金が滞っているという話も聞こえてきません。賃貸物件に住む人の多くは給与所得者ですから、コロナウィルス騒動で会社の売り上げが落ちていても、まだ個人の収入には跳ね返ってきていないということでしょう。

ただし、現在の状況が長引けば経営者やフリーランスの入居者を中心に家賃の返済が滞ったり、もっと安い物件に引っ越してしまったりする可能性は否定できません。給与所得者も、会社からの住宅手当がストップしたり、勤務先が倒産したりして賃料を払えなくなることは考えられます。

ただし、コロナウィルス騒動がなかなか収まらなかったとしても、賃貸物件の需要自体が急激に落ちることは考えにくいでしょう。

進学や就職を始め、出身地を離れて賃貸物件に住まなければいけなくなる事情は、どんなに社会が変わろうともなくなることはないからです。

しかし、全世界にとって前代未聞の危機であることは確か。

入居者に対して大家としてのメッセージを届けるような工夫をしている人もいるようです。

メディアの情報を鵜呑みにせず、できる対策を考えましょう。

このまま状況が悪化すれば資産価値下落の危険も

怖いのは、経済全体の冷え込みによる資産価値の低下です。

不動産相場はリーマンショック後、ほぼ上昇基調でいまだに明確なピークアウトは見えていませんが、コロナショックが大恐慌の引き金となることも考えられます。

入居者は埋まったとしても、売却を考えたタイミングで大きく価格が下落してしまう危険もあるのです。

判断の早いオーナーには既に、物件売却の相手探しを始めている人もいるようです。

経済の未来を予測することは困難ですが、売却時の大損を避けたいもの。

コロナウィルス騒動の社会への影響は、最終的にどこまで広がるのか誰も予想がつきません。

緊急事態宣言は現状5月6日までの予定ですが、そこまでに事態が完全に収束するとは考えにくいでしょう(当コラムをご覧いただいている時は状況が変わっているかもしれません)。

感染者の数自体は収まっても、当面の間は自粛ムードが社会に暗い影を落とすことになるのは間違いありません。もし大恐慌は免れたとしても、今回の騒動は経済に対してボディーブローのように効いてくることになるでしょう。

激変の時代が訪れるのは確実

コロナウィルスが長期にわたって社会に大きな影響をもたらすことは、間違いありません。

投資家ができるのは、とにかくリアルタイムでなるべく多くの情報を収集し、自分の考えを見出すことです。平時よりも早く多く、市況や経済関連のニュースをチェックし、打つべき手を見極めましょう。

既に物件を持っているオーナーの場合、売却の準備だけはしておいたほうがいいかもしれません。

ただ逆に、不動産価格の暴落が起きた際、低価格で投げ売りされた物件が思わぬ掘り出し物になることもあり得ます。

恐慌になれば融資は降りにくくなるので、価格の下がったタイミングで買い増しをしたい場合、現金を多めに用意しておくといいでしょう。

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著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

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