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不動産投資の最新動向

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災害大国の日本で、不動産投資家は台風や地震をどう対策すべきか

目次

台風、地震、大雨……我が国日本は、言わずと知れた災害大国です。不動産という資産は実物資産かつ野ざらしであるがゆえに、どうしても災害の影響を大きく受けます。投資家として、台風や地震などにどのような対策を講じるべきなのでしょうか。

災害が不動産にもたらす影響

大きな地震が起きて建物にクラックが生じたり、大雨で建物が水没したり、火災で燃えてしまったり……自然災害が発生して被害を受けるのは、投資家にはどうすることもできません。

最も怖いのが、建物が全壊したり消失したりして使用不能になってしまうことです。

そうなると、数千万円をかけて購入した物件だとしても、建物部分の価値は台無しになってしまいます。

当然、住んでいた入居者からの家賃は途絶え、売却しても譲渡価格はかなり下がってしまうのです。

それどころか、被害を受けた建物は、そのままにしておくことはできません。

倒壊して周囲にさらなる被害を与えるリスクがあるならば、取り壊すのはオーナーの義務です。取り壊しの費用はオーナーの負担になります。

全壊まではしなかったとしても、建物にクラックができたり共用設備が破損したりすれば、オーナーの持ち出しで修繕しなければいけません。
全棟の被害は免れても、一部の部屋が使用不能になれば当然、利回りは下がります。

参考までに、社団法人日本住宅管理業協会は、東日本大震災による建物の被害を次のようにまとめています。

・東日本大震災 被災状況調査報告
http://www.kanrikyo.or.jp/news/data/hisaihoukoku110519.pdf?_fsi=Jm391713

いくら立地が良くて安定した収益が上がっていた物件でも、災害はすべてを水の泡にしてしまいます。不動産投資家としては、投資における最も大きなリスクが災害リスクであると言ってもいいかもしれません。

近年だけでも大災害が頻繁に起きる日本では、災害リスクをヘッジすることを現実的に考えなければいけないのです。

災害に対する3つのリスクヘッジ

災害のリスクヘッジは、窓に板を打って台風対策をするというような付け焼き刃ではほとんど意味がありません。もっと根本的な対策が必要になります。

では、災害のリスクはどのようにヘッジすればいいのでしょうか。

災害に強い地域の物件を買う

災害の被害に遭いやすい地域は、地盤の状態など傾向があります。
物件の購入を検討する際、物件の位置する場所が災害被害に遭いやすいかどうかを確認しておくといいでしょう。

洪水や土砂災害といった災害が発生した際にどのような被害が想定されるのかは、地域のハザードマップを見ることによって確認できます。

・ハザードマップポータルサイト
http://disaportal.gsi.go.jp

また、地盤もチェックしておいてください。

朝日新聞の「揺れやすい地盤」というサイトが参考になります。

住所を入力するだけで、地震による揺れやすさなど地盤に関する情報がすぐわかるので、物件購入の判断材料にするといいでしょう。

・朝日新聞 揺れやすい地盤
http://www.asahi.com/special/saigai_jiban/

新耐震基準の物件を買う

建物の耐震確認が1981年6月1日以前に実施されている物件は「旧耐震」と言われます。

「震度5強程度の地震に対して倒壊しない」というのが基準です。

しかし、それ以降の新耐震基準に沿った建物は、「震度6強から7の地震に対して倒壊・崩壊しない」というレベルが基準になっています。

実際、阪神・淡路大震災や東日本大震災でも、火災や津波の影響を除いた地震自体の被害で倒壊したのは、すべて旧耐震基準の建物でした。

したがって、災害リスクのヘッジという観点からいえば、必ず新耐震の物件を購入すべきでしょう。

どうしても旧耐震の物件を購入したい場合は、新耐震基準相当の耐震性になるように耐震補強工事を行うのも選択肢です。

保険に加入する

不動産投資をする場合、必ず火災保険に加入することになります。

ただ注意したいのは、火災保険は地震や火山の噴火、津波などを原因とする火災は補償対象外になること。火災保険で補償されるのは災害を原因としない火災のみなのです。

そこで、災害のリスクをヘッジするには地震保険に加入するという手段があります。

地震保険では地震や火山の噴火、津波などを原因とする建物の火災・損壊・埋没・流出などを補償してもらうことができます。通常、地震保険だけでは加入することができず、火災保険のオプション扱いになります。

ただ、地震保険に加入すれば当然、保険料が余分にかかります。リスクヘッジ効果とかかる費用を、天秤にかけて判断しなければいけません。

どこまでリスクを取るのか

政府の調査によれば、首都圏に大きな被害を与える可能性のある南海トラフ大地震は、今後30年間で70〜80%の確率で発生するとされています。

・南海トラフで発生する地震 地震本部
https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_kaiko/k_nankai/

代表的に災害リスクである大地震をどう対策するのか、投資家としては悩ましいところです。

利回りが下がっても万全を期してリスクヘッジするのか、それとも一定のリスクは許容して収益を最大化するのか、判断が迫られています。

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著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

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