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星野陽子の金持ち母さん投資術

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「大空室時代」での空室対策②退去を防ぐ場合

目次

現在は「大空室時代」と呼ばれるほど、空室率が高まりつつあります。不動産を経営するなら、空室対策は必要不可欠な施策と言えます。空室対策には、入居付けを促進するだけでなく退去を防ぐ管理も大事な施策となります。入居者に満足してもらい長く住んでいただくことが、大事な空室対策となるのです。

前回(「大空室時代」での空室対策①入居付けの場合)に引き続き「大空室時代」での空室対策として、今回は退去を防ぐ管理方法についてご紹介します。

退去を防ぐ管理を徹底することで空室率を下げる

転勤などは仕方ないとして、入居者に満足してもらい退去を防ぐことが、空室対策として有効です。管理をきちんとして、建物や部屋をきれいな状態に保ち、入居審査を厳格にして他の入居者に迷惑をかけるような不良入居者を入れないようにします。また、入居者のクレームや要望、相談に迅速に応えるようにすると、トラブルがあっても住み続けてくれるようになります。こうした地道な努力が、空室率を下げることにつながっていくのです。

それでは、以下に思いつく限りの対策をご紹介します。

物件の魅力を高める4つの対策

物件管理を徹底する

入居者に快適に住んでもらえるような環境にすることを心がけましょう。以下に具体的なポイントを解説します。

・物件名は恥ずかしくないものにする

管理とは少し違うかもしれないのですが、入居者が物件名を言う時に「古めかしくて恥ずかしい」という物件名であれば、変更を検討してもいいと思います。私も賃貸併用住宅の物件名が前に住んでいた人の会社名だったので変更しました。

・清掃は業者を入れ、不法投棄にもしっかり対応する

古くても清掃が行き届いている物件は気持ちの良いものです。特にエントランスやゴミ捨て場や廊下はきれいにしておきます。シルバー人材センターに依頼して週に3回清掃をお願いしています。

ゴミ捨て場や敷地内に粗大ごみが投棄されていることがありますが、放っておくとゴミがゴミを呼んで収拾がつかなくなるので、「なんで私が」とぶつぶつ言いながらも(笑)、お金を支払って粗大ごみとして出し、早めに処分します。

・放置自転車は手続きを踏んで処分する

入居者の自転車にはステッカーを貼ってもらっています。退去時に使わない自転車を置いていってしまう人たちがいるようで、放置自転車となっています。
2~3年に一度は、放置されていると思われる自転車に持ち主がいないのであれば処分する旨を書いた紙を貼って、しばらく様子を見てから処分しています。

・印象を決めるとされる植栽を手入れする

植栽を見ると管理状態がわかると言われています。植栽もシルバー人材センターで2~3年に一度手入れをしてもらっています。

・草取りは自分ですることも

草取りもシルバー人材センターにお願いしますが、一番草が生える夏には、草取りをする人の確保がむずかしかったりするので、自分でも草取りをするか、早めに清掃の人に依頼をします。

魅力的な費用対効果の高い設備を導入する

設備を充実させる人もいますが、私は設備は最低限にしています。設備が多ければ多いほど故障や不具合時の手間や費用がかかるからです。競合物件と比較して設備があまりに劣っていたり、入居付けが難しいと感じるようになったら徐々に増やしていこうと思います。

それでも、費用対効果の大きいものは導入することがあります。例えば照明器具です。IKEAやニトリの照明器具は安くても部屋をおしゃれに見せてくれるので、時々使っています。IKEAのおしゃれな照明器具を設置した時、自分では満足していましたが、事務所として使いたいというテナントから照明器具をシンプルなものに変えてほしいという依頼がありました。それからは、自己満足にならないようなものにしています。

アクセントクロスは費用対効果が大きいものと言われていますが、好みがありますし、最近は100円ショップで買えるおしゃれな壁紙を使って自分好みの部屋にする人も増えているので、私の物件では白いクロスにしています。

照明器具やアクセントクロスをこだわる場合は、ターゲットとなる入居者に合わせますが、ラブリーな女子向けの部屋におじさんが入ったという話を何回か聞いています(笑)。

直接業者にリフォームを依頼

部屋や設備が古ぼけてきた時には、管理会社からリフォーム会社に発注するのですが、管理会社が手数料を上乗せするので、高くつきます。そこで費用を抑えたい時には、自分で業者に発注することがあります。

しかし、管理会社にお願いすれば、自分が仕上がりを確認しに行ったりする必要がないので楽ですし、入居付けもより一層がんばってくれる感じがします。

リフォームや修繕ではなく、魅力的な設備に買い替えることもあります。以前、バスルームの壁のタイルや浴槽が壊れていて修繕をするよりも、新しいユニットバスに変えた方がいいと思った部屋がありました。ところが、お金をかけた新しいユニットバスは売りになると期待していたのですが、全然効果がありませんでした。「お金をかけたら入居者が決まるに違いない」という思い込みがあったと思います。それ以来、修繕で対処できるところはなるべく修繕にして費用を抑えています。

入居者に人気の設備を調査して導入する場合も

「入居者に人気の設備」と検索すると、ランキングが出てきます。インターネット無料、エントランスのオートロック、宅配ボックス、防犯カメラ、モニターホンなどが上位に入っています。

私はモニターホンを安く買える機会があり、取り付けは大家仲間がやってくれると言うのである物件のインターホンをモニターホンに取り換えましたが、他はまだ設置したことがありません。モニターホンの効果もどれだけあったのかはわかりませんが、ランキング上位の設備は試す価値はあると思います。私の物件も満室にならなくなったら追加で設備を入れようと思っています。

住んでほしい人に入居してもらい、トラブルを起こす人は出ていってもらう

入居審査は厳しくしましょう

滞納や不良入居者の入居を防ぐために、入居審査は厳格にした方がいいです。私は管理会社に入居審査を任せています。申し込みが入ると管理会社が審査をして大丈夫だと思う人に関しては、詳細を伝えてくれて「手続きを進めてもいいですか?」と聞いてくれます。審査で不安がある場合は「xxxという理由でお断りしてもいいですか」と聞いてくれます。この管理会社は長く不動産業をやっていて、豊富な経験があり、社員の入れ替わりがほとんどなく各社員の責任感が強いので、私は入居審査を任せることができます。10年間で一度も滞納者が出ていませんが、一度だけ不良入居者が入りました。

もし不良入居者が入ってしまったら……最終的な責任をとるのはオーナー

一度だけ不良入居者が入ったと書きましたが、「その不良入居者に退去してもらってほしい」と管理会社に言うと「法律に触れるからできない」と言われました。法律で入居者の権利は強いので、なかなか退去させることはできません。他の入居者や近隣の人たちに迷惑をかけて何度も警察を呼ばれているような、まともではない相手と交渉するのは、かなり辛く大変なことでしたが、私が直接交渉して、どうにか退去してもらうことができました。今思うと恐ろしいのですが、「危害を加えられるかもしれない。でもそうなったら一発退去だ!」と思って会って話をしていたのです。胆力が必要だと実感しました。その話をしたら「単発でもそういう仕事を引き受けますよ」と言ってくれた不動産管理会社の人がいましたので、危険な感じがしましたら、ご自身で無理をなさらぬようにしてください。

サブリースなら空室の心配はなくなる?

業者が物件を借りてくれて家賃保証をしてくれることをサブリースと言います。保証される賃料は相場の8割程度ですが、管理もしてもらえるため、手がかからなくなります。通常はアパートなどを建てる会社が、家賃30年保証などのサブリースをつけてアパートを販売します。賃料はずっと保証されるわけではなく、減額されることもあり、また会社が倒産してしまうこともあるので注意が必要です。最近は問題の多い方法であることが判明してきているので、私は信頼できるサブリース会社を見つけられなければ、サブリースを利用しないと思います。

最後に

私は他の仕事で忙しくて大家業に時間を割けないこともあるのですが、普段はなかなか空室対策を行うことはできません。しかし、空室ができた時には、できることを同時になるべくたくさんするという「大量行動」をすることを心がけています。退去者がどうして退去してしまったかを調査し、物件管理に不備があったら解決するために奔走します。もちろん、同時に入居付けの対策も進めます。埋まらなくても、腐ったり思考停止状態になったりせずに行動していると、いつの間にか入居が決まったりします。いくら高い利回りの物件を所有しているとしても、それが空室でしたら絵に描いた餅のようなものです。満室を目指してがんばりましょう!

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著者紹介

星野 陽子
星野 陽子

不動産投資家。著者。特許翻訳者。
東京都出身。外資系メーカー、シティバンク勤務を経て、イスラエル国籍のユダヤ人と結婚。子ども二人に恵まれるも離婚。フリーランスとして在宅で翻訳の仕事をしながら、シングルマザーとして子ども達を育てた。東欧からの移民の子で、14歳から働き、資産ゼロから財産を築いたユダヤ人の義父からは不動産投資を学び、投資物件(6億円)などの資産を築いた。著書に『ユダヤ人と結婚して20年後にわかった金銀銅の法則50』『ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣』『貧困OLから資産6億をつかんだ金持ち母さんの方法』がある。オンラインサロン「マネサロ」主宰。 オフィシャルブログも定期更新中。

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