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加藤隆が実際に体験した不動産投資の罠

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管理費・修繕積立金の存在に気付かずに賃貸借契約書を締結した話

目次

区分所有マンションでは通常、管理組合があり、家賃・共益費とは別に管理費・修繕積立金を取られます。札幌では、入居者から、家賃・共益費として上乗せして入金してもらう場合もあれば、家賃とは別に、実費として、管理費・修繕積立金を直接管理組合に払ってもらうやり方もあります。

後者のやり方のメリットとしては、実費である管理費・修繕積立金の値上げを入居者に転嫁しやすい面があることです。

デメリットとしては、入居者が管理費・修繕積立金を滞納した場合、所有者を把握しにくいということです。

滞納すると、所有者に責任が回ってくる可能性が高いです。私の場合にも、かつて家賃滞納や部屋の損壊後の夜逃げをされたことがありますが、損壊した部屋の修理代金や滞納した家賃のみならず、水道光熱費(数年分数万円)まで長期間滞納されたものが、所有者である私の責任ということで払わされたことがありました。

何でも、管理組合規約によれば、入居者が支払わなかった場合には所有者に支払義務があるようになっているとのことでした。

管理費・修繕積立金の存在に気付かず貸借契約書締結

さて、管理費・修繕積立金に関しては、私もトラブル経験があります。それは、札幌のある区分所有マンションでのことでした。その物件は中古で、オーナーチェンジ時に購入したのですが、当時の入居者は退去し、次の入居者が決まり、新たにその方と賃貸借契約を締結しました。

ところが、その後になって、とんでもないことが発覚したのです。

購入した時の入居者については、管理費・修繕積立金を家賃・共益費で入金してもらい、その後に私の口座から管理組合に引き落としてもらっていたのですが、実はその金額は一部に過ぎず、入居者は別途、管理組合に管理費・修繕積立金の大部分を直接支払っていたのでした。

何故、こういう複雑なことになっていたのかは不明ですが、管理費・修繕積立金の値上げや、所有者と入居者の負担分担交渉などがあって、このようになっていたのかもしれません。

私は、こういった可能性もあろうかと、賃貸管理会社には契約について事前に何度も確認していましたが、実際は賃貸管理会社も把握しておらず大丈夫と言っていたのでした……。

いずれにせよ、新しい入居者とは、既に、共益費込みの家賃で賃貸借契約を締結しており、どうすることもできません。結局、このまま進めるしかありませんでした。

つまり、前入居者が直接管理組合に支払っていた管理費・修繕積立金の大部分(月1万円程度)は、私が被る形となってしまいました。月1万円程度とはいえ、大不況の札幌においては、手取り家賃が1万円レベルの世界ですから、それこそ、採算割れ寸前の死活問題なのです。さすがに賃貸管理会社は多少の責任を感じたのでしょう、当該物件については、賃貸管理手数料(月2,160円)を免除してくれることとなりました。

土地収用なのに、固定資産税、都市計画税が加算された!

以前、新宿の区分所有マンションにおいて、土地の持ち分(3平方メートル)の一部(1平方メートル)が、東京都の道路計画により、土地収用(1,250万円)されました。

ちなみに、土地収用の場合、5,000万円までは非課税です。ですので、この1,250万円は非課税で手に入るはずです。この点も、最初、税務署に確認したところ、窓口の方はこの制度をご存じありませんでしたので、税法の手引きのコピーを渡して、理解して頂きました。

ところが、固定資産税・都市計画税が、以前より、増額で来たのです!!(私は、表計算ソフトで財務管理しており、入力すれば、前年比が自動計算で出てくる仕組みにしていますので、異常値が分かりやすくなっています)。すぐに都税事務所に連絡したところ、所有土地減少分をマイナスの値として入力すべきところを間違えて、プラスの値を入力してしまったとのことでした。そのせいで、1,250万円プラスになって、土地の資産価値が5,000万円を超えてしまっていたのです。私は、すぐに修正してもらうとともに、他の方にも同様の間違いが起きていないか、再確認をお願いしておきました。

税務署と地方自治体の不連携で住民税増税!?

不動産経営においては、減価償却費やその他経費により、不動産所得を赤字にすることも可能です。

その場合、不動産所得のマイナスを、給与所得のプラスと合体させることにより、トータルの所得を軽減させることが可能です。いわゆる損益通算ですね。所得税を圧縮させれば、翌年の住民税も圧縮できます。更には、各種手当、保育園料、奨学金等も、所得税に連動していますので、手当を受けやすくなったり料金が割引されるなど、所得税圧縮のメリットは大きいです。

このメリットを享受するには、特別の手続きは不要です。税務署と地方自治体(市区町村)は情報連動しているので、所得税の確定申告さえすればOKです。ところが、人間のやることですから、時折、情報連動漏れが起こります。

私の場合、減価償却費・その他経費も大きく、所得税はほとんど還付、住民税も多くの場合非課税なのですが、減額のないまま通常通り通知されたことが2回ありました。

幸い、「確定申告書」送付の際、税務署の受領印を押捺してもらった「控」を残していましたので、それを再送付して、確認してもらい、修正してもらいました。ところが、落ち度は向こう側なのですが、住民税などの減額を受けるには各所に私から連絡して修正してもらって欲しいとのことで、それぞれの窓口を訪れて都度事情を説明しなければならず、大変でした。

ちなみに確定申告は、2月16日から3月15日までと言われていますが、所得税還付の場合には、1月1日から送付可能ですので、早めにスタートしたほうがなにかの時に期日までに対応できるようになります。

そして、「正」の他に、「控」・「返信用封筒(郵便切手貼付)」も送付します。「控」に受領印を押捺の上、返送してもらうのです。そうすることで、不測の事態にも対応できますので、必ず「控」を作成しておいたほうがいいでしょう。

また念の為、住民税、各種手当、保育園料、奨学金等にも、きちんと連動しているか、確認することです。

昨今でいえば、住民税額は、高校就学助成金などにも影響してきますので、注意が必要です。それにしても、税務署や市区町村は、税金払い漏れ・不足の時は、すぐに言ってきますが、過怠税・延滞利息(サラ金並みの金利)まで取りますが、税金過払いの時は、向こうからは、何も言ってきませんし、利息も付けてはくれません。それどころか、修正手続きをこちらにさせようとします。
「脱税」は違法ですが、「節税」は権利です。課税制度(固定資産税・都市計画税等)ではなく、自己申告制度(所得税の確定申告等)の場合には、「節税」の利益はきちんと享受すべきです。

税務署員のミスに対応するために会計・税務の知識を身につけましょう

とはいえ、税務署員も人間です。知らないこともあれば、ミスもあります。他にも、以下のようなことを聞かれたこともありました。

売買なのに、「贈与税は?」
小規模・赤字なのに、「事業税・事業所税は?」
消費税課税事業者ではないのに、「消費税は?」
借入金支払利息明細添付別紙2枚目を見落とし、「合計が合わないけど?」
「[0]の場合は、[ブランク]ではなく、[0]と記入して?」

こういった相手のミスや勘違いに対応するためにも、自分自身でも、ある程度、会計・税務のノウハウも身に付け、重要な論点(土地・建物の割合、事務所・居住部分の割合等)は理論武装しておき、その他、細かい点も含め、きちんと確認しておくことが重要です。

著者紹介

加藤 隆
加藤 隆

サラリーマンのままで、経済的・時間的・精神的自由を目標に、預貯金・外国為替・貴金属・株等の資産運用を経て、不動産経営歴31年。数々の失敗・バブル崩壊を生き抜き、リスク分散をモットーに、東京・博多・札幌・名古屋・京都・小樽・千葉に、区分所有マンション・一棟物アパート・一棟物マンション・戸建等、物件108戸を運営。総資産7億円・借入金5億円・自己資本2億円、年間家賃収入47百万円・借入金返済31百万円・キャッシュフロー16百万円。節税で、所得税・住民税ゼロ。

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