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家賃の支払いが困難だと入居者から相談を受けたら

目次

コロナショックで経済が停止してしまっている昨今、収益物件オーナーの元に入居者からの「家賃を払えない」という相談が相次いでいるようです。

中には、事前連絡なしで家賃の振り込みが止まってしまい、既に滞納になっているケースも。家賃の支払いが困難だという入居者が現れた場合の対策をまとめました。

まずは支払う方法を一緒に考える

国からは、ビル所有者はテナントに対して家賃の猶予などの柔軟な処置をとるよう要請しています。しかし、これはどのような範囲のビルに当てはまるかや、具体的にどのような対応をすればいいのかなどが曖昧で、単に「要請」しているのに過ぎません。

大家は安泰だから大丈夫だろう、という姿勢が見て取れますが、家賃がもらえなければ融資返済に苦しむオーナーも少なくはないでしょう。政府が頼りにならない以上、自ら防衛策を講じる必要があります。

入居者から家賃の支払いが難しいと相談を受けた場合、まずは国や自治体による支援策を活用したのか確認してください。例えばコロナショックを受け、最大で家賃の9ヶ月分を入居者が受け取れる「住宅確保給付金」の受給要件が緩和され、グッと活用がしやすくなっています。他にも「緊急小口資金」や「総合支援資金」などの無担保・無利子の貸し付けも個人が利用できます。

コロナショックに対する支援策については、以下の記事にまとめてあります。

コラム:【無利子・無担保融資】コロナ渦での不動産経営支援案10

これらの制度を活用して、なんとか家賃を支払えるように入居者と話すのがまず第一歩です。

猶予するか退去してもらうか

入居者が支援策によって資金を得ることができれば、基本的には直近の家賃は支払い可能になるはずです。しかし、それでもなお家賃支払いのメドが立たないという場合には、家賃の支払いを猶予するか、退去してもらうかの二択を迫られることになります。

まず、退去してもらう場合、退去の訴訟を起こすには最低でも3ヶ月分程度の家賃滞納がないと、裁判所から「貸主・借主の信頼関係が壊された」とは認めてもらえません。また、今回はコロナショックの影響を鑑みた、入居者寄りの判断をされる可能性も十分にあり、3ヶ月分では不十分と認定されるかもしれないことには注意が必要です。

また、裁判所から立ち退きが認められたとしても、入居者が持っていないお金は取れません。退去は「損切り」として、数ヶ月分の家賃は諦める覚悟を持って新しい入居者を探す対応であると認識した方がいいでしょう。

家賃の支払いを猶予してあげる場合、「いつまでに支払えるか」「どのようにお金を得るメドがあるのか」を入居者との間で明確に詰めておかなければいけません。

そのうえで、必ず書類を取り交わして入居者からのサインをもらってください。猶予する期日や作成の日付を入れ、新型コロナウイルスの影響の範囲における限定的な対応であることを明記しましょう。

書類を取り交わすのは、後ほど約束を破られた場合に証拠として使用するのはもちろん、入居者に「滞納グセ」を付けさせない意味合いもあります。口頭であいまいに猶予に応じてしまった場合、入居者にとっては「一回やってしまえば何回やっても一緒」という感覚にもなりかねません。あくまで、契約どおりの家賃を支払わないのは非常に重大なことであると認識してもらう必要があるのです。

これらの対応は、相手を見て判断することが必要です。以前にも滞納の前歴があった、無断で家賃を滞納した、といった入居者の場合は、情けをかける必要はありません。

家賃保証会社に頼る

また、賃貸物件を経営しているのであれば家賃保証会社と契約をしているはずです。
家賃の滞納が発生することがわかった時点で、これらの対応と並行して家賃保証会社にも相談しましょう。滞納があった場合に家賃保証会社に報告して立て替えてもらう契約である場合には、すぐ家賃保証会社に報告してください。申請の期限は滞納発生からそれほど長くないことが多いのと、家賃保証会社であれば家賃滞納者に対する相談にも乗ってくれるはずだからです。

平時はただ保証料を払っているだけで、家賃保証会社とは連絡を取ったこともないというオーナーもいるかもしれませんが、こういう時のための存在です。存分に動いてもらいましょう。

入居者の言い分は聞きながら厳正に対処する

入居者が自分から家賃の支払いが困難だと相談してきた場合、まずは話を聞いてあげていいでしょう。どのような対応をすべきなのかは相手の人柄や状況次第です。

しかし、入居者の状況の改善が見込めない場合、厳しい対応も辞さない覚悟が必要です。安易に同情だけで家賃を猶予してしまうと、その後しばしば滞納されたり、開き直って家賃を払わないまま住み続けられたりする危険もあります。
あくまでビジネスとして、冷静な判断をしてください。

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著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

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