Column

不動産投資の最新動向

603 view

不動産業界「おとり広告」の真実! ニセモノの広告に騙されるな

目次

投資用不動産を選ぶ際、ほとんどすべての人がインターネットのポータルサイトに掲載された募集広告を閲覧するはずです。

駅から近い、築浅、相場より安い価格……そんな好条件の物件広告を見つければ、喜び勇んで不動産会社に問い合わせを入れてしまうかもしれません。

ところが、サイトに表示された広告が「おとり広告」であり、実際には物件が存在しないケースがあることをご存じでしょうか?

嘘の物件情報に騙されて損をしないため、おとり広告の実態と、その見抜き方を解説します。

「おとり広告」とは?

「おとり広告」とは、業者が売り出し物件として広告を出していながら、実際には対象の物件が存在しないという集客手法のことです。

「おとり広告」は法律で禁止されている!

「おとり広告」とは、実在しない物件を掲載した募集広告だけを指すわけではありません。

実在している物件でも、既に売却済みだったり、オーナーに売る気がなかったり、価格などの条件が広告と実態とでかけ離れていたりするケースも、「おとり広告」に含まれます。

消費者庁の「不動産のおとり広告に関する表示」による定義については、コチラをクリック♪

おとり広告は、宅建業法32条および不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)21条で禁止された不当表示に該当します。

違反すれば、消費者庁から措置命令などの重い処分が下される、立派な「法律違反」なのです。

法律違反でも、なぜ業者は「おとり広告」を出したいのか?

業者がおとり広告を出す最大の目的は、集客です。自社にお客さんの来店を促すための「撒き餌」にするためです。

当然のことながら、おとり広告に釣られたお客さんが実際に来店しても、その物件を紹介することはできません。そのため、「既に契約済みです」などと言い訳をしてごまかそうとします。

「おとり広告についての追及はうまくごまかして、別の物件で成約させてしまおう」という思惑があるのです。

いうまでもなく、「おとり広告」による違反行為によって集客しようという悪質な不動産会社は、取引相手として信用できません。

そのような会社のカモにならないためには、買い手自らがおとり広告を見抜き、悪質な業者かどうかを見極めることが重要です。

おとり広告を見抜くコツとは?

それでは、おとり広告を見抜くには、一体どうすればいいのでしょうか?

広告内に次のようなポイントが見られたら、その広告がおとり広告である可能性は非常に高いです。

条件が良すぎる

基本的に、不動産には「格安物件」というものは存在しません。格安物件があったとしても、一般消費者が広告を見るスキもなく一瞬で売れてしまいます。

したがって、条件が優良なのに相場より価格が安い物件は、それだけでおとり広告の可能性があります。取扱業者に相場が安い理由を確認して見ましょう。その理由をはっきり答えない場合は、非常に怪しいです。

1社しか取り扱っていない

1社の仲介会社しか広告を出していない物件は、おとり広告である可能性があります。

「当社限定!」「未公開!」など、広告内で「1社限定の物件!」であることが強調されていれば、なおさら注意が必要でしょう。そもそも、募集広告を出している時点で「未公開」ではありません。

おとり広告かどうかを確かめたい物件があれば、信頼できるほかの不動産会社に相談し、その物件を仲介できるか確認してみるのも、有効な手です。

詳細な情報が出ていない

物件の住所などの詳細情報が広告内に表示されていない場合にも、要注意です。

広告を見た人が物件を特定しようすると、その物件が架空広告であることがバレてしまう――そんな危惧から、業者が意図的に情報を隠しているのかもしれません。

ちなみに、実在しない住所を広告に掲載する悪質なケースもあるようです。興味をもった物件の住所は、必ず実際の地図で場所をチェックする習慣をつけましょう。

お客さんに来店をやたらと強要する

おとり広告を出している不動産会社は、「とにかく一度来店いただければご説明します」と強調します。実際は契約できない物件なので、お客さんから現地待ち合わせを指定されたりすると困るからです。

広告の物件について問い合わせているのに、妙にしつこく来店を要求される場合、広告の物件に申し込みを入れることは可能なのかと念を押してみましょう。

物件探しは自分の判断で!

おとり広告は、不動産業界でいまだにはびこっている悪習です。

興味を持った物件が存在しないだけであればまだ良いですが、おとり広告を見て問い合わせたせいで悪質業者との接点を作ることになってしまえば、後の詐欺被害を招いてしまうかもしれません。

不動産投資の際には、「自分であたりをつけた物件しか買わない」「信頼できる不動産会社からの紹介物件しか買わない」となど、事前にはっきり決めておいたほうがいいかもしれません。

投資用不動産業界に関する情報が毎週届く!
不動産投資塾新聞社メールマガジン登録はこちら

著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

関連記事

「大空室時代」での空室対策②退去を防ぐ場合

星野陽子の金持ち母さん投資術

1,968 view

「大空室時代」での空室対策②退去を防ぐ場合

不動産を相続することになったら知っておきたい、不動産の分割方法

竹村鮎子弁護士の学んで防ぐ!不動産投資の法律相談所

1,438 view

不動産を相続することになったら知っておきたい、不動産の分割方法