不動産投資の最新動向
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2020年12月28日(月)
不動産投資のリスクとは? 「騙された」とわかったときはもう遅い
不動産投資は、株式やFXといったハイリスクな投資と比べるとリスクは低いといわれます。しかし、不動産投資を甘く見ると、将来的に泣きを見るのは自分自身です。
計画性なく実行した不動産投資は非常に危険で、不動産会社の営業マンの口車に乗せられ購入してしまうと、取り返しのつかない事態に陥ってしまいます。
それでは、不動産投資で失敗する人には、どんな共通点があるのでしょうか? 不動産投資に潜むリスクとメリットをふまえて解説します。
不動産投資の特性とメリットとは?
まず、不動産投資における6つのメリットを解説しましょう。
①安定的かつ長期的な不労所得になる
不動産投資に対して世間が持っている良いイメージとしては、「働かずとも収入が得られる」「安定的に儲けることができる」などがあります。
「ワンルーム投資」か「一棟買い投資」かで、収益は大きく変わりますが、安定的かつ長期的に不労所得を得ることができるという点はいずれも共通しています。
くわえて、不動産投資では、投資した物件の管理を管理会社に委託できるため、大きな手間をかけずとも行なうことができるのも、魅力的なメリットです。
②年金対策になる
「老後2000万円問題」が表出して以来、老後に対する不安は増す一方です。
退職金が減少傾向にあり、年金すらもらえるのかわからないという状況においては、自分自身で資産形成することが不可欠です。
老後に働き続けることができなくとも、不動産投資による安定収入があれば、「年金に代わる収入」として安心できます。
③生命保険代わりになる
不動産投資は、ローンを組んで始めることがほとんどですが、その際は「団体信用生命保険(団信)」に加入することとなります。
「団信」とは、仮に借入者が死亡、あるいは高度障害になったとしても、その時点のローン残債が補填される保険のことです。
たとえ団信が適用された際に家族がいたとしても、家族には残債ゼロの物件が残り、家賃収入も継続的に得ることができるので、生命保険と同等のメリットがあります。
④節税になる
不動産投資では、購入時には「不動産取得税」「登録免許税」「印紙税」、保有時には「固定資産税」「都市計画税」といった税金がかかります。
物件取得費用である「減価償却費」は、毎年経費として計上できるので、税務上の所得が抑えられるのも、不動産投資の大きなメリットです。
購入時にローンを組んだ場合は、借入金利子も経費計上が可能です。
⑤相続対策になる
不動産は、資産を現金で持っているときより評価額が7割程度に落ちることがあり、相続税の節税になりえます。
通常、相続税の税金は、「(財産の相続税評価額ー基礎控除)×相続税率ー控除額」で計算されます。現金を3000万円持っていると、相続税評価額は額面通りの3000万円の金額となります。
不動産なら、売値は額面通りでも相続税評価額が低くなるため、相続税を節税することができます。
⑥レバレッジ効果が高い
不動産投資は、レバレッジ効果が高いのも魅力のひとつです。
この「レバレッジ効果」とは、小さい資金で投資効果を上げ、さらに収益性を高めるというものです。
具体的には、自己資金と借入金を併用することで、見た目の利回り以上の収益を得ることができます。
不動産投資につきまとう8つのリスクとは?
このように、不動産投資を行なうことで享受できるメリットがさまざまあるにもかかわらず、不動産投資に「怖い」や「騙される」というマイナスイメージがついて回るのはなぜでしょうか?
それは、メリットばかりを重視して、計画性もないままスタートする人が多いからです。
そもそも不動産投資は、「ミドルリスク・ミドルリターン型」の投資と呼ばれています。
確実にリスクは伴いますが、どのようなリスクがあるかをしっかり理解して計画的に実行すれば、リターンをしっかり享受できる投資方法なのです。
そこで、不動産投資の主要な8つのリスクについて解説しましょう。
①空室リスク
まず考えられるリスクが、投資物件に入居者が入らずに家賃収入が得られない「空室リスク」です。
家賃収入が得られないという意味では、「家賃滞納リスク」もありますが、これは入居者と賃貸契約を結ぶ際に保証会社を入れることで解決します。
もしも入居者が家賃を滞納した場合は、保証会社が家賃の支払いを保証してくれるのです。
空室が続けば、収入は完全にゼロになってしまいます。サブリース契約をすることで、空室時も家賃収入を得ることはできますが、根本的な解決とはなりません。
加えて、サブリース契約には手数料がかかるため、キャッシュフローが悪化する可能性もあります。
すなわち、空室リスクは、不動産投資における最大のリスクともいえます。
空室リスクを下げるには、好立地を選択することと、入居者募集に強い管理会社と組むことが重要なポイントです。
②建物老朽化リスク
意外に見落としがちなのが、建物は老朽化するという事実です。
年を経るごとに劣化するというのが建物の常ですので、ずっと同じ条件で満室状態が続くとも限らず、将来的な建物の修繕費も見込んでおく必要があります。
建物が老朽化すれば、売却額や家賃は下がってしまいます。その対策として、定期的なメンテナンスや大規模修繕が欠かせません。
メンテナンス費用や修繕費用も、あらかじめ見据えることが大事です。
③地震・火災リスク
火災や地震、大雨による浸水などの災害や思わぬ事故に備える必要があります。
これらはオーナー自身ではコントロールするのは不可能なことなので、いかにリスクヘッジするかが重要です。
具体的には、火災保険や地震保険に加入することが大切です。行政が発行しているハザードマップで、災害の危険性が高いエリアを把握しておくことも欠かせません。
1981年以降に建てられた新耐震基準の建物を選べば、地震によるリスクはある程度軽減できます。
新耐震基準法では、建築物の耐久構造の基準を「震度6強以上の地震で倒れない住宅」としており、この基準に適っていれば、実際に地震が起きたときも安心です。
④物件価格下落リスク
不動産投資では、物件の購入後に価格が下落するリスクがあります。
長期的に安定収入を得ることができるのは魅力ですが、将来的に売却して高収益を得るためには、物件価格が下落しないように、好立地の物件を選ぶことが重要です。
具体的には、首都圏の場合は、東京23区内、横浜、川崎エリアの賃貸需要が高く、値崩れしにくい場所がおすすめです。駅から徒歩10分の利便性の高い場所であることもポイントです。
⑤管理会社倒産リスク
物件の管理を任せていた管理会社が倒産することも考えておきましょう。
これは代わりの賃貸管理会社を見つけることで対処できますが、倒産しづらい管理会社を見極めるポイントとしては、管理戸数やオーナー数が多い、実績豊富な不動産会社を見つけることです。
具体的には、入居率を定期的に公表しているか、入居者の緊急事態に24時間対応できる体制があるか、経営的に安定しているかなどをチェックしましょう。
⑥金利上昇リスク
ローンを組んで不動産投資を始める場合、金利が上昇すると支払額が増え、収支が悪化する恐れがあります。
その対策としては、借入期間を可能な限り短くすること、あるいは、固定金利を選択すること。金利上昇のリスクに備えて、余裕のあるときに繰上返済するのもアリです。
総資産に占める借入割合を40%以下に抑えられるかを借入の目安としてください。
⑦デフレリスク
景気変動において、デフレが進むと不動産投資は不利になります。
デフレが進むということは、お金の価値が上がり、モノの値段が上昇することになるので、不動産価格や家賃も下落する可能性があるからです。
つまり、不動産を売却しても、ローンを完済できない可能性が高くなるのです。
毎月の返済時に現金の余裕を持てるよう計画的に資金を捻出しなければ、デフレになって不動産の売却金額が下がったとき、売却後の残債を返済するための手持ち資金すらなくなる可能性が出てくるからです。
この場合も、不動産価格が下落しにくい好立地の物件であることは、かなり重要なファクターとなります。
⑧手続きに手間がかかるリスク
不動産投資は、売却手続きや賃貸借契約の手続きなど、手間のかかる手続きを要します。
これは、信頼できる不動産会社をパートナーにすることで解決できます。全部自分で手続きすると、膨大な時間がかかってしまうので、できるかぎりプロに任せるのが賢い方法です。
不動産会社、管理会社、税理士など、どのようなパートナーと組むべきかを、計画段階である程度想定しておくことをおすすめします。
投資の前にはしっかりシミュレーションを
繰り返しますが、不動産投資には大きなメリットがある反面、たくさんのリスクが伴います。
なかには、不動産投資のメリットばかりをまくし立て、物件を買わせようとする不動産投資詐欺の営業マンも横行しています。不動産投資を検討している人は、今回解説したメリットやリスクを把握したうえで、計画段階からしっかりと収支をシミュレーションしましょう。
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。