加藤隆が実際に体験した不動産投資の罠
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2019年7月30日(火)
40代から始める失敗しない不動産投資
40代といえば、たいていの人が住宅ローンや教育ローンといった、家族のためのローンを抱えていることでしょう。さらにそろそろ老後資金についても考え始めるころだと思います。
ローンを作る元になっている資金は、「住宅資金」「教育資金」「老後資金」で、この3つを「人生の3大資金」といいます。これらはしばしば資金の見直しをする対象となります。ほかにも、見直し対象となるのが、生命保険と車でしょう。
見直しの際のポイントがわかるように、ローンについて詳しく考えてみたいと思います。
住宅ローン
40代は、定年を迎える60歳までに支払いを終えるラストチャンスの頃でしょう。
住宅ローンは、消費のための借入金であり、自分で働いて返すしかありません。
このため、どんなに遅くても、定年の60歳までには返し終わらなければなりません。
仮に40歳で借入したとすれば、借入期間は60歳までの20年間となります。
借入時期が遅くなればなるほど、借入期間は短くなり、例月の返済金額は大きくなります。
従って、住宅ローンを借りるのであれば、なるべく早いほうがよいといえます。
さらにサラリーマンであれば、減給やリストラ、倒産のリスクがあり、給料や退職金企業年金もあてになりません。
国も財政破綻しており、年金もどうなることかわからないのが現状です。
しかしながら、住宅ローンは、政府の意向により借りやすく、通常、全期間固定金利で借入期間も長く、金利も低めに設定されています。
このため、住宅用資金が貯まっていたとしても、借入期間は長く取り借入し、手元に現金を温存しておきましょう。
温存した現金の中から動産経営に回すことをお勧めします。
不動産経営用ローンは、住宅ローンより借りにくくなっています。変動金利で、借入期間も短く、金利が高いものです
また将来、現預金に余裕ができても、繰上げ返済はしないようにしましょう。
不動産経営においては、修理費、家賃滞納、空室(敷金返却、リフォーム費用、空室・フリーレント時家賃なし、家賃下落、広告費)などのリスクもあります。手元には、ある程度、現金は残しておきます。
金融機関は、預金を持っている人にこそお金を貸したがる傾向にありますが、借金を増やすことはせずに貯金しておきましょう。
住宅については、借りるよりも買ったほうが「資産がある」「安定している」と判断される場合もありますが、反面、住宅ローンを負担と判断あれる場合もあります。
購入した住宅は、自己の居住用とはいえ、いざとなったら貸せる、売れる物件にしておきましょう。
いくら自分が住む家とはいえ、あまりに奇抜な物件にするのは避けるべきです。
ある程度、万人が好むような物件にしておきましょう。
不動産経営用ローン
一方、不動産経営の場合には、基本的には、入居者の家賃でローン返済する仕組みになっています。サラリーマンをしながら不動産経営をしているとしても、勤め先からの給料には依存していないため、リストラや減給、定年などは関係ありません。
不動産経営をするにあたって、団体信用生命保険(団信)には必ず加入すると思います。団信は、完済期限が80歳までと決まっています。
仮に45歳だとすると、最長35年間となります。50歳だと、最長30年間です。
私の場合、60歳なので、最長でも20年間となります。
物件が新しく建物の耐用年数が長くても関係はなく、経営者の年齢によるところとなります。
こうした意味でも、不動産経営を始めるなら、早いに越したことはないといえます。
早く不動産経営を始めれば、利益を享受できる期間は長くなります。
年齢が若いころい始めることができたら、借入期間も長く、例月の返済金額を少なくしてキャッシュフローを厚くすることも可能です。
早く始めれば、早めに物件のローン返済が終了し、家賃をローンに回すことはなく、ほとんどまるまる手取りで受け取ることができます。
教育ローン
教育費についても、住宅費同様、資金を貯めている人が多いことと思います。
教育ローンについても、住宅ローン同様、国の意向で、借りやすく、固定金利・低金利で優遇されています。
教育ローンも現金は手元において借りておいたほうがよいといえます。
区の教育ローンに至っては、ゼロ金利のものもあります。
ちなみに、教育費にとして奨学金制度(国・地方公共団体・学校・企業などによる制度)を利用するという手段もあります。
奨学金制度には、返済不要なものや、一部を返済というものがあります。
奨学金にもよりますが、家庭の収入や学業成績、面接などによって決まってきます。
老後資金
日本の財政は、1,200兆円の負債を抱えて破綻しているといえます。
当然年金は期待できないと思っていたほうがよいでしょう。
賞与
賞与は景気・業績に左右され、不安定なものですので、住宅ローンや不動産経営用ローンなどは、例月払いのみとし、決して賞与払いをあてにしてはいけません。
退職金
退職金で、住宅ローンや不動産経営用ローン、教育ローンの繰り上げ返済はせず、退職金である現金は温存しておきましょう。
退職金で投資や事業など、リスクの高いものに手を出して、大きな損害を受けないように注意したいものです。
投資の中でも、外国為替・貴金属・株のデイトレードなどはギャンブルに近いものがあります。
事業も、10年で残るのは1割しかないといわれているので注意しましょう。
生命保険
生命保険は、結婚、出産、子供の独立といった節目節目で見直すことが必要です。
不動産経営をしていれば、団信に加入していると思いますので、万一、自分が死亡したり、高度障害になったりした場合は、ローンがなくなり、遺族にはローンのない不動産が残り、家賃がほとんどまるまる残ります。
逆にいえば、通常の生命保険がほとんど不要になってきます。
団信は、性別・年齢にかかわらず保険料は割安(半額程度)ですので、お得です。
強いていえば、怪我・病気に備え、都民共済・勤め先の団体割引保険程度で充分ともなります。
車
車は、購入費、強制保険費用、任意保険費用、駐車場代、ガソリン代、高速代、車検代などと、金食い虫といわれています。
東京などの都会では、交通網も発達しており、車はほとんど必要ありません。
むしろ、道路は渋滞しており、駐車場は空いていないため大変です。
車自体が好きならば仕方無いですが、そうでなければ、持たない方がいいかと思います。
もちろん、交通の便が悪い僻地で車がないと不便なエリアに住んでいる場合は仕方ありません。
なお、車を所有した場合には、物件視察・見回りなどに使用するということで、減価償却費を経費計上し、節税するという方法はあります。
40代という年齢
40代(40歳~49歳)ともなれば、サラリーマンの定年の60歳まで残り11~20年。
住宅ローンであれば、定年までに完済を想定すれば、借入期間は11~20年。
そろそろ、身の振り方を考えるラストチャンスの時期です。
不動産経営用ローンでいえば、団信の完済年齢(80歳)を想定すれば、借入期間31~40年です。
正に、不動産経営を始めるラストチャンスともいえる年代かと思われます。
不動産経営を含め、何事もやるのなら早く始めることに越したことはありません。
若いうちの方が、気力・体力共に充実しているからです。
また、万一失敗しても、取り返しがつく年代でやり直しもききます。
特に、不動産経営においては、借入金完済期限(80歳)まで期間があり、借入期間が長く取れ、例月ローン返済額を抑え、キャッシュフローを厚くすることが可能です。
早く始めれば、若いうちに、ローン返済も終わり、家賃がほとんどまるまる残り、キャッシュフローもより厚くなり、年金代わりにもなります。
ローンがなくなり、抵当権が抹消された物件は、別件共同担保の材料にもなり、追加融資受け、新規融資受けの道も広がり、不動産経営拡大のスピードも増します。
スキル・ノウハウ
自分自身のスキル・ノウハウ形成、収入形成・資産形成、友人(勤め先以外)、生き甲斐というものは、一朝一夕にできるものではありません。
遅くとも、40代になったのであれば、このことを意識するべきです。
特に日本人に不足しているマネーリテラシーは、スキルとしてぜひ身に付けておくべきです。
日本人は、儒教の精神からか労働は美徳・余暇は悪、お金は卑しいものという発想があるようです。
しかし、欧米などのキリスト教的な発想では、労働は悪と逆転しています。
労働は悪という発想から、効率化という考えが出るものです。
不動産経営もそうです。
法令、会計・税務、不動産、マネーリテラシーのスキル・ノウハウを身に付けることです。
さすれば、不動産会社・金融機関とも対等に渡り合えますし、悪徳不動産会社・悪徳金融機関に騙されることもなくなります。
収入・資産形成
年を取ると、いくらお金があっても心配なものです。
定年になると給料も無くなり、年金はあてにできず、お金は減る一方です。
方や、いつまで生きるかわかりません。
いくらお金があっても心配なものです。
その点、毎月いくら入るという仕組みがあると安心なのです。
勤め先の給料のみに頼るのではなく、徐々に、副業(サブ)、そして複業(マルチ)というように、やがては軸足を移していくのです。
遅くとも、定年までにはそうしたいものです。
友人(勤め先以外)、生き甲斐
経済的自由、時間的自由、精神的自由を獲得できたら、友人(勤め先以外)、生き甲斐のことも考える余裕が出てきます。
ここで、本来の自分を見つめなおしましょう。
不動産経営
リスクの低いやり方から始めて、慣れてきたら、徐々にリスクも取りつつ、リスク分散するやり方がいいと思います。
例えば、東京⇒地方、区分所有マンション⇒戸建て⇒一棟アパート⇒一棟マンション、新築⇒築浅⇒中古などです。
資金調達でいえば、自己資金多め⇒少な目⇒フルローン⇒オーバーローン、固定金利⇒変動金利、団信有⇒団信無などといった感じです。
間違っても、いきなり地方築古大規模一棟マンションをオーバーローンでといった、S銀行スキームで、一発玉砕・自己破産・再起不能といったことにならないようにしましょう。
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著者紹介
加藤 隆加藤 隆
サラリーマンのままで、経済的・時間的・精神的自由を目標に、預貯金・外国為替・貴金属・株等の資産運用を経て、不動産経営歴31年。数々の失敗・バブル崩壊を生き抜き、リスク分散をモットーに、東京・博多・札幌・名古屋・京都・小樽・千葉に、区分所有マンション・一棟物アパート・一棟物マンション・戸建等、物件108戸を運営。総資産7億円・借入5億円・自己資本2億円、年間家賃収入4,100百万円・借入金返済3,100万円・キャッシュフロー1,600万円。節税で、所得税・住民税ゼロ。