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加藤隆が実際に体験した不動産投資の罠

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リスク分散がポイント?メリット・デメリットを押さえた物件選定法

目次

今回は、私の物件選定の方法について触れたいと思います。不動産物件については、さまざまなタイプがありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。基本的には、ご自身や家族のポリシー、年齢や職業、収支状況や財務内容などに応じて選定するとよいと思います。ちなみに私の場合は、低リスクのものから入り、慣れてきたら序々にリスクも取りつつ、さまざまな手法を組み合わせて、リスク分散を図る方法を取りました。

例えば、首都圏から地方、区分所有マンションから一棟物(アパート・マンション・戸建て)、単身者用からファミリー用、新築から築浅・中古まで、さまざまな物件を選びました。

資金調達の観点からも同様で、固定金利と変動金利、元利均等払いと元金均等払い、自己資金多めから少な目、フルローンとオーバーローン、団体信用生命保険(団信)のありかなしなど、あらゆる方法を活用しています。

勉強やスキル形成に時間がかかるかもしれませんが、ある意味、楽しくもあり、結果的にリスク分散が図れるのです。今回は、それぞれの手法のメリット・デメリットを整理し、それぞれ比較しながら特徴を見ていきたいと思います。

エリアについて(首都圏VS地方)

まずは、「首都圏VS地方」についてお話しします。首都圏は、人口や世帯が増えていること、若い生産年齢人口が多いこと、交通網が整備されていることがメリットになります。

また、資産価値があって減価しない土地の比率が高いこと、自身が首都圏に住んでいる場合は物件までの距離が近いこと、今後、東京オリンピック(2020年)が開催されることや、リニアモーターカー(品川~名古屋~大阪)が新設されること、山手線新駅(泉岳寺)が新設されるなど、多くのメリットがあります。

一方、地方については、首都圏以外の各地方に所有することで自然災害や景気などのリスク分散が図れること、割安で利回り(家賃÷物件価格)が出やすく、イールドギャップ(運用の利回り-調達金利)やキャッシュフロー(手残り現預金=受取現預金-支払現預金)が出やすいことがメリットとして挙げられます。

さらに、積算評価が出やすく融資割合が高く取りやすいこと、減価償却費計上対象である建物の比率が高いため、早期節税したい場合には活用しやすいこと、物件視察・建物賃貸管理を兼ねて旅行することで経費計上もしやすいこと、といったメリットもあります。

私の考えですと、最初は首都圏から買うようにして、その後、地方も組み合わせて、リスクを分散させる方法がいいのでは、と思います。

私の場合は、地方といっても、ほとんどが大都市や政令指定都市、新幹線などのメイン駅、もしくはターミナル駅から徒歩圏といった、一等地に絞っています。博多駅や札幌駅、名古屋駅、京都駅、千葉駅のそばになります。いわば「首都圏の僻地(バス便などの陸の孤島)より地方の大都市」といった考え方なのです。

地方の中では、現在も人口・世帯が増えているエリアもあります。今後、名古屋や大阪などのリニアモーターカーの開通によって、さらに便利になるエリアもあります。

区分所有マンションVS一棟物(アパート・マンション・戸建て)

続いて、「区分所有マンションVS一棟物(アパート・マンション・戸建て)」について解説しましょう。区分所有マンションは、一般的に好立地な場合が多いこと、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造りが多いため、頑丈で火災にも強く、耐用年数が長いことがメリットです。これについては、長期間融資が引きやすく、キャッシュフローが出やすくなることにつながります。

また、治安や眺望の面から不人気である1階を避けることができます。加えて、一棟よりも金額が少ないため買いやすく、複数購入することでリスク分散が図りやすいこと、さらに管理組合があり、建物管理を業務委託しやすいという利点もあります。さらに管理組合による修繕積立金制度があり、不意の出費は発生しにくいこと、などのメリットも考えられます。

一方、一棟物(アパート・マンション・戸建て)は、専用となる土地が多いこと、資産価値が高く融資受けもしやすいこと、区分所有するよりも割安であること、建物賃貸管理がしやすいこと、専用であるため大規模修理や建て直しがしやすいこと、といったメリットがあります。

戸建てについては、比較的低価格で購入しやすいこと、入居者が限られているため自己所有の感覚で清掃・修理をしてくれやすいこと、退去・建て直し・更地化して売却しやすい、といった追加メリットもあります。

単身者用VSファミリー用

続いて、「単身者用VSファミリー用」です。単身者用については、晩婚化や非婚化、熟年離婚、核家族化などもあって単身者が増加していること、一部屋の面積が狭いため、柱・壁も多く地震・火災・建物倒壊に対して強いこと、建築コストに対して家賃が高く利回りがいいことなどのメリットがあります。

ファミリー用については、長期安定的に入居してもらいやすいこと、頻繁なリフォーム費用が発生しにくいことなどが挙げられます。

鉄骨/鉄筋コンクリート造りVS鉄骨造り/木造

鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造り・鉄筋コンクリート(RC)造りについては、通常は、区分所有マンションに多いです。鉄骨(S)造り・木造については、通常は、一棟物(アパート・戸建て)に多く見られます。

鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造り・鉄筋コンクリート(RC)造りについては、丈夫で地震火災などの災害に強いこと、耐用年数や融資期間も長くキャッシュフローが取りやすいこと、建物の比率が高く、減価償却対象が取りやすいことなどのメリットがあります。

一方、鉄骨(S)造り・木造については、建築のコストが安いこと、耐用年数と融資期間が短く、早期に減価償却費計上節税がしやすいこと、資産価値の高い土地の比率が高いことなどのメリットがあります。

長期安定運用に主眼をおけば鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造り・鉄筋コンクリート(RC)造りですが、一方で、早期節税メリットを享受したければ、鉄骨(S)造り・木造と、それぞれに特長があります。

新築VS中古

新築については、文字通り、物理的にも技術的・設備的にも新しいこと、修理費が当分は出にくいこと、耐用年数・融資期間が長くキャッシュフローが出やすいこと、建築段階からチェックしやすいこと、「新築プレミアム」があり、高めの家賃設定が可能なこと、といったメリットがあります。

中古については、新築の場合における不動産業者の広告宣伝費・販売利益(2~3割)が乗っていないので、割安価格で購入が可能であること、物件・入居実績などが見られること、資産価値の高い土地の比率が高いこと、新築プレミアムがない分、家賃はそれ以上下落しにくいこと、残存耐用年数が短いので、早期減価償却費計上・節税が図れること、などのメリットがあります。

特に、築浅については、比較的新しい割には割安価格で購入可能です。また、築10年以内であれば、しばらくは大規模修理費が発生しにくいです。

居住用VS事務所用・商業用

どんな不景気であっても、人は住むところは必要なので、居住用は家賃や入居状況が安定している、といったメリットがあります。

一方、事務所用・商業用は、比較的好立地のエリアが多いこと、家賃が高く利回りがいいこと、などのメリットがあります。

総じて言えば、居住用の方が安定しているため無難だと思います。逆に、僻地のリゾート地や民泊・ホテルは、不安定でリスクが高いと思います。

ちなみに、小口分譲は、小規模かつ低額で購入可能ですが、共有のもので、区分所有マンション以上に意思統一が図りにくく、運営会社に依存していますので、避けた方がいいかと思います。

結論

いずれにせよ、不動産経営にはいろんなやり方があり、それぞれ一長一短があると思います。

私のように、リスクの低いやり方から始めて、慣れてきたら徐々にリスクも取りつつ、やがては、リスク分散していくという手法もおもしろいのではないかと思っています。

著者紹介

加藤 隆
加藤 隆

サラリーマンのままで、経済的・時間的・精神的自由を目標に、預貯金・外国為替・貴金属・株等の資産運用を経て、不動産経営歴31年。数々の失敗・バブル崩壊を生き抜き、リスク分散をモットーに、東京・博多・札幌・名古屋・京都・小樽・千葉に、区分所有マンション・一棟物アパート・一棟物マンション・戸建等、物件108戸を運営。総資産7億円・借入5億円・自己資本2億円、年間家賃収入4,100百万円・借入金返済3,100万円・キャッシュフロー1,600万円。節税で、所得税・住民税ゼロ。

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