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不動産投資の最新動向

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不動産投資をしているとマイホームが購入できない!? ーー後悔する投資家続出!

目次

「できるだけ労力をかけずに豊かな暮らしがしたい!」と願って不動産投資を始めても、その不動産投資が思わぬ足かせとなって、豊かな人生を歩めなくなるーーこんなリスクを考えたことはありますが?

なぜなら、不動産投資をしているがゆえに、豊かさの象徴であるマイホームを購入できなくなる可能性が高まるからです。

その理由を解説しましょう。

融資の上限額は各個人の属性によって決められている

マイホームを購入するさい、ほとんどの人は、資金調達のために金融機関の住宅ローンを利用します。

金融機関はその融資額に対して上限、いわゆる融資枠を設けます。

これは各個人の属性によって異なり、その審査は以下のような項目をもとに行なわれます。

収入

ローンの返済原資は月々の収入となるため、この項目がもっとも重要視されます。

勤務先の安定性

金融機関は返済が滞ることを何よりも嫌います。そのため、勤務先の安定性も重視され、公務員や上場企業の社員は、中小企業の社員よりも融資枠が多くなる傾向があります。

勤続年数

いま現在、いくら収入が多くてもいつ辞めるかわからない人に、金融機関は融資をしたがりません。そのため、勤続年数の長い人はそれだけで有利となります。

年齢

たとえ安定した収入があっても、高齢の人であれば近いうちに退職するかもしれません。そのため、あるていどの年齢に達すると、融資枠は少なくなっていきます。

個人信用情報

カードや携帯電話の支払い状況は、すべての金融機関で共有されています。これらで遅延を繰り返していると安定した収入や勤務先であっても融資枠は縮小されるでしょう。

金融機関は、このような項目を総合的に判断して「この人には年収の〇倍まで貸す」といった融資枠を設けています。

たとえば年収500万円の人が10倍と判定されれば、融資枠は5000万円となるのです。

融資枠は不動産投資ローンも住宅ローンも共通

この融資枠は、不動産投資に対しても適用されます。

仮に融資枠5000万円の人が融資を利用して投資用ワンルームマンションを購入し、その残債が2000万円であれば、マイホームを買う際の融資枠は残りの3000万円。

もしも5000万円の残債があるアパートを所有していれば、すでに融資枠いっぱいなので、住宅ローンは組むことができなくなります。

ここで「不動産投資の利益は収入になるから、逆に融資枠が増えるのでは?」と考える人もいるかもしれません。

しかし残念ながら、多くの銀行は投資用不動産に対して、「空室リスクがあるもの」としか見てくれないのです。

たとえ現在は黒字経営でも、「それが永遠に続く保証はない」と考えるわけです。

したがって、よほど大規模な不動産経営を行って多額の収入を得ていないかぎりは、投資用不動産は住宅ローンに対してマイナスにしか働きません。

フラット35なら利用できたのに……

ただし、唯一マイナスに働かない可能性がある住宅ローンがあります。

それが住宅金融支援機構のフラット35です。

同商品は、他の金融機関で不動産投資ローンを返済中でも、黒字経営であれば残債を差し引かずに融資枠を設定してくれます。

しかしながらこれも雲行きが怪しくなってきました。ことの発端は、2019年5月に発覚した不正利用です。

フラット35は、自分が居住する住宅限定の住宅ローンで、長期固定の低金利が最大の特長であり、魅力です。

ところが、2018年10月から2019年8月までの調査で、投資用不動産に利用した例が104件も判明しました。

不正の理由は、投資用不動産ローンよりも圧倒的に低金利で、金利変動リスクも回避できると考えたからです。

この事件を受けて現在は、不動産投資ローン利用者に対する審査が厳しくなっているようです。

住宅ローンが組めなくなるなら高値のうちに売却を

不動産投資を始めるきっかけとして、「頭金を貯めて夢のマイホームを!」と胸を膨らませていた人も少なくないはずです。

しかし、将来マイホームを買う予定の人にとっては、頭金を貯められるメリットよりも住宅ローンが組めなくなるデメリットのほうが圧倒的に大きいでしょう。

ならば築年数が浅く、高値のうちに売却したほうが賢明な選択かもしれません。

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