不動産投資の最新動向
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2021年11月30日(火)
不動産投資に勉強は必要なし? 初心者がハマりがちな失敗例
「不労所得=他人まかせで構わない」――こう考えて不動産投資をはじめる人が後を絶ちません。
しかし、この考えは失敗の元です。最初から他人まかせを前提に勉強を怠ると、知識不足ゆえに業者に付け入れられたり、思わぬ出費を強いられたりします。
だからといってプロ並みの知識を習得するのは、普段多忙なみなさまには非常にハードルが高いはず。
初心者の失敗の例と勉強してほしい3つのポイントを紹介します。
知識不足の初心者に多い失敗事例
まず、知識不足の初心者にありがちな失敗事例を紹介しましょう。
事例①「盲目的に業者を信じて割高物件を購入」
Aさんは、上場企業に勤める40代の男性。同期の多くが肩たたきに遭いリストラされていくのを目の当たりにし、「明日は我が身」と自身の老後資金が心配になってきました。
そこで検討しはじめたのが不動産投資。とはいえ、毎日激務に追われるAさんは、インターネットで資料を取り寄せるだけで具体的な行動には移していませんでした。
そしてある日、Aさんの携帯電話に不動産投資会社から電話がかかってきました。
担当者は開口一番「ちょうど今日、お宝物件が出たのでご紹介します!」と興味深いことを言います。
くわしく聞くとそれは23区内にある中古アパートで、現在満室稼働中だそうです。「それなら赤字になる可能性は低い」。
Aさんはそう考えてその場で即決してしまいました。ところが2か月後、空室が1つ出ました。
これでキャッシュフローはプラスマイナスゼロに。そして3か月後、また一つ空室が出ました。これで赤字が確定しました。
Aさんは慌ててはじめて物件を見に行きました。すると、周りは似たようなアパートだらけ。
その中の売り物件を調べたところ、Aさんが買った値段よりも圧倒的に安値でした。
要するにAさんは、割高で競合の多い物件を買っていたのです。
現在のAさんは、家賃を下げることで満室経営を続けていますが、キャッシュフローはぎりぎりの状態。
そのため、老後の心配がより大きくなったと嘆いています。
事例②「高利回り物件に飛びついて修繕地獄にハマる」
Bさんは、20代後半の男性公務員。日頃から預金をするのが苦手で、ほとんど蓄えがありませんでした。
そのことに不安を持ったBさんが目を付けたのが、地方の格安物件への投資。
不動産投資サイトで、利回り15%の築古一戸建てを見つけたのです。
Bさんは属性の高い公務員ということでフルローンで購入することができました。
毎月のキャッシュフローはプラス3万円。Bさんは、このすべてを預金しようと考えていました。
ところが、運営を開始して半年後に雨漏りが発生。修繕をするには外壁を塗り直す必要があり、一気に数十万円が飛んでいきました。
その後も雨どいが落下する、エアコンが壊れるといった不具合が、ほぼ隔月で発生しています。
物件を購入して2年経ったBさんの預金は、相変わらずゼロ。投資物件を所有していると気苦労が絶えないので、Bさんは売却を検討しています。
不動産投資をはじめる前に勉強しておきたい3つのこと
不動産投資の初心者で失敗する人には、おもに2つの共通点があります。
それは「知識不足」と「計画性がない」ということです。
この2つをカバーするには、最低限下記の3つを勉強しておくことをお勧めします。
1.不動産投資が収益を生む仕組みを知る
インカムゲインとキャピタルゲインの違い、ローン利用によるレバレッジ効果など不動産投資ならではの利益を生む仕組みを知っておきましょう。
2.不動産投資のリスクを知る
不動産投資のおもなリスクには、「空室」「金利の上昇」「災害」「家賃の滞納」「修繕」などがあります。
これらの内容と対策を知らずに「不動産投資は低リスク」と考えるのは失敗の元です。
3.中古物件と新築物件のメリット・デメリット
ありがちなのが「中古物件は高利回り」「新築物件は入居者募集に困らない」といったステレオタイプの知識で物件を選んでしまうことです。
中古物件にも新築物件にもそれぞれメリットとデメリットがあります。それらをよく理解した上で自分に合ったものを選ぶようにしましょう。
自分の知識が合っているかどうかを生の声で確認する
多くの人は、不動産投資の勉強をウェブサイトや書籍によってするはずです。
しかし、それらの情報が間違っていることもあり得ます。
そのため、ある程度勉強したら成功者の話を聞きに行きましょう。
たとえば各地で開催している不動産投資セミナーでは、セミナー講師だけでなく、一緒に参加している経験者からも話を聞くチャンスがあるはずです。
積極的に情報を掴んで、不動産投資に負けない知識をつけましょう。
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。