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アフターコロナは不動産価格より人の価値観の変化に目を向けよう

目次

コロナショックが始まったばかりの頃に盛んに言われていたのは不動産価格の下落でしたが、今のところ不動産価格が暴落する目立った兆候は出ていません。

しかし、劇的に変わったものがあります。住まいに関する人々の価値観です。今後の不動産市場の変化を占う、住まいに関する価値観の変化について分析します。

職住近接への志向は消極的に

ここ数年、「都心志向」は住まいに関する大きなトレンドでした。

家を買ったり借りたりする人はこぞって、東京23区内のマンションに住みたがりました。それに応えて物件の供給も急増しています。

職住近接の住まいを多くの人が求めていたのです。

しかし、コロナショックを機にトレンドが変わってきています。

大手中小問わず、半ば強制的にテレワークが導入されました。これまでテレワークに積極的ではなかった経営者も、テレワーク継続を検討するようになっています。

そこで問題になったのは、とにかく家が狭いこと。

今までは外で仕事をしていて、家に帰るのは寝るときくらい、という人が多くいました。家が狭くてもそれほど気にはならなかったのです。

しかし、コロナショックで在宅勤務をする人が多くなり、家が狭いことの問題点が噴出しました。

夫婦ともにテレワークの世帯などは家の狭さでギクシャクし、「コロナ離婚」の危機に瀕しているケースもあるようです。

また、これだけ政府から「3密」を避けろと言われても、そもそも人口が密集している都心で密を避けるのは無理があります。

外食時や施設を利用する際の入場制限でどこに行くのも長時間の待ちが発生しており、もう我慢の限界、という人は多いようです。

そんな中、都心を飛び出して「郊外暮らし」をするメリットがにわかに注目されています。

テレビや雑誌などでも、既に「脱・都心」を果たした人のエピソードが盛んに報道されるようになりました。

郊外暮らしのメリット

コロナショックを機に都心を出て郊外に暮らし始めた人たちからは、以下のようなメリットが聞かれます。

・会社がオフィスを縮小して在宅勤務補助金を出すようになったので、自分仕様の新しい設備を導入できた。オフィスに行くのより生産性ははるかに上がっている。
・都心暮らしでも通勤の行き帰りで1時間以上は使っており、あまり意味のない客先訪問などの移動時間はばかにならなかった。そういったムダ時間が大幅に削減された。
・とにかく部屋が広い。在宅でもオンとオフをはっきり切り替えて集中できるようになった。
・都心ではどこへ行くのにも混み合った電車に乗っているのが当たり前だったが、自家用車メインの生活になると思った以上に便利。
・静かで自然が豊か、空気もいいのでストレスがなくなった。

今までは、在宅勤務は一部の特殊な職業の人しかできないと思われていました。

しかし、コロナショックで強制的に在宅に移行したことで、「やってみればできちゃった」となっているのが実態です。

と同時に、出勤しないなら環境のいい郊外住まいのほうが便利、ということに多くの人が気づいたのです。

住みたい場所で仕事ができる時代に、人気のエリア

郊外の中でも、具体的にどのような人気かを見ていきましょう。

まず、圧倒的に人気なのは神奈川県の湘南エリアです。

たとえば、JRの逗子駅から徒歩圏内にある葉山エリアなどは、以前から経営者や文化人の間では住まいとして非常に人気でした。

コロナショックで郊外に引っ越した人も、湘南エリアを選ぶ人は多いようです。

ただ、湘南エリアは東京よりは賃料が安いものの、郊外エリアの中では比較的、家賃が高いことには注意しましょう。

他には、千葉県の流山市なども人気です。

流山市は子育て政策が非常に手厚いことで有名で、子どもを持つ世帯が多く移り住んでいます。

計画的に開発されたニュータウンなので道路や大きな商業施設などのインフラが整っており、車があれば非常に暮らしやすい地域です。

都心からは離れますが、長野県の高原地域も環境がいいです。

この地域の最大のウリは、はなんといっても空気のきれいさと静かさでしょう。特に作家やデザイナーなど。クリエイティブ系の仕事をする人は、創作に集中できる絶好の環境だと感じてオフィスを構えているケースが増えているようです。

投資家が気になる郊外の地価上昇への期待度とは

上述したような理由で注目を集める、郊外暮らし。

コロナショックが完全に収束するメドはいまだに立っておらず、収束後もテレワークの継続を決めた会社はどんどん増えています。そうなれば、一定数は都心暮らしの必要なし、という考えを持ち続けたままになるでしょう。

人々の住まいに関する価値観が以前と全く同じに戻ることは、あり得ません。

そうすると、郊外の地価は今後上がっていく要因が見えてきます。

しかし、今が買い時という断言はできません。地価の推移は公共機関や企業の調査データで確認できます。

十分に調べた上で、推測を立てていくようにしましょう。

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著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

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