Column

不動産投資の最新動向

1,503 view

不動産投資でカモられないための5つの鉄則

目次

残念ながら不動産投資は悪質な業者も存在する業界です。騙される人は「カモ」と呼ばれ、悪質な業者のネットワークで情報共有されてしまうこともあります。

自分がカモられないためには、今回ご紹介する5つの鉄則をまずは守りましょう。

鉄則①人の話をうのみにしない

不動産会社は慈善活動で不動産を売っていません。会社または営業マンには目標があり、不動産を売って利益が必要になります。購入を悩む顧客には「こんな良い物件、すぐに売れてしまいます。」「超人気物件ですが、特別に先行してご紹介します」などとセールストークを展開し、クロージングします。

セールストークが全て、事実なはずはありません。「何か裏があるのではないか」と疑う姿勢を持っておくことが必要です。営業マンだけではありません。書籍やセミナー、有名大家のエピソードなども、まるきり信用してはいけない情報です。

あくまでも情報は自分が考えるための材料。なるべく情報を多く集めながらも、何が正しいのかは自分で判断しましょう。

鉄則②むやみに即決しない

「今契約しないと他の申し込みが入ってしまいます」「成功する方は皆さん、初回の面談で決めています」などは不動産営業の常套句です。しかし、慣れないうちに即決してはいけません。

物件のことでいえば、初めて不動産投資をしようというあなたに偶然営業してきた担当者がたまたま掘り出し物を押さえており、それをあなたに売ってくれるなんてことは、よほどの信頼関係がお互いにないとありえません。

まずは資料を持ち帰り、物件は周辺相場から見て適正な価格なのか、営業が説明してきた利回りの計算方式は妥当な物か、不利な条件のサブリースなどの仕掛けがないかを冷静な頭で考え、納得してから次のステップに進むようにしてください。

相見積もりを取るのも良いでしょう。不動産以外の高額な商材を購入する際、少しでも安く買えないか、買っても問題ないのか、誰もが確認するものです。

鉄則③楽観的に計算しない

物件購入前に営業から示されるのは、すべてが一番うまくいったパターンのシミュレーションです。前述したとおり、100%信用すべきものではないのですが、投資家としての自分自身も楽観的な計算をしないようにも気をつけなければいけません。

「たぶん最初の4年は満室で、そのあとも8割くらいは回るだろう」「修繕費は最初の10年は大規模修繕の分+αくらいを考えておけばいいだろう」「売却時の価格の落ち込みはこれくらいで済んで利益ができるだろう」……こういった楽観的な判断は要注意です。

悲観的に考えて、思ったようにいかなくても利益が手元に残る堅い計算をしなければいけません。

鉄則④ローン金利を軽視しない

物件がどれくらいの収入を生むのかはどの投資家も真剣に見ますが、以外に軽視しがちなのがローンの金利です。たかだか1%以下の違い、と数値上の割合の少なさにだまされてしまうのです。

しかし、ローンの金利は投資のキャッシュフローに大きく影響します。たとえば3000万円の35年ローンで金利が1%上がれば、最終的な支払額は600万円以上も増えてしまうのです。これは不動産投資の収益でカバーするのはちょっと難しい額でしょう。

ローンは0.1%でも金利が低いところから借りるよう、こだわりまくってください。いい条件のローンが組めないようなら、不動産投資はやめたほうがいいというくらいです。

鉄則⑤欲張らない

利回りにこだわるのはもちろん大切ですが、初心者のうちから変に掘り出し物狙いの投資をするのはやめましょう。つまるところ、儲かる不動産投資の絶対条件は「安く買う」こと。

たとえそれほど収益力のない物件だとしても、相場よりも割安で買うことができれば、転売するだけで利益が上がる可能性はあります。

ただ、優良物件を素人が割安に買える、ということはほぼあり得ません。入居づけが難しかったり権利関係が複雑だったり、建て替えや修繕が困難であったりと、安く買える物件には安いだけの理由があります。安く買える物件で不動産投資を成功させるのには、それらの問題をノウハウによって解決する必要があるのです。

「細かい投資家」になろう

投資用不動産の営業担当者の多くは、「できる投資家はプロに任せる」「成功する条件は即決」などと話します。確かに、不動産投資は事業ですから、人に任せる部分は人に任せたりスピーディに判断したりすることは重要です。

しかし、不動産会社のこういった言い分の裏にあるのは、要は自分たちに面倒がなくスムーズに物件が売れるのが「いいお客さん」である、という本音に他なりません。

営業マンを信頼し切って、持っていく物件を即決で買ってくれるお客さんには優良物件の情報が集まりやすい面もあります。自分がそういうお客さんではないと自覚しているなら、投資にあたって吟味に吟味を重ねた方がいいでしょう。

「細かすぎる投資家だ」と営業マンに嫌がれるくらいでちょうどいいのです。

投資用不動産業界に関する情報が毎週届く!
不動産投資塾新聞社メールマガジン登録はこちら

著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

関連記事

管理費・修繕積立金の存在に気付かずに賃貸借契約書を締結した話

加藤隆が実際に体験した不動産投資の罠

4,113 view

管理費・修繕積立金の存在に気付かずに賃貸借契約書を締結した話