不動産投資の最新動向
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2021年3月31日(水)
媒介契約とは?――3種類のメリットとデメリットを解説!
不動産を売却するなら、できるだけ高く、そして早く取引を成立させたいものです。
その取引条件を大きく左右するのが、取引を仲介する不動産会社と交わす媒介契約。
この契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。
それぞれのメリット・デメリットを解説しましょう。
媒介契約とは?
不動産を売却する際、専門知識のない売主自身が買主を見つけたり、売買契約の手続きをすしたりするのは困難なため、不動産会社へ仲介を依頼するのが一般的です。
その場合、両者は宅地建物取引業法に基づいて媒介契約を結びます。
この契約のおもな内容は下記になります。
・媒介契約の種類(「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」のいずれか)
・レインズへの登録の有無
・契約期間
・売主への報告義務の有無
・報酬
・違約金や費用償還に関すること
レインズとは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムです。
レインズに物件情報を登録することで、日本全国の不動産会社(会員)がそれを閲覧でき、より早い売買契約成立を期待できます。
専属専任媒介契約のメリット・デメリット
専属専任媒介契約は、1社のみの不動産会社と結ぶ契約です。
他の契約とのおもな違いは、下記の3つです。
①親族や知人など売主自身が買主を見つけても、依頼した不動産会社を媒介して取引を行う義務があるということ
②不動産会社は媒介契約を結んだ翌日から5日以内にレインズへ物件情報を登録しなければならないということ。
③売主に対して7日に1回以上の割合で販売状況の報告義務が生じること
メリット
不動産会社としては「競合他社に先を越される心配がない」=「営業努力が無駄にならない」ので、優先的に販売活動を行います。
くわえて、報告頻度が3つの媒介契約の中でもっとも多く設定されているので、販売状況を把握しやすくなります。
デメリット
自分で買主を見つけることができても、仲介手数料を支払うことになります。
また、依頼できる不動産会社が1社だけなので、その会社の営業力が低ければなかなか買主が見つからなかったり、値引きをされたりといったこともありえます。
さらに、依頼を受けた不動産会社が自社で買主を見つけてくれば、売主と買主の両方から仲介手数料を受け取れる(業界用語でいう「両手」)ので、レインズなどを見た他社から問い合わせがあっても「商談中」といった理由で仲介をさせない、いわゆる「囲い込み」をされやすくなります。
専任媒介契約のメリット・デメリット
専任媒介契約も、1社のみの不動産会社と結ぶ契約です。
専属専任媒介契約との違いを見てみましょう。
①売主自身が買主を見つけた場合、依頼した不動産会社を媒介して取引を行う義務はないこと
②レインズの登録義務は媒介契約を結んだ翌日から7日以内ということ
③そして売主に対しての報告義務が14日に1回以上ということ
メリット
専属専任媒介契約同様に優先的に販売活動を行います。
報告頻度が設定されているので、販売状況が把握しやすくなります。
デメリット
依頼できる不動産会社は1社だけなので、その営業力によって売却条件が左右されます。
「囲い込み」のリスクもあります。
一般媒介契約のメリット・デメリット
一般媒介契約では、複数の不動産会社と契約を結ぶことが可能になります。
また、売主が自分で買主を見つけて直接売買契約を結ぶこともできます。
さらに、レインズの登録義務や販売状況の報告義務もありません。
メリット
複数の不動産会社に仲介を依頼できるので、幅広い販売活動が期待できます。
レインズへの登録義務がないので、世間に物件を売りに出していることを知られたくない場合は有利です。
デメリット
他の媒介契約よりも、積極的に販売活動をしてもらえない可能性があります。
レインズに登録しない場合は、物件情報が拡散しにくくなること、販売活動の報告義務がないので途中経過が把握しにくくなることにも要注意です。
どの媒介契約を選択するべきか?
どの媒介契約を選択するべきかは、売主や物件の状況によって異なります。
「自分で買主を見つけることはない」「不動産会社を信頼できる」ということなら専属専任媒介契約がおすすめ。
不動産会社としては、この契約がもっともやる気が出るからです。
しかし、売却する物件が好立地にある、割安といった理由で人気物件となりそうなら一般媒介契約を選択する手もあります。
なぜなら、不動産会社としては売りやすいので、積極的に販売活動をしてくれるからです。
自分の希望をしっかり把握して、媒介契約を選択しましょう。
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。