不動産投資の最新動向
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2020年3月30日(月)
固定資産税が6倍に!? 空き家を放置するリスクと解決策
近年、空き家の増加が社会問題として取り沙汰されるようになっています。平成27年に発表された「平成25年住宅・土地統計調査」(総務省統計局)によると、空き家数は820万戸で全国の住戸の13.5%。過去最高となりました。
空き家を保有している、もしくは保有する予定がある場合、放置しておくことによって生じるリスクに注意が必要です。
ほったらかしの家はオーナー、地域ともに大きなマイナス
相続した親の持ち家の使い道がない、といった事情などで生まれる空き家。「売るのもなんだか忍びない」とほったらかしにしてしまう人が多くいますが、空き家をきちんと管理せずに放置しておくと、以下のようなリスクが発生してしまいます。
事故や犯罪の温床になる
廃墟になってしまった空き家には、ホームレスや犯罪者などが不法に入り込んでしまう危険があります。それに伴って放火などの犯罪の温床になったり、誰かが怪我をしたことでオーナーが責任を問われてしまったりする危険があるのです。
他に、粗大ゴミや産業廃棄物を不法投棄されてしまうケースも。空き家は犯罪の舞台としてうってつけなのです。
近隣に多大な迷惑をかける
住宅は手入れをせずにいると、あっという間にボロボロになってしまいます。雑草やツタが伸びる、悪臭が発生する、屋根や壁が剥げ落ちる……近隣にとっては大迷惑です。
また、台風などをきっかけとして老朽化した建物が崩壊してしまうこともあります。景観、治安、安全等の様々な面から、オーナーが責任を問われてしまうリスクがあるのです。
資産価値がどんどん下がってしまう
放置された空き家の資産価値は年月を経るごとに下がっていきます。
加えて、日本の空き家増加の勢いはとどまることを知りません。周辺の住宅の供給が増えれば当然、価格相場が下がり、資産価値が低下の一途をたどります。
早く売っておけばそれなりのお金になったのに、放置していたら売値が大幅に落ちてしまった……と後悔しないためにも安易に放置せず、早めの対処が必要です。
「特定空き家」に認定されると固定資産税が6倍に
不動産を持っていれば固定資産税を払わなければいけませんが、固定資産税には「土地に建物が建っていると土地の面積200㎡までの分について6分の1に減額される」という特例があります。
しかし、2015年に施行された空き家対策特別措置法によって、持っている不動産が「特定空家」に指定されて自治体から改善の勧告を受けた場合、上記特例の適用を受けられなくなってしまったのです。
特例の適用外となれば、固定資産税はなんと6倍に。手痛い出費でしょう。特定空家に指定される条件等については、国土交通省が発表した以下のガイドラインに詳しく記載されています。
「空き家投資」で賃貸に出して起死回生
空き家を放置しておけばリスクやデメリットはどんどん拡大します。解決策としては、売却が確実です。しかし、なんとか運用したい場合、空き家をリフォームし、賃貸物件としてお金を生み出す資産に換える方法が存在します。
近年注目を集める「空き家投資」です。
木造住宅のリフォーム費用は、それほど高額になるケースはあまりありません。投資用物件として中古の一戸建てを新たに購入する場合と比べれば、断然安くなります。
土地建物を最初から持っているという強みを存分に生かし、高い投資利回りを狙うことができるのです。
持っている空き家が、駅から10分以内など入居者のつきやすい立地である場合など、ぜひ賃貸化を検討してみるといいでしょう。
そもそも日本には戸建ての賃貸物件自体が集合住宅の賃貸物件に比べて少なく、近隣物件との競合はあまり生じません。
戸建ての賃貸はワンルームマンションなどに比べると入居者が入れ替わりにくく、一回埋まれば空室になりにくい強みもあります。
不動産は「活用するか、さもなければ手放す」が鉄則
不動産に関する問題を抱えたとき、人はとかく解決を先送りにしてしまいがちです。しかし、持っている空き家を対策せずに放置してしまうのには大きなデメリットがあります。最悪、放火などで人命が失われる危険もあるのです。
空き家に限りませんが、自分の住んでいる家以外の不動産は売却か運用どちらかの対処が必要です。ほったらかしは事態を悪化させてしまうリスクを大きくします。
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。