不動産投資の最新動向
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2021年1月26日(火)
不動産投資、「掘り出し物件」は本当に買えるのか?
「掘り出し物件」――不動産投資家が色めき立つワードのひとつです。
ほかの投資家が見つけていない、あるいは購入できない高利回りの賃貸物件のことですが、購入できれば、投資の成功率は格段に上がります。
本記事では、いわゆる掘り出し物件の定義から情報を得る方法まで、余すところなく明かしていきます。
「掘り出し物件」とは?
投資家の間ではよく聞かれる「掘り出し物件」。購入できればかなりの利益が見込めるお得な物件ですが、具体的にどんな物件を指すのでしょうか。
まずは、「掘り出し物件」の定義と大まかな類型を解説しましょう。
地方物件の高利回りに期待
都心エリアの物件は、高額なために利回りは低くなりがちです。一方、地方の一棟マンション・アパートなどは、「掘り出し物件」となる可能性があります。
その最大の理由は、地価が安いために築浅の物件でも高利回りが期待できることです。
通常、都心の一棟マンションの表面利回りは10%ほどの物件が多いのに比べ、地方のアパートの場合は表面利回り15%以上の物件も珍しくありません。
くわえて、都心に比べて地方は1部屋あたりの面積が広く、入居者の入居年数が長くなるケースが多いため、長期間にわたり安定収入が得られる可能性が高いのです。
【探し方】地方の高利回り物件をどう見つけるか
投資用物件探しでは、「LIFULL HOME’S 不動産投資」や「アットホーム 投資」などがよく利用されます。
地方の優良物件を見つけるコツの一つは、こうした情報サイトで物件を探す際、所在地の検索範囲を広げることです。
しかし、単純に範囲を全国に広げても、出てくる物件が多すぎて判断できなくなってしまいます。たとえば「一定の利回り以下は足切りする」「資料がすべて揃っている物件だけにする」「写真が2枚以上ない物件は外す」など、自分なりの絞り込み条件を設定して、購入を検討する物件をピックアップしましょう。
もう一つのコツとしては、不動産投資の先輩である大家が所属する「大家の会」の地方コミュニティを見つけることです。「地方名 大家の会」で検索すると、物件のあるエリアで活動している大家から情報収集できます。
不動産については、その土地で活動する人が一番詳しいのが一般的。地方の大家と懇意になれば、お得な地方物件情報がもらえるかもしれません。
心理的瑕疵物件は、賃料が安く意外に人気!
心理的瑕疵物件とは、過去に事件や事故で人が亡くなった物件を指します。
周辺に刑務所や風俗店の店舗、墓場などの施設(忌避施設)がある、入居者に反社会的勢力がいる物件なども含まれ、これらは相場より販売価格が下がります。
心理的瑕疵物件は、賃貸経営への影響が非常に深刻で、基本的には購入を避けたほうがよいものです。しかし、なんといっても価格が安く、狙いめとなる物件もあるのです。
たとえば、近隣に風俗店やラブホテルがあるアパートを考えてみましょう。投資家のあなたは「自分が入居者だったら絶対に住みたくない」と思うかもしれませんが、独身の男性であればそれほど気にしない可能性もあります。
繁華街へのアクセスを第一に考える、夜の街で働く人々への募集も狙えるでしょう。
投資家自身の目線ではなく、入居者の目線で考えることで、心理的瑕疵物件の魅力的な側面が見えてくるかもしれません。
ただし、賃料が多少安くなる可能性は、頭に入れておいてください。
【探し方】心理的瑕疵物件をどう見つけるか
心理的瑕疵物件を見つける一つの参考として、「大島てる」という有名な事故物件公示サイトがあります。
「大島てる」には、さまざまな事故物件・心理的瑕疵物件が、アパート・マンション名や所在地まで具体的に表示されています。
関連書籍が多数出版され、「大島てる」自体はよく知られていますが、投資用物件を探す目的で当サイトを使う人は少ないようです。
このサイトを使い、物件の所在エリアをしっかり確認したうえで、あえて事故物件を狙って不動産会社に問い合わせを入れるのも、有用な方法です。
仲介会社だけでなく、管理会社にも聞いてみると、より詳細な情報が得られるはずです。
未公開物件は選ばれた投資家だけに紹介される?
不動産を売り出す場合、仲介業者は必ず「レインズ」というインターネットの公的データベースに物件情報を公開しなければいけません。
しかし、レインズに情報が公開されないケースがあります。ルール上はグレーなのですが、情報公開前に売買取引が成約してしまった物件はレインズにアップされることがなく、ほかの投資家が目にする機会はないのです。
たとえば、相続物件です。不動産オーナーに相続税の納税が迫り、売却を急いで不動産業者に相談し、その業者がレインズ公開前に声をかけた人で即座に契約が決まったという場合は、レインズに情報が公開されません。
このように、市場に出る前に売れてしまう物件は、投資価値の高い物件である確率がかなり高いのです。
【探し方】どのように未公開物件を見つけるか
未公開物件を購入するには、不動産屋から特別に紹介してもらうほかに方法はありません。
したがって、不動産会社の営業マンが売却を急ぐ物件の情報を仕入れた際、「あの人だったらすぐ成約するかな」と思い出してもらえるような優良顧客になる必要があります。
すなわち、常日頃から営業マンとの関係性を良好にしておく必要があります。電話やメールなどのコミュニケーションを定期的に取り、新たに物件を購入する意思があることをアピールしてください。営業マンも人間ですから、疎遠になればすぐにあなたを忘れてしまいます。
なお、関係性を構築する相手は、大手企業を中心としつつ、零細業者も選んだほうがいいでしょう。大手企業はネームバリューがあるので、不動産売買の素人から、他よりも圧倒的に安い物件が回ってくるケースが考えられます。
「町の不動産屋」といった零細業者の場合は地元の不動産オーナーとのつながりが深く、レインズに掲載されていないような未公開物件を抱えていることがあります。
重要なのは行動力
個人投資家でも、「掘り出し物件」といえる優良物件を購入することは、充分可能です。
ただ、ほかの投資家に先んじるには、相応の努力が必要です。掘り出し物件を購入するためには、情報収集を常に怠らず、不動産会社と密に連携を取ることを心がけましょう。
努力せずに棚ぼたで掘り出し物件が手に入るほど、不動産投資は甘くないのです。
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。