不動産投資の最新動向
1,595 view
2020年10月29日(木)
公務員でも副業・兼業できる! できる仕事の条件とおすすめの副業
大手企業を中心に相次いで社員の副業が解禁され、いずれは誰もがいくつかの職業を持つ「パラレルワーク」の社会が訪れる可能性を唱える研究者や評論家もいます。では、役所や地方公共団体の職員といった、公務員の副業・兼業事情はどうなのでしょうか?多くの公務員投資家への取材実績を持つ、不動産投資塾の最新の情報をもとにまとめました。
公務員の副業には制限がかかる
前提からいえば、公務員の副業は禁止されているわけではありません。ただ、いくつかの条件をもとに制限付きで許可されているのが実際のところです。
たとえば地方公務員は地方公務員法により、「営利企業を運営してはいけない」とされており、副業に際しては任命権者(総理大臣や所轄庁のトップ)による承認を得なければいけない、とされています。国家公務員も国家公務員法に似たような記述があり、自営業にしろ会社の経営にしろ役員就任にしろ団体への参加にしろ、営利目的の活動や事業に協力する場合は副業禁止なのです。基本的に、民間企業から報酬をもらうような仕事はできません。その他、「人事委員会規則で定める地位」につくことも禁止です。
2020年10月時点で公務員が許可されている副業は、「公益的活動」に限定されています。公益的活動とは、社会的弱者の支援などを目的とする福祉性の高い活動であること、原則としてかかった費用以下の料金しか取らない、または料金を取らない活動のことです。
神戸市や生駒市など一部の自治体では実験的に副業を解禁するため規則の整備を続けているところもありますが、現状で副業が全面的に解禁されている自治体はありません。自分の所属する地域の規定を確認しましょう。
また注意したいのは、許可が必要な副業を公務員がする場合は「自営兼業承認申請書」を人事等に提出して承認を受ける必要があり、提出なしで副業をしたことが発覚した場合は規則違反により減給や停職、免職、戒告などの懲戒処分を受けるリスクがあることです。
農業など、自らの小規模な家業の手伝いに従事する程度であれば多めに見てもらえる可能性もありますが、基準はお上しだい。問題にならないため、活動の内容を問わず許可を得ておいたほうがいいでしょう。
注意したいのは、紹介を受けて公務員が講演に呼ばれ、謝礼をもらったり、執筆活動で原稿料をもらったり、顧問を務めたりするケースで、許可を得ないと規定違反になります。
副業として投資は有効な選択
しかし、法律による決まりを100%真に受けてしまえば、利益を得る活動はすべて禁止となり、公務員は基本的に収入を上げるための副業がまったくできず、本業の職務に邁進するしかない、ということになります。
そこで目をつけたいのが、「投資」という形で副業に取り組む方法です。自分個人の資金の中から投資をして利益を得るだけであれば、私企業の活動に協力するわけではなく、規程に抵触せずに副業をできる可能性があるからです。
投資とはたとえば、株式投資やFX、仮想通貨、投資信託への投資などです。これらは公務員であっても許可不要です。
ただしポイントは、運用で利益が出た場合には確定申告が必要になること。副業の届け出ばかりに気を取られて税務面の配慮を怠れば当然、法律により罰則の対象になります。
また、株式やFX、仮想通貨など市場における価格変動が激しい3つの投資対象は、どうしても頻繁にマーケットの値動きをチェックする必要が生じてしまいます。
気分的にも落ち着かないでしょうし、時間が取られて本業に支障が出てしまうかもしれません。
投資信託であれば細かい市場の上下を気にする必要はありませんが、投資信託会社への手数料支払いもあるため利益はあまり望めず、副業というのには少々物足りない感があります。
公務員でも可能な不動産投資という手法
公務員の副業として他の方法はないか……そう考えたとき、不動産投資という手法があります。
公務員であっても可能なのは、賃貸収入によるインカムゲインを得るための不動産投資です。物件の値上がりによる売却益(キャピタルゲイン)狙いの投資は公務員の副業として認められないので、注意してください。
また、年収500万円という範囲を超えると、前述した許可が必要になります。戸建ては保有物件5棟未満、マンションは保有物件10室未満という規模の制限もされています。
ただ、不動産投資での年間収入500万円を12ヶ月で割り戻すと、収入は月々約40万円です。家賃8万円の区分マンションを5部屋持っていてようやく到達する収入で、それを超えるとなるとなかなかの不動産投資上級者です。
他の投資で年収500万円を稼ぐとなるとかなりのリスクを取らないといけませんから、許可が不要な範囲で安定した収入を得るには不動産投資を選ぶのがベストでしょう。信頼できる収益物件は、老後の資産にもなってくれます。
「安定」という呪縛から解き放たれる
公務員の皆さんは、もちろん社会の運営をサポートするという公務員の本分に共感して、公務員という職を選ばれたはずです。
しかし、キャリアを重ねるごとに、雇用の絶大な安定の対価として人生の可能性が大きく制限されることに疑問を抱く人も多くいます。
投資という副業で、給与以外の安定した収入基盤を得れば、民間に転職してさらに副業の収入を高めることもできるでしょう。キャリアの選択という意味でも、公務員にとって副業は今後ますます重要になり、事例も増えてくるはずです。
投資用不動産業界に関する情報が毎週届く!
不動産投資塾新聞社メールマガジン登録はこちら
著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。