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加藤隆が実際に体験した不動産投資の罠

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「人生100年時代」・「老後2000万円不足」…サラリーマンが生き残るためには?

目次

このままでは貧乏老人で溢れかえり「犯罪多発国家」に…

今、私は、61歳。雇用延長・嘱託で勤めながら、不動産経営を行っています。資産7億円̠-負債4億円=自己資本3億円年家賃6千万円-諸経費1千万円-ローン返済3千万円=手残り2千万円という状況です。子どもは、長男・次男が28歳(双子)、三男が17歳(高校2年)です。

例えばいま日本は、少子高齢化、不景気です。結婚しない・できない、子どもを作らない・作れない人も大勢います。

生産年齢人口減により、景気も、どんどん悪化していきます。この原因は、人口減だとわかっていても、手の打ちようがない状態です。国は、法人税は下げながら、各個人の税金・消費税・社会保険料を上げ続け、政治家・高級官僚等のお偉いさんだけが私腹を肥やし続けている印象です。各企業は、「生かさず殺さず」が如く、必要最低限・死なない程度の低賃金でサラリーマンを雇い、内部留保を貯め続け、こちらも経営者等のお偉いさんだけがいい顔をしているように感じます。

本来は、法人税を上げてでも、各個人の税金・消費税・社会保険料は下げるべきではないでしょうか。そして、サラリーマンの給料もちゃんと払われるべきです。そうすれば、結婚しよう、子どもを作ろうという気にもなります。あとは、結婚、出産・育児がしやすいような、仕組みづくりです。効率的な通勤・働き方、保育施設の充実等です。私もそうですが、勤め先が辺鄙なところにあり、通勤に往復3時間半もかかり、朝から晩まで仕事では大変です。先進国の中でも、アメリカのように、ある程度移民を受け入れている国では、人口が増え、好景気です。もちろん治安・社会保障等の問題もあるでしょうが、日本の出生率が下がり続けるならば、ある程度、移民の容認は仕方のないことかも知れません。

いずれにせよ、このままでは将来年金は破綻し、街は「貧乏老人」であふれ、犯罪多発国家になりかねません。国の財政状況はといえば、毎年、50兆円程度の収入しかないのに、50兆円の借金(国債)をし、100兆円もの無駄使いをし、負債は1200兆円にも達しています。個人でいえば、年収500万円の家庭が、毎年サラ金から500万円借金をし、1000万円無駄遣いをし、借金が1億2000万円にまで膨らんでいる状態で、とっくに自己破産・再起不能状態です。

年金制度は崩壊し、現状、原則65歳から支給ですが、既に、「70歳から」案、「75歳から」案が出はじめています。そのうち、「人生100年時代」とばかりに、100歳まで生きたら、御祝いとして、飴玉代をあげましょうという時代がくるかも知れませんね。年金支給額も、どんどん減らされてきていますよ。

そもそも、日本の年金制度は、強制徴収した社会保険料を運用し、老後に配分するのでなく、今の高齢者に使う制度と化しています。

「人生100年時代」は一生働けというメッセージである

一方、勤め先はといえば、昔のような「年功序列」・「終身雇用」・「サラリーマンは気楽な稼業」といった発想は、もはや死語の世界です。減給・リストラ・倒産は当たり前で、給料・賞与、退職金、企業年金もあてにできない時代になっています。定年は、通常60歳、嘱託・延長雇用でやっと65歳迄です。仕事は変わらなくても、給料は通常半額以下、かつての後輩・部下等に顎でこき使われ、雑用をやらされる羽目にもなりかねません。

つまり、国も勤め先も頼れない時代に突入しているということがハッキリしているわけです。「過去と他人は変えられない。未来と自分だけが変えられる」。今後は、自分の人生を国や勤め先に委ねず、自分のことは自分自身で考え、「自立心」を持つことが重要となります。

昨今、繰り返される「人生100年時代」という言葉。要は、国の財政・年金制度が破綻し、年金が払えない、もう面倒は見切れないから、一生働けというメッセージにしか聞こえません。しかし、実際には、平均寿命は80歳程度です。さらに健康寿命(日常生活が支障なく普通に送れる年齢)は70歳程度といわれています。お金は稼げても、時間は有限では稼げません。どんなお金持ちでも、時間だけは平等です。「光陰矢の如し」、時間は人生・命そのものです。

今は若くても、あっという間に、年を取り、気がついたら人生は終わってしまいますよ。学校の入学・卒業等といった変化が激しい時期には、充実しています。しかしその後、サラリーマンになり、比較的変化の少ない時期を過ごしはじめると、気がついたら、あっという間に、定年です。何のスキル・人脈・資産も無く、「ただの人」になってしまいます。

精神的自立・時間的自立を果たすためにも、やはり「経済的自立」は重要です。それがあってはじめて、本当に自分のやりたい意義のある仕事もできるというものです。さもなければ、自分がやりたくない意義の感じられない不本意な仕事も、生活のためと割り切らざるを得ません。

老後は、お金がいくらあっても、無収入である以上は、どんどんとお金が減っていきます。いつまで生きるのかわからない以上、不安なものです。その場合、「お金がいくらあるか」ではなく、「お金がいくら入るか」が重要なのです。その安定的収入を確保できるのが「不動産経営」という結論に私は達しています。

「社外の人脈」もしっかり作るように普段から行動すべし

現在ほとんどの人が、自分の時間は「勤め先の仕事の時間」になっていることでしょう。そうであれば、なるべく、「自分自身のスキル」をその時間に身につけることを意識してみてください。できれば、属「社」的なことではなく、どこでも通用するような社会的なスキルです。そのような意識で生活すれば、いざとなれば、転職も可能です。

日本型の画一的・記憶中心の受験勉強は、社会に出てからは、ほとんど役に立ちません。そういったことは、IT・AIに任せれば充分です。これからは、外国型の個性的・思考型の学習の方が役に立つのは間違いありません。例えばビジネス交渉ができるくらいの英会話スキル等でしょうか。

語学は、学習というよりは、外国人とコミュニケーションするためのツールです。交流する相手が、日本人だけの1億人から50億人以上にも広がるのです。ちなみに、日本の人口は減少していきますので、当然日本語を使う人もどんどん減っていくでしょう。このままでは、やがては、日本人・日本語・日本は消滅するという人もいます。今後はいうまでもなく、英語、中国語等ができると、ビジネスチャンスが広がるはずです。

人脈に関しては、サラリーマンは、社内のみになりがちですが、なるべく、社外の人脈も作るように心がけましょう。「自分の年収は親友の平均年収に比例する」といわれています。貧乏サラリーマン同士でつるんで、会社・上司の悪口を肴に飲み歩いてばかりで傷を舐め合っているようでは、成功はしません。成功したければ、成功した人に接することです。「守破離」という言葉があります。「守」は、最初は、目標とする人を徹底的に真似るところからはじまります。「破」は、ある段階からは、自分なりにカスタマイズしていきます。「離」の段階になると、もはや、自分自身の完成スタイルになっていきます。

業務に支障のない範囲内で、副業も視野に入れていきましょう。競合他社にノウハウ・企業秘密を漏らすとか、他の肉体労働で、遅刻・早退・欠勤・居眠り等業務に支障をきたすようであれば駄目です。その他については、国・各企業共、昨今、ゆるやかに容認する傾向になりつつあります。他社にも通用するような幅広いスキルを身につけてもらい、企業自体も活性化させたいということでしょうが、要は、国も各企業も、個人の面倒を見切れなくなってきているというメッセージでしょう。

不動産投資にはそれに見合った「メリット&リターン」がある

普段の生活は、派手なことは避け、質素にし、切りつめ、まずは、種銭を貯めましょう。ある程度、お金ができても、質素な生活は続ける。その後は、預貯金・外国為替・貴金属・株等、資産運用をしつつ、流動資産の範囲内で、貯めていきます。

不動産経営の当初は、不動産会社・金融機関・物件の各種選定等で、手間暇・時間・諸経費がかかり、大変ではあります。また、自然災害(地震・二次災害としての火災・建物倒壊・津波、台風等)、不景気による家賃・資産価値下落、金利上昇、耐震偽装、事件・事故(自殺等)、家賃滞納、修理費、空室(敷金返却・リフォーム・空室フリーレント時家賃無し、広告費)、悪徳金融機関・不動産会社トラブル等、デメリット・リスクも少なくありません。

しかし、家賃という定期的な安定収入(インカムゲイン)、インフレ等を想定した場合の値上がり益(キャピタルゲイン)、団体信用生命保険(団信)を活用した生命保険機能、節税(所得税・住民税、相続税)、相対取引で優良物件を割安価格で購入することも可能です。そして借入金を活用できるスキル(法令・会計税務・不動産)・人脈形成、社会貢献(住宅供給・自己救済)ができる等のメリット・リターンがあるのです。

不動産経営は、早くはじめるに越したことはありません。若いうちは、心身共に積極的で、元気です。万一失敗しても、立ち直りがききます。不動産経営においては、通常、借入金を活用しますが、団体信用生命保険(団信)等の関係もあって、通常、完済年齢は、80歳です。従って、高齢だと、物件の「耐用年数」よりも、自分(人間)の「耐用年数」の方がひっかかってきます。45歳だと35年間借りられるのに、60歳だと20年間しか借りられません。

借入期間が短いと、月の返済金額が高額となり、キャッシュフロー(資金繰り)が回らなくなります。早くにはじめれば、受益期間も長くなります。定年前等、早めにローンが終われば、年金代わりにもなります。私の場合も、1986年(28歳)からはじめましたので、2011年(53歳)時点から、ローンが完済した物件がいくつか出てきました。キャッシュフローも助かりますし、抵当権が抹消されますので、共同担保材料にもなり、オーバーローンも可能になります。

逆に若過ぎる場合には、収入・資産も少なく、融資受けに苦労するかも知れません。しかし、日本政策金融公庫のように、ヤング(その他:レディ・シニア)等の経済的な弱者に優遇レートを適用してくれるところもありますので、積極的に活用してみましょう。

日本はすでに財政破綻状態です。マイナンバー制度の適用で財産を把握したり、海外送金を申告制にしたり、相続税、消費税をそれぞれ増税する等、なんとかして、国民の財産を徴収しようと必死です。

究極的には、海外送金・海外移住も選択肢となるでしょう。そのためには、まずは、プライベート・出張等で、海外にも出かけることです。そして、気にいったエリアを決めていきましょう。ビザや、永住権を取得したり、現地の人と結婚するのもいいでしょう(そのような知り合いもいます)。その場合、海外預金口座を作ったり、海外送金したり、海外不動産も買いやすくなります。

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著者紹介

加藤 隆
加藤 隆

サラリーマンのままで、経済的・時間的・精神的自由を目標に、預貯金・外国為替・貴金属・株等の資産運用を経て、不動産経営歴31年。数々の失敗・バブル崩壊を生き抜き、リスク分散をモットーに、東京・博多・札幌・名古屋・京都・小樽・千葉に、区分所有マンション・一棟物アパート・一棟物マンション・戸建等、物件108戸を運営。総資産7億円・借入5億円・自己資本2億円、年間家賃収入4,100百万円・借入金返済3,100万円・キャッシュフロー1,600万円。節税で、所得税・住民税ゼロ。

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