不動産投資の最新動向
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2020年3月24日(火)
相続発生前に知っておきたい不動産相続の手続き
被相続人(亡くなった人)が不動産を持っていた場合、どのような手続きが発生するのでしょうか。
不動産の相続については、預金などの金融資産にはない手続きが必要です。その時が来てから慌てることのないよう、不動産相続でやるべきことの基本をあらかじめ知っておきましょう。
不動産の相続で必要なのは「相続登記」
日本にあるすべての不動産は、法務局に登記されています。相続時は相続人同士の遺産分割が完了した後、新たな持ち主になる人の名義に変更が必要です。これを「相続登記」といいます。
相続登記に期限はなく、もしやらなくても罪に問われたりすることはありません。しかし、登記に持ち主として名義が記載されていないと、その不動産が自分のものであると主張できないことになります。
それはつまり、物件を売却したり借金の担保にしたりすることができなくなってしまうということです。これでは、せっかく不動産を相続してもメリット半減。他の相続人が勝手に物件を売却できる状態です。
また、一度は遺産分割協議で話がまとまっていても、他の相続人が亡くなったりすると、さらにその人の相続人に相続権利が発生するため、非常に面倒なことになります。遺産分割協議で被相続人の不動産をあなたが相続することにまとまった場合、なるべく早く相続登記を済ませておくべきでしょう。
不動産の相続登記に必要な書類とは
不動産の相続登記を行うには、以下の書類を揃えたうえで法務局に「相続登記の申請書」を提出する必要があります。
・対象不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
・被相続人の住民票の除票(本籍の記載があるもの)
・対象不動産の固定資産評価証明書
・被相続人の死亡時から出生時までの戸籍謄本
・相続人全員の現在の戸籍謄本
・対象不動産を取得する相続人の住民票
・相続人全員の印鑑証明書
・遺産分割協議書
このうち「相続人全員の印鑑証明書」と「遺産分割協議書」については、被相続人の遺言書に従って登記する場合には不要です。
書類を揃えるには、法務局や市区町村の役場などに何度も足を運ぶ必要があります。相続人が多く、居住地が散っている場合は、戸籍謄本の取りまとめなどの音頭をとるのも手間でしょう。相続人が仕事で多忙だったりする場合には、自分でやるのはかなり大変かもしれません。
自分で手続きすることを避けたい場合、司法書士に10万円程度の費用を払えば、印鑑証明書以外の書類の取得と申請手続きをすべて代行してもらえます。
相続登記は一生にそう何度も経験することはないでしょうから、誰にとっても慣れない手続きでしょう。不備があって何度も役所に出向いたり、書類を再取得・提出したりするリスクを鑑み、司法書士に代行してもらう相続人が多いようです。
なお、相続登記の申請にあたっては以下の費用が必ずかかります。
・登記事項証明書:不動産1つにつき600円
・法務局に納める登録免許税:固定資産評価額合計×0.4%
・戸籍謄本類の発行手数料:約3000円
不動産の相続はトラブルのもと
裁判所が発表する司法統計(2017年度)によると、遺産分割調停の申し立てのうち75%以上は相続財産が5000万円以下であるケースです。相続財産の少ない場合でトラブルが起こりやすいのには、不動産が密接に関わっています。
相続財産が5000万円以下の相続では、財産の大半が親の持ち家などの不動産であることが多いのです。
誰か一人の相続人が不動産を引き継ぐと、他の相続人は現金や株式などの資産を代わりに相続することになります。
しかし、これらの資産の価値が不動産の価値に対して釣り合いが取れないとなると、他の相続人にとっては不満の種になることでしょう。
不動産を引き継いだ相続人が、不動産の価値と他の相続財産の釣り合いが取れるように他の相続人にお金を支払う(代償分割)方法もありますが、不動産は現金ではないため、相続した人に資金力がなければ分割支払いにせざるをえません。
不動産を相続した人にとってみれば、不動産は受け取ったがお金が出ていく一方、ということになってしまうのです。
土地建物を分割して共有する形をとることもできますが、不動産の共有は後に売買する際に相続人同士で揉め事になったり、さらなる相続が発生した際に協議が非常に面倒になったりする確率が高いです。なるべく避けるべきでしょう。
不動産は相続税の評価において現金等よりかなり有利になりますが、相続トラブルの懸念を考えると売却して現金で分けたほうが無難であることも考えられます。相続に詳しい不動産会社や弁護士等に相談しながら進めたほうがいいでしょう。
不動産の相続は一族の話し合いを先延ばしにしてはいけない
不動産の相続手続きは必ずしも急ぐわけではありませんが、相続税の申告には期限がありますし、対処をだらだら延ばしていればトラブルの種が膨らんでしまう危険もあります。
不動産相続に際しての手続きを大まかに理解したうえで、被相続人が亡くなってからなるべく早く、相続人の誰かが旗振り役になって話し合いを進めたほうがいいでしょう。
誰か一人が仕切ると角が立ちそうな場合、弁護士を雇って前面に出てもらってください。
一族で話し合いのうえ早期に結論を出し、手続きも迅速に済ませてしまうのが理想です。
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。