不動産投資の最新動向
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2020年2月29日(土)
過酷なノルマにどう立ち向かう!? 投資用不動産会社、新人営業の心得
「ガンガン売ってたくさん稼いでやろう」という希望を胸に、毎年数多くの新人が飛び込んでいく投資用不動産業界。しかし、現実はブラックな働き方を要する企業も多く、入社1ヶ月目から退職を希望する同期も多く出てきます。これから営業マンとしてデビューを果たす新人に向け、入社後にどのような研修や業務を経験し、一人前になるまでにどのような試練が待ち受けているのか。不動産投資塾編集部の独自取材によって、不動産会社の実態と、活躍する人材へ成長する方法を明らかにしました。
まず訪れる「テレアポ・飛び込み」の試練とは?
百人単位の営業マンが在籍する一部上場の大企業から数人程度の中小企業まで、投資用不動産会社の規模は大小様々です。新人の教育体制についても、いきなり営業の現場に飛び込んでトレーニングを積む会社もあれば、一ヶ月程度の研修を受けてから現場デビューさせる会社まで、幅広く存在します。
しかし、多くの会社に取材していく中で発覚した共通した新人教育の方法があります。それはテレアポや名刺配りなどで営業マンとしての度胸を身に付けるトレーニングを実施することです。
テレアポ
まず初めに、名前や携帯番号などの個人情報が記載されたリストを、上司から渡されます。そのリストの一番の上の人から順番に電話をかけ、投資用不動産のニーズを探り、面談のアポイントを取り付ける業務がテレアポです。1日300件程度、ひたすら電話をかけ、入社した会社にあるトークスクリプトを頭に叩き込んでいきます。
会社のリスト以上にアプローチ先が欲しい場合は社員が個人でリスト業者から見込み客リストを購入することも。リストの購入価格は1件につき8〜10円程度です。
名刺配り
東京駅の丸の内や新橋のSL広場など、投資用不動産の見込み客になるビジネスマンが多くいるエリアの街頭に立ち、通行人にひたすら名刺交換を申し込んでいきます。忙しいビジネスマンに対してやみくもに声をかけたとしても、なかなか立ち止まってくれません。野外の喫煙所でタバコを吸っている人を狙って声をかけたり、クリニックや歯医者などに飛び込んで院長先生と名刺交換をお願いしたり、様々な工夫を凝らします。
では、テレアポや名刺配りによってどれほどの成果が得られるのでしょうか。現実をお伝えしますが、電話を即切られたり、冷たくあしらわれたりするのはマシな方で、「二度と電話をかけてくるな」と怒鳴られたり声かけを無視されることがほとんどです。
ですが、テレアポや名刺配りを根気強く継続することで成約が生まれることもあります。全く無意味な業務ではないのです。これらのトレーニングを通じて新人営業マンは、全く知らない人にアプローチしていく度胸を身につけます。同時に、自分がどのような人たちに物件を販売することになるのか、いかに営業が難しいことなのかを肌で感じることになるのです。
最初の試練で新人の半分が脱落する理由
テレアポや名刺配りの試練を乗り越えられる新人営業マンの割合はどれくらいだと思われますか。
答えは、半分程度。不動産投資塾新聞社の取材によれば、投資用不動産の新人営業マンは「三ヶ月で半分消える」のが当たり前だといいます。ある営業マンによると、20人の同期と一緒に業界に入ったものの、5年後に投資用不動産業界を続けていた人間は誰もいなかったそうです。
なぜ、こんなにも人がいなくなるのか? 理由は大きく分けて2つあります。
想像以上に結果が出ない
テレアポの成功率は低く、1日300件の電話をしてアポが1件取れればまだいい方です。やっと取れたアポに先輩と一緒に臨んでみたら全然ニーズがなかったりすることもしょっちゅう起こります。そう簡単に売ることはできないのです。新人の修行時代に自分のアポから成約が決まることなどは超レアなケースですが、多くの新人は自分の能力が低いからだと自信をなくし、挫折してしまいます。
上司からの厳しい詰めを受ける
投資用不動産の営業の世界では、数字が全てです。成果の出ない営業マンを厳しく叱責をし、数字を詰めるのが今でも当たり前です。もちろん会社によって体質に差はありますが、「優しい会社は存在しない」と言って差し支えありません。
取材した不動産オーナーの話によると、物件購入の契約をするために不動産会社の営業マンを自宅に招いたところ、自宅の駐車場で、数字の出ない営業マンを土下座させて上司が怒鳴りつけるという光景を目の当たりにしたそうです。
コンプライアンスや働き方改革という言葉と無縁の会社に耐えきれず、社宅から夜逃げしてしまうことも……。想像以上に厳しい投資用不動産営業の世界。最初の試練を突破するだけでも相当な根性が求められるのは間違い無いと言えるでしょう。
厳しい下積みを乗り越えれば大きなリターンが得られる
厳しい部分ばかりをご紹介してきましたが、投資用不動産業界ならではとも言える魅力が当然あります。わかりやすいのは給与面。成果を出せば出すほど給料はうなぎ上りです。若くして年収1,000万円を超える人も多くいます。
上司や同僚との人間関係は新人研修時代を乗り越えていく過程で次第に良くなっていくものです。多くの不動産業経営者への取材では、「テレアポや名刺配りは諦めずにやり続けた営業マンのほとんどが成果を出している」と答えておりました。
これから投資用不動産業界で働く新人営業マンは、厳しい下積みの時期を乗り越えた先のことをイメージし、一歩ずつ前進していきましょう!
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。