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星野陽子の金持ち母さん投資術

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高まる水災リスク対策の7つのポイント

目次

今年(2018年現在)、西日本では豪雨による川の氾濫や土砂崩れなどでたくさんの方々が亡くなったり被災されたりしました。亡くなった方のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災した方々に心よりお見舞い申し上げます。

驚いたことに、同規模の豪雨が東京であった場合には死者が最大で7400人になるという試算がありました(AERA dot.「豪雨が東京直撃だったら「死者7400人、被害総額64兆円」と専門家が試算」)。東京に大きな水災が長年起こっていないのは、台風の直撃があまりない場所であるのと、雨水貯留施設などのインフラが整ってきたからだと私は思っていたのですが、「たまたま自然災害に遭っていないだけ」というのが専門家の一致した見方だそうです。自然災害は東京都に住む私にとっても他人事ではありません。

自然災害といえば、今までは地震が真っ先に思い浮かんだのですが、近年は、大雨による河川の洪水や土砂崩れなどの水災がとても気になっています。水災の原因としては、気候変動や温暖化による異常気象なのかもしれないのですが、本当の理由はまだほとんどわかっていないのが実状とのことです。今年は局地的豪雨が去年よりも多くなるという予測もあります。私の所有物件でも、近年の大雨で横殴りの雨が降っているときに、雨漏りが起きているので、とても心配です。

今年の台風12号は、東から西、西から南へと進む異例の進路をとっていました。今まで起こっていないところでも水災へのリスク対策を考えるべきかと思います。まずは、自分が住む場所はもちろん、入居者に住んでもらう場所も水災リスクがあるのかどうか知っておくこと(1.水災リスクの確認)が何より大事だと思います。また、どんな対応策があるのかを考えてみること(2.水災リスクへの対応策)も重要です。それらのことを7つのポイントにまとめましたので、ご紹介したいと思います。

水災リスクの可能性を確認する4つのポイント

過去に都市型水災があったかを確認

2014年に私が購入した物件は東京都中野区にあります。物件を検討していたときに、「中野区では以前、床上浸水があったはず……」と思い調べたところ、2005年に中野区を含む東京都23区西部を中心に局所的豪雨があり、川が氾濫し、床上浸水や護岸崩落が発生していました。また河川の水位が上昇したことにより雨水排水機能が低下したため、内水(堤防の内側の土地にたまった雨水や流水。河川の水が外水)が氾濫しました。典型的な都市型水災と言われています。

ハザードマップで災害時の浸水予想区域を確認

物件を検討していたときには、川から物件までの距離が100メートル程度とあまり離れていないのが気になりました。物件は川の標高よりは高いところにあるので大丈夫だろうと思ったのですが、「中野区洪水ハザードマップ」で浸水予想区域内でないことを確認しました。(もし物件が浸水予想区域内であったとしても、半地下の部屋がなかったり、基礎が高かかったりすれば、検討を進めたかと思います。)

国土交通省のハザードマップポータルサイトでは、身のまわりの災害リスクを調べることができます。

不動産総合データベース

今後は、近い将来、国土交通省によって本格運用される予定の「不動産総合データベース」に災害に関する情報も含まれるようです。国土交通省のホームページには次のように書いてあります。「不動産総合データベースは、各所に分散している不動産取引に必要な情報(過去の取引履歴、周辺環境に関する情報等)を集約し、一覧性をもって提供するシステムです。今回試行運用する不動産総合データベースの利用者は宅地建物取引業者を想定しています。レインズシステムと連携し、不動産総合データベースから取得した情報を、宅地建物取引業者から消費者に対して提供します」。災害だけでなく、情報を一覧となって見ることができるので、不動産取引の透明性が高まりそうです。

自治体が指定する土砂災害警戒区域

自治体も土砂災害の恐れのある地域を指定するなどの取り組みをしています。私は最近、軽井沢に家族と行き、別荘をいくつか見ました。私は昔から軽井沢が好きで、子どもたちが小さかった頃には、移住を真剣に検討したほどです。軽井沢には犬も連れて何度か滞在していますが、犬が一緒だと泊まる場所が限られていたり、宿泊料が高かったりするので、今回は安い別荘を購入しようかと思ったのです。すると販売図面に「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」とか「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」という表示がある物件を見つけました。

調べてみると平成27年3月30日付けで長野県知事によりそれらの区域が指定されているとのこと。指定の目的は危険の周知、警戒避難体制の整備などのソフト対策の推進を図っていくことです。その区域に指定されている物件は価格が低いものが多かったため、不動産会社に聞いたところ、人気のない別荘地であるとか、物件が古いという主だった理由があるのですが、イエローゾーンやレッドゾーンの指定も価格が低い一因だとのことです。

山の中の傾斜地が災害の恐れがあるというのはわかりやすいのですが、一見何の問題もなさそうな、災害の可能性がわかりにくいのに災害が起こりやすいとされる場所が都市部でもあります。相場より安い土地があったので興味をもって理由を聞いてみたら、窪地になっていて川を埋めたところの土地に隣接しているとのことでした。今後、不動産を買うときには、川や海の近くでなくても、ハザードマップなどで水災の可能性についてもしっかり調べたいと思います。

水災リスクに備えるための3つのポイント

火災保険に入る

保険会社の現在の火災保険には水災補償が付いています。水災補償は火災保険から外すことができます。私が契約している保険では、「浸水条件有型実損払方式」(保険の対象に水災による損害が生じた場合、例えば建物に保険価額の30%以上の損害が生じた場合、または地盤面より45㎝を超える浸水を被った結果、損害が生じた場合などの条件により保険金が支払われるタイプ)か「浸水条件無型実損払方式」(保険の対象に水災による損害が生じた場合に条件なしで保険金が支払われるタイプ)を選ぶことができ、「水災縮小支払特約」(縮小割合70%、50%、30%、5%)をセットして保険金を縮小することもできます。中野区以外の私の物件に関しては、水災による損害の可能性が低いのではないかと考え、水災縮小支払特約をつけて、支払う保険料を少し抑えています。

火災保険は保険会社で様々なタイプを用意していますので、比較してみるとよいでしょう。

比較する際に、私は保険会社の格付けも気にしました。1997年~2000年には保険会社がいくつか破綻したからです。今では私も破綻のことを忘れかけて保険のタイプばかりに目がいきますが、会社が健全かどうかも気にしておいた方がいいと思います。

災害への備え―入居者のためにすること

一番大切なのは、投資家としてというよりは、人として自分や家族だけでなく入居者など他の人たちの命を守ることではないでしょうか。

首相官邸のHPの「防災の手引き~いろんな災害を知って備えよう~」というページはとても充実していて、災害ごとの情報やどのように行動したらよいのかが書かれています。よかったらご参考になさってください。

※首相官邸のHPの「防災の手引き~いろんな災害を知って備えよう~」
https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/index.html

毎年台風シーズンの前に入居者に連絡していることがあります。以前、あるお部屋の屋上にあるバルコニーの排水口をゴミが塞いでしまい、大雨が降ったときに、バルコニーがプールのような状態になってしまい、階下に雨水が漏れたということがありました。以来、「ベランダやバルコニーの排水口がゴミなどで覆われないよう、ゴミを取り除いておいてください」というお願いの文書を掲示板に貼ったりしています。今年からは避難先や災害への備えも書いておこうと思います。

私は民泊もやっているので、今後は避難について日本語だけでなく外国語で書かれたものを用意しようと思います。自治体のホームページに「台風・集中豪雨が発生したら」というページがあり、英語、中国語、韓国語で書かれているので、プリントアウトしてファイルに入れるだけの簡単なものですが、何もないより宿泊客にとっての助けになると思います。ペットボトルの水、懐中電灯、カセットコンロ、食料などは地震対策も兼ねてすでに用意してありますので、避難情報を備えておきたいところです。

災害への備え―大家個人として気をつけておくべきこと

避難勧告や避難指示に従う一方、臨機応変に動けるようにしたいと思います。具体的には、常日頃から、リスクの情報を収集し、想定外のリスクについて考えるようにしたいです。

私の家族は現在、海外に住んでいて、私は日本で一人暮らしなので、災害が発生し、被災した時のことを考えると非常に不安になってしまいます。かつて東日本大震災のときには、パニックになって「わ! どうしたらいい?? そうだ、食器棚が倒れないように押さえなくては!」と食器棚の方に向かって、高校生だった息子に「何やってるの!」と止められました。災害が起こったら何をするかわかりません(笑)。対策としては近所の方々にあいさつをしたり、町内会に入ったりして存在を知ってもらっています。

自然災害はこわいものですが、できる準備はしておき、いざというときには助け合いたいですね。

著者紹介

星野 陽子
星野 陽子

不動産投資家。著者。特許翻訳者。
東京都出身。外資系メーカー、シティバンク勤務を経て、イスラエル国籍のユダヤ人と結婚。子ども二人に恵まれるも離婚。在宅で翻訳の仕事をフリーランスとしてしながら、シングルマザーとして子ども達を育てた。東欧からの移民の子で、14歳から働き、資産ゼロから財産を築いたユダヤ人の義父からは不動産投資を学び、投資物件(6億円)などの資産を築いた。著書に『ユダヤ人と結婚して20年後にわかった金銀銅の法則50』『ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣』『貧困OLから資産6億をつかんだ金持ち母さんの方法』がある。オンラインサロン「マネサロ」主宰。 オフィシャルブログも定期更新中。

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