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加藤隆が実際に体験した不動産投資の罠

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所有物件がゴミ屋敷になった場合に大家が行うべき対処法と対策

目次

ニュース番組などでよく取り上げられる“ゴミ屋敷”。自分が貸し出している部屋が借主によってゴミ屋敷となってしまう可能性もあります。今回は、ゴミ屋敷の実情と、大家として物件を守るための対処法についてお伝えします。

そもそも我が家がゴミ屋敷だった⁉

実は何を隠そう、我が家もゴミ屋敷。義父母、妻、長男、次男、三男と私の7人3世代で暮らしています。木造2階建て(40坪)で、1階は、事務所、和室、LDK、2階は5室あります。ところが義父母が現在働いておらず一日中暇なせいか、1階のLDKを占拠。衣服・食料・雑貨等、私物をいたるところに積み重ねます。下の方に埋もれたものはその存在を忘れ、また新しいものを買ってきて積み上げます。私物の山はどんどんと高くなっていきました。6人座れるはずのテーブル・椅子も義父母の私物で埋まり、半分のスペースしか使えません。

ある日、義母がル●バ(円盤型ロボット掃除機)を貰ってきたのですが、私物が散乱している床はほとんど見えない状態です。ル●バは動くことができず、同じところをぐるぐると回っていて機能しませんでした。

また、電話工事確認のため、工事関係者の方がLDKに来られた時のこと。そこでは、ゴミに埋もれた部屋で義母と妻がラーメンをすすっていました。工事関係者の方は、その光景を目の当たりにして、しばらく絶句しておられたものです。当初は妻が片づけていたのですが、義父母のだらしない性格は直らないため、今はあきらめています。

不自然死・首吊り自殺・練炭自殺・孤独死後のゴミ屋敷

自分の家がゴミ屋敷であることは、まあ自分が我慢すればいい話です。もちろん、隣近所に迷惑がかかる(ゴミが敷地からあふれたり、異臭を放つなど)ことがない範囲であれば、です。しかし、自分が所有している投資用物件でゴミ屋敷の部屋が現れると、困ることになります。

私は長く大家をしているなかで、「不自然死」「首吊り自殺」「練炭自殺」「病院での孤独死」等に遭遇してきました。大家として、遺体の引き取りや葬式、死亡届等、役所の手続きなどに関わらなければならないケースがあります。そしてこのように居住者が亡くなった場合の多くでは、残置物の撤去が重要な課題となってきます。こうした部屋がきれいに整理された状態であることはまれです。私物が大量に残されたゴミ屋敷に遭遇することも少なくありません。

そうなった場合、残置物は必要な物なのかゴミなのか区別がつきませんので、勝手に撤去するわけにはいきません。まず連帯保証人や相続人、家族、身寄りに連絡をして引き取ってもらえれば良いのですが、連絡がつかない場合は6ケ月程度保管し、法的手続きを取るしかないのが困りものです。

定期的な現地訪問は有効

長期間契約更新している借主の場合、現地にしばらく訪問していないうちにゴミ屋敷となっていることがあります。そういう借主の方に限って、訪問を拒否して部屋に入れたがらなかったりするので、発見が遅れてしまいます。

大家として多くの物件を管理していると、それぞれに足を運ぶことは難しいです。しかし、清掃や各種設備の定期点検などの機会に、のぞいてみることをお勧めします。もちろん、第一の目的は借主の安否確認ですが、ひどいゴミ屋敷だと、窓越しに積み重なったゴミが見えたり、異臭を発していることに気がついたりもします。ゴミ屋敷になっていることに気づけば、何らかの対応をとることもできるでしょう。そのような状態を放置したために、周囲の部屋が長期間空室に、などとならないように注意したいところです。

大量に残されたゴミはゴミ屋敷対応業者を利用する

ゴミ屋敷問題を解決するためには、借主を退去させるのも一つの手段でしょう。しかし仮にゴミ屋敷の借主を退去させたとしても、大量のゴミは残るでしょう。この処理も大変です。

ゴミ屋敷問題が広く知られるようになった昨今、「ゴミ屋敷対応業者」というのも現れました。複数人のメンバーで、手際よく清掃をおこなってくれます。家の広さとゴミの量にもよりますが、一般的な相場としては3~5万円程度で対応してくれます。過去に、天井近くまでゴミが積もっていたひどいゴミ屋敷がありました。そのときには、軽トラック2台がいっぱいになるほどゴミが搬出されたそうなので、そういったケースは更に費用が高くなっているでしょう。

業者のおかげで片付け自体は楽になりましたが、大家の立場としては、借主本人の同意と立会いがなければ、ゴミなのか保管が必要なものかも判断ができません。業者にお願いする場合も、本人(もしくは保証人)に確認をしながら、撤去作業を進めていく必要があります。
一見すべてがゴミに見えたとしても中には、紙幣・小銭や、高価なお宝が出てくることもあるようなので、確認は大事ですね。

ゴミをすべて片づけたあとに、傷んだ壁や床などを原状回復する必要があります。この費用が敷金で間に合えばいいのですが、場合によっては足りずに貸主の持ち出しになることもあります。そうならないように保証人に話をつけておくなど、用心して片づけを進めましょう。

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著者紹介

加藤 隆
加藤 隆

サラリーマンのままで、経済的・時間的・精神的自由を目標に、預貯金・外国為替・貴金属・株等の資産運用を経て、不動産経営歴31年。数々の失敗・バブル崩壊を生き抜き、リスク分散をモットーに、東京・博多・札幌・名古屋・京都・小樽・千葉に、区分所有マンション・一棟物アパート・一棟物マンション・戸建等、物件108戸を運営。総資産7億円・借入5億円・自己資本2億円、年間家賃収入4,100百万円・借入金返済3,100万円・キャッシュフロー1,600万円。節税で、所得税・住民税ゼロ。

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