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事故物件に「お祓い」は必要? お祓いの方法や相場、「本当にあった恐ろしい事例」を徹底解説

目次

自殺や殺人事件、事故死……こうした事件の起こった物件は、いわく付きの事故物件として格安で売り出されます。

昨今は高齢者の孤独死も増えており、不動産売買を行なう人にとって事故物件はそれほど珍しくなくなりました。

事故物件を購入した人のなかには、対応策として「お祓い」を考える人もいるかもしれませんが、はたしてお祓いには意味や効果を期待できるのでしょうか?

今回の記事では、事故物件のお祓いの必要性を、方法や価格相場、事例を紐解きながら紹介します。

そもそも「お祓い」とは?

お祓いとは本来「祓(はらえ、はらい)」と呼ばれ、神道の宗教行為で、罪や穢れ、災厄などの不浄を心身から取り除くための神事・呪術です。

不動産に関連していえば、建築工事の開始前に行なう「地鎮祭」もお祓いの一つ。

この儀式によって、土地を守る神様にその土地を使用する許しを請い、工事の安全を祈願・祈祷するのです。

お祓いの依頼主は?

事故物件を買ったからといって、お祓いが必須なわけではありません。

事故物件である事実を気にする買主がお祓いを依頼するケースもありますが、お祓いの依頼主として一番多いのは、実は不動産業者です。

事故物件を賃貸に出したり売却したりする場合には告知義務があるため、「お祓い済み」と訴えることで、お客さんの嫌悪感を和らげようというねらいがあるのです。

ほか、賃貸物件の所有者である個人の大家さんは、事故が起こって家賃収入が減ってしまった際に、一つの対策としてお祓いを依頼するケースがあります。

ほかにも、事故物件の近所の住民がお祓いを依頼するケースも。

「気味が悪い」という感情的な理由にくわえ、霊感が強い住民であれば、物件になにかしらの異変を感じるようです。

お祓いはどこに依頼すればいいのか?

お祓いは「霊を祓う」こと以上に、「供養する」という目的が大事です。

亡くなった人の残留思念、つまり恨みなどのマイナスな感情が消えるよう、供養してあげる必要があります。

お祓いの依頼先としては、そのような「供養」の本質を理解したお寺。なお、宗教や宗派がどこであってもお祓いの意義は変わりません。

とくに、お祓いにはお坊さんに現地に来てもらわなければならないため、事故物件の近くのお寺に依頼するケースが多いです。

お祓いの料金相場は?

それでは、お寺にお祓いを依頼した場合、どのくらいの費用を支払えばいいのでしょうか?

お祓いの代金というのは明確な料金基準があるわけではなく、お寺からは「お気持ちで結構です」と言われることもしばしば。

その「お気持ち」がどの程度なのかは、非常に不透明です。

最近では、「僧侶派遣」をかかげてインターネットで価格を開示しているサイトも多数あり、そうしたサイトでお祓い費用の相場を調べると、以下のとおりです。

・自然死(病死):3万円前後
・自殺:5万円前後
・殺人:7万円前後
・無理心中:10万円前後

「死因」と「建物規模」で費用は大きく変わる!

お祓いで支払うべき金額は、故人が現世にどれだけの未練があるかどうかが大きなポイントとなります。

たとえば他殺の場合、本人の想いとは裏腹に殺害された可能性が高く、まだ生きたいという死者の現世への執着心が残っているから供養の価格が高いと考えられます。

くわえて、建物の規模感で金額を決定する考え方もあります。

アパートやマンションの一室で死亡事故・事件があった場合は、その部屋だけのお祓いで充分ですが、火災など建物全体が巻き込まれるような事故があった場合、建物全体のお祓いが必要なために料金が高くなります。

以下は、一般的な僧侶派遣サイトから調査した価格体系の例です。

・部屋一室のみ:3万円前後
・戸建ての住居1軒:8万円前後
・建物や土地全体:10万円以上

これらの料金相場についてはあくまで参考価格であり、交通費や実費だけの支払いで済むケースもあります。

ただし、マナーとして僧侶に最低3万円程度は支払うよう心がけるべきでしょう。

本当にあった事故物件での悲劇

なかには、事故物件を甘く見ていた人たちが物件購入後に恐ろしい出来事に巻き込まれ、慌ててお祓いを依頼した――そんなケースもあります。

ケース① 立て続けに起きた交通事故とペットの突然死

その物件は近所では知らない人はいない事故物件で、ニュースでも連日報じられた有名な殺人事件の現場でしたが、元々のオーナーがフルリノベーションして激安物件として販売しました。

悪名高い物件だったので、なかなか買い手が現れませんでしたが、幽霊話の類をいっさい信じない買い手がついに見つかりました。

しかし、この買主が入居直後に交通事故に遭ったのです。

買主は運転に慣れた人でしたが、事故によって生死をさまよう大怪我を負いました。

さらに、ペットの犬にも悲劇が起こります。飼っていた2匹の犬はとてもおとなしい性格で、ケンカもしたことがなかったそうですが、2匹が突然ケンカになり、噛みつかれたほうの犬は致命傷を負って亡くなってしまいました。

立て続けに不幸に見舞われたことで不気味に思ったこの買主は、すぐにお祓いを依頼。さらに物件を売りに出しましたが、現在も買い手は見つかっていません。

ケース② お祓いを行なう宮司に心霊体験が!?

とあるワンルームマンションで、男性が孤独死しました。

当時は現代のように特殊清掃業者もない時代で、大家も不動産会社もどうすべきかわからず、15年以上も前から事故物件のお祓いを行なってきた宮司に、清掃時の供養を依頼しました。

部屋に入ると、男性の死体が倒れていた床は腐敗液でびしょ濡れ……部屋には我慢ならない異臭が立ち込めていました。

警察が踏み込んだ時点で、男性が死亡してからかなりの年月が経っていたため、室内はひどい状態。

この経験だけでもかなり衝撃的ですが、恐ろしい出来事はほかにもあったそうです。

お祓いの最中に誰もいないはずの場所から足音が聞こえたり、存在しないはずのパイプオルガンの音が鳴ったり……。

1階に祭壇を作ってお祓いをしていると、最初は2階や遠くの窓のあたりから足音が聞こえていたそうです。

すると、ある時とうとう2階から「ドンドンドン!」と駆け下りるような大きな足音に。

だれかの姿は見えなかったそうですが、最後には宮司の目の前まで足音が近づいてきたといいます。

幸いにも、お祓いを終えてからは、このような心霊現象は一切聞かれなくなったようです。

「お祓い」はオーナーとして取り組める最低限のマナー

「事故物件でも安ければ買いだ!」と考える買主は意外に多いのですが、住む人や次の買主の心情も考えて、購入後のお祓いはやっておいたほうが賢明です。

依頼の仕方がよくわからないという人は、事故物件専門の不動産会社などに相談してみましょう。

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著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

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