不動産投資の最新動向
1,547 view
2020年6月30日(火)
副業の切り札!?レンタルスペース投資のリスクとリターン
コロナショックで収入が低下した不動産投資家の間で話題になっている、レンタルスペース投資。どれくらい利回りが上がるのか?初期投資は必要なのか?どんなリスクがあるのか?レンタルスペース投資についてまとめました。
レンタルスペース投資とは
レンタルスペース投資とは、居住用賃貸やテナントビルのように一つの場所を一つの入居者と契約するのではなく、「時間貸し」によって収益を上げる手法です。
具体的には、以下の用途などで需要が見込めます。
・貸し会議室
・パーティ用スペース
・イベント・セミナースペース
・カフェスペース
・撮影スタジオ
・キッチンスタジオ
賃貸借契約ではなく利用料で稼ぐ仕組みなので、モデルとしては民泊に近いでしょう。
ただ、民泊と違って宿泊利用でないので旅館業法の規制を受けず、時間もさらに細かく分けて貸し出すことができます。
レンタルスペース投資の収益は?
レンタルスペース投資は、毎月いくらの賃料が入ってくる、というスキームではありません。時間貸しの成約がどれほど入るのかで売り上げが変わってくるので、特にパーティールーム等の場合はシーズンによってかなり収益に差が出ます。立地によっては、利回り100%超えなどといった物件もあるようです。
気になる費用面は、以下のどのような手法で始めるのかによって変わってきます。
① 物件を購入して始める
② 物件を借りて始める
③ 持っている物件を活用する
① の場合は当然、物件の購入費用がかかり、②では敷金・礼金を払うのとともに毎月の家賃を負担することになります。
すべてのパターンで共通してかかる費用は、スペースの使用目的に合った設備を導入する費用です。
例えば貸し会議室であれば、デスクやホワイトボード、Wi-fiの回線といった設備が必要になるでしょう。場合によってはテレビ会議システムなどの工事費をかけなければいけないかもしれません。
オーナーとしてはなるべく費用をかけずに投資を始めたいところですが、レンタルスペースにとって設備の充実度やきれいさは生命線です。どんな設備にせよ競合はたくさんありますから、利用者が満足しなければリピート利用をとることができません。
また、利用者からは会議室には会議室らしい内装、撮影スタジオであれば撮影スタジオらしい内装を求められます。いくら必要な設備が揃っていても、いかにも普通の賃貸マンションを急場しのぎでレンタルスペースにしています、という感が丸出しになっている物件に利用者は集まりにくいでしょう。
集客の方法と儲ける極意
レンタルスペース投資の集客のためには、以下のようなポータルサイトに登録して利用者の予約を待ちます。
・Spacee
https://www.spacee.jp/
・SPACEMARKET
https://www.spacemarket.com/
・レンタルカフェ.COM
http://rental-cafe.com
集客チャンスを最大にするため、なるべく複数のサイトに登録することが望ましいでしょう。ポータルサイトへの報酬は予約の成立時点で支払う条件のところが多いようです。
募集広告で重要になるのは、掲載する写真です。
ただきれいでおしゃれな感じがすればいいというものでもなく、「会議室」「パーティルーム」など用途がひと目ではっきり分かるように意識し、物件が備えている設備がわかりやすい写真を掲載してください。
利用者はネットの情報だけを頼りに利用を決め、不動産投資のように内見してもらって魅力を伝えるという方法はありません。
競合の物件と比べていかに便利で清潔で、安心して使用できるのかを写真で存分にアピールすることが必須なのです。
また、レンタルスペース投資は不動産投資の一種というよりも、店舗経営という面が強くなります。居住用賃貸や民泊よりもはるかに立地が重要になるのです。
そういう意味では、ターミナル駅が最寄りでなく駅からも近くないなど、元々居住用賃貸としても微妙な物件を転用してレンタルスペースにしようという試みは成功が難しいかもしれません。
レンタルスペース投資は毎日、毎月の数字を見ながら常に改善点を探っていく作業が必要です。また、売り上げのブレが大きいうえ、魅力のない物件であればポータルに掲載していても予約ゼロ、ということも十分にあり得ます。
通常の不動産投資に比べるとかなり能動的な経営になってくるので、ビジネスのために自分で考えて動くのが好き、というオーナーに向いているでしょう。
専業でやるものではない?
コロナショックで不動産業界が大ダメージを受け、保有する物件をレンタルスペースにコンバートする投資家が急増しています。
ただ、成功している投資家に多いのは、物件をたくさん持っていていくつかをレンタルスペースとして運用している、コロナショック対応の急場しのぎとして割り切っていて大儲けは最初から求めていない、といったパターンです。
毎月安定した収益が期待できるのは不動産投資の大きなメリットですから、レンタルスペースオーナーとして振り切るのではなく、ポートフォリオの一部として目的を持って活用するのが成功するコツのようです。
投資用不動産業界に関する情報が毎週届く!
不動産投資塾新聞社メールマガジン登録はこちら
著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。