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星野陽子の金持ち母さん投資術

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資産形成を加速させる不動産投資のレバレッジとは

目次

『金持ち父さん貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ著)に影響されて不動産投資を始めた人は少なくありません。私も影響を受けた一人です。ロバート・キヨサキは、銀行を含む他人のお金(Other People’s Money:OPM)を使って、よりお金持ちになったのだと言い、OPMは「金持ち父さん」の基本的な概念であり、高いファイナンシャル・インテリジェンスのしるしだと書いています。

融資を使ってレバレッジをかける

不動産投資で融資を使うメリットは、レバレッジをかけられることです。つまり手持ちの現金では購入できない大きな物件を、融資を使って購入することで、現金で購入できる小さな物件よりも多くの家賃収入を得ることができます。たとえば、500万円の自己資金があるとします。500万円でワンルームマンション(区分)を買って家賃収入5万円を得るという、レバレッジをかけない方法があります。それに対し、手持ちの500万円を元手に2,000万円のアパート(4部屋。各部屋の家賃5万円)を融資を使って買い、満室時には家賃収入20万円を得るという、レバレッジをかける方法があります。後者の方法では、金利を支払っても、より速く自己資金の500万円を回収することができます。ただし、家賃が入らないという事態になったりすれば、返済に困ることになります。

現金・住宅ローン・フルローンでの物件購入

私が1棟ものに取り組む前、最初に購入した投資用物件は、中古のワンルームマンション(区分)でした。2003年に現金で購入しています。

その翌年、私は住宅ローンを組んで自宅を建てました。初めての大きな「借金」ですが、住宅ローンは投資用物件を買う時に使う融資よりもハードルがずっと低いかと思います。特に正社員であれば、借金などがなく、勤続年数3年以上で、健康で、ある程度若くて、配偶者が連帯保証人になってくれて、年収の約3割以下がローン返済額であれば、住宅ローンが組めるというケースが多いのではないでしょうか。

お金を生まないどころか修繕や税金などの支出を伴うため「自宅は負債」とロバート・キヨサキは言っています。しかしながら、私は生まれたときからずっと借家の狭い部屋に住んでいたため、家に強いコンプレックスがあり、どうしても持ち家が欲しかったのです。

2008年と2010年に、フルローンで投資用不動産を1棟ずつ購入しました(合計2棟で6億1千万円)。いわゆる「ハイ・レバレッジ」な投資手法です。まだ小学生だった子どもたち二人を抱えて離婚したのですが、子どもたちを経済的に困らせたくないという気持ちが私には強くありました。具体的には、もし子どもたちが「医学部で勉強したい」と言ったとしても、快く勉強させてあげられるほどのお金を持っていたかったのです。そのためにも資産を速いスピードで増やしたかったのです。

借金がこわいという人たち

ところが「そのフルローンの投資手法は頭では理解できるし、やってみたいのだけれども、借金がこわい」という人たちがたくさんいて、「億単位の借金はこわくないですか? どうやって怖さを乗り越えたのですか?」とよく聞かれます。怖さの理由は、融資を利用して投資用物件を購入した場合、家賃収入が思うように入らなくて銀行への返済ができなくなるリスクがあることです。そうなれば、破産して普通の生活もできなくなるのではないかと心配になってしまいます。そんなに悪くない今の生活を脅かしていいものかどうか……と悩みます。私自身も億単位の融資など最初は考えることすらできませんでしたので、気持ちはよくわかります。

私の父は勤勉でまじめな人ですが、いわゆる「貧乏父さん」で、お金の知識はあまりなく、借金はこわくてできないタイプです。自営業だったので、自宅のローンも借りられないと思っていたのかもしれません。「3~4千万円貯められないと家は買えない。そんなにお金を貯めることができないから家を買うのは一生無理」という父の考えを、私も疑うことなく引き継いでいました。

「借金=悪」の観念を覆したユダヤ人の義父

そんな私の観念が覆されたのは、ユダヤ人である元夫の父、つまり義父が、「元夫の姉に家をプレゼントした。しかもその家はただで手に入れたんだよ」と教えてくれたときです。土地を見つけてきて、2戸が入った一棟の建物のプランを立て、銀行からお金を借り、建物を建て、1戸を売ることにより、借りたお金を全額支払い、残った1戸はタダで手にいれた、ということでした。

その時に「一生家は持てない」という考えが「もしかしたら私でも不動産を持てるかも」に変わり、不動産を持つには銀行からいかに融資を引き出すかがキーなのだと思いました。

住宅ローンには抵抗がない?

でも、不思議なことに投資用物件のために融資を使うのが怖いという人たちでも、住宅ローンにはそれほど抵抗がないという人たちが多いのが現状です。借金が嫌いで、誰かの保証人になってはいけないという考えを持つ父でさえ、私が住宅ローンを組む際には保証人になってくれました。

どうやら日本人には「借金は悪いもの」「保証人になってはいけない」でも「住宅ローンを使って家を持つのはOK」という刷り込みがされているようです。私も思考が停止していて、借金をすることについてよく考えてみようとは思いませんでした。

抵抗なく組む住宅ローンで買う自宅こそ危険

そんなに抵抗なく住宅ローンを組んで買う自宅用の家ですが、自宅の購入こそ危険がいっぱいです。自宅はお金を生みませんし、税金や修繕などでお金が出ていきます。

住宅ローンを支払えなくなった人たちの家が、たくさん競売にかけられているのを目にします。計画性もなく、安易に自宅を買う人がいかに多いかがわかります。

また、住宅ローンを使って自宅を購入した人たちで、土地の値段が買ったときよりも下がってしまい、売値よりも残債が多くなってしまって売るに売れないと困っている人たちもたくさんいます。

不動産購入の成否を分けるのは正しい知識

不動産で成功するか失敗するかは、金額の大きさによりません。小さく投資しても失敗する人はいますし、大きく投資しても成功する人はいます。物件が自宅の住宅であれば安心とも限りません。
なにが成否を分けるかというと正しい知識かと思います。

正しい知識があって、正しく計画を立てることができれば、投資用物件も利益を生み出しますし、自宅用の物件で損をすることもありません。

実は、私は不動産投資の勉強をする前に、憧れていた場所に家を建てる計画をしていました。その場所は都心から離れたところにあり、豊かな自然に魅力を感じていたのでした。

しかしながら、不動産投資の勉強が進むにつれて、その場所の地価は下がるに違いないと思うようになりました。そこで価値が下がりにくい場所に土地を買い、家を建てたのでした。

正しい知識で計画性があれば、住宅ローンは強力な武器に変わる

住宅ローンも使いようです。地価が下がりにくい土地を探して家を建てれば、いつか売却したときに残債も一気に支払うこともできるでしょう。

また、家賃を支払うのとは違い、ローン返済は資産を形成しているという実感があります。ある程度の頭金を入れたおかげもあって、35年ローンでの毎月の支払額がそれまでの家賃程度で済んだのも、資産形成のための支払いであるという感覚を大きくしました。

さらに、団体信用生命保険に入らなくてはならなかったのですが、私が死亡した場合、残債を家族は支払わなくて済みますから、子どもたちが住める家を残せるという安心感もプラスポイントです。

私の知人の夫が病気で亡くなってしまったのですが、マンションを夫がローンで購入していたため、マンションの残債を彼女が支払う必要がありませんでした。「生命保険もおりたので、贅沢しなければ私が働かなくてもどうにか生活できる」と言っていました。もしマンションをローンで購入していなかったら、彼女は小さい子どもを抱えながら生活のために働かなくてはなりませんでした。

ロバート・キヨサキは「自宅は負債」と著書に記載していますが、投資物件を購入するための融資の際に、自宅が「負債」とみなされるわけではありません。融資担当者からは「社長が自宅を持っている方が私たちも安心です」(易々と逃げられないから?)と言ってもらえました。だから、正しい知識を持っておけば、自宅を購入することは決して悪いことではないのです。

この時の自宅は11年住んで売却したのですが、値上がりしたわけではないのでキャピタルゲインこそありませんでしたが、長年住んで劣化していたにもかかわらず、投下した金額と同じ程度の価格で売れました。最初に気に入っていた土地で家を建てていたら、土地がかなり下がっていたので、キャピタルゲインどころかかなりの損をしていたかと思います。

家を所有していた間、固定資産税・都市計画税は支払いましたが、家賃を支払わずに、家賃20万円相当の家に10年以上住めたのはよかったと思います。また、新築で自分の希望の間取りの家に住めたのも良い思い出です。

正しい知識を持てば資産は増える

不動産投資の勉強をし、自宅を購入・売却し、不動産投資を10年以上してきて思うことは、正しい知識を得て、良い物件を買い、良い借金をすると資産は増えるということです。

不動産投資の正しい知識を得ていない人は、少額の不動産投資でも失敗します。不動産投資の正しい知識は、自宅の購入の際にも役に立ちますので、ぜひ身に付けていただきたいと思います。

万が一不動産で失敗したとしても、知識のある人たちは、やり直しが可能だということを知っています。失敗しても命で償う必要がないということは、みなさんに覚えておいて欲しいことです。

著者紹介

星野 陽子
星野 陽子

不動産投資家。著者。特許翻訳者。
東京都出身。外資系メーカー、シティバンク勤務を経て、イスラエル国籍のユダヤ人と結婚。子ども二人に恵まれるも離婚。在宅で翻訳の仕事をフリーランスとしてしながら、シングルマザーとして子ども達を育てた。東欧からの移民の子で、14歳から働き、資産ゼロから財産を築いたユダヤ人の義父からは不動産投資を学び、投資物件(6億円)などの資産を築いた。著書に『ユダヤ人と結婚して20年後にわかった金銀銅の法則50』『ユダヤ人大富豪に学ぶ お金持ちの習慣』『貧困OLから資産6億をつかんだ金持ち母さんの方法』がある。オンラインサロン「マネサロ」主宰。 オフィシャルブログも定期更新中。

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