加藤隆が実際に体験した不動産投資の罠
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2018年11月20日(火)
土地収用で利回り40%を達成した話~投資用物件は都会で探すべき!~
今でこそ、不動産投資情報はインターネットから得ることができますが、昔はそういったものはありませんでした。この話に出てくる物件は、リクルート社の雑誌『週刊住宅情報』の情報から購入したものです。
公開情報にもお買い得物件はある
一般的には公開情報よりも、未公開情報のほうがお買い得な物件が多いとされています。
未公開情報の中には、「近所の住民や親戚に知られたくない」「同業他社に知られたくない」といった理由で、持ち主があまり公開したがらない物件もあったりします。
そういった物件は、早期に業者間や属性のいい人に売ることを目指して、割安な設定となっていることがあります。
かといって、公開情報の中にもお買得物件がないわけではありません。見落としがあったり、お宝が隠れている場合もあります。私の物件も、そういった感じでした。
今だと情報源として、『楽待』といった情報サイトもありますが、こういったサイトの中にも、お宝物件はあるものです。私も何度か、購入に至っております。“失敗談の帝王”と悪名高き私でも、たまには良いことや成功談もあるのです。
掘り出し物は新宿の区分所有マンションでした
『週刊住宅情報』の物件についての話に戻しましょう。
素の物件の場所は、新宿駅南口から徒歩4分、代々木駅からも徒歩4分という好立地。広さは15平方メートル程度でワンルームの区分所有マンションです。
東京都の都市計画によると、この物件の敷地の一部は道路計画に該当しているようでした。そこで建物は、道路予定部分を避けて建てられていました。価格は、1,400万円。なかなか悪くない物件に思えました。
都市銀行のD銀行(現在のR銀行)から融資を受けたのですが、銀行側のミスがあったとかで、決済当日になって諸経費30万円程度を忘れていたということが発覚しました。
たまたま預金残高に余裕があったので難を逃れましたが、私は勤めがあったため対応できず、妻に立ち会ってもらうなどして大変だったという思い出があります。
その物件との出合いが良い管理会社とも引き合わせてくれた
さて、当該物件は、不動産会社S社の仲介で購入したのですが、その後の賃貸管理もやってもらえるものとばかり思っていました。しかし「うちは管理はやっていないのですよ」「管理会社は自分で探してください」と聞かされ、管理会社探しをすることになりました。
休日に物件近くの新宿エリアにある不動産会社をあたってみました。1件目は、物件の傍にある不動産会社。直接訪問したのですが閉まっていたので、電話してみたところ、「管理いいですよ」「鍵は郵便受けにでも入れておいてください」とのこと。かきいれどきの休日なのに店舗は閉まっていて、対応を聞いてもいい加減そうだったのでやめました。
次に入った不動産会社では、「住む所をお探しですか?」と聞かれたので、とりあえず「いいえ、住む所はあります」と答え、「所有物件の管理をお願いしたいのですが」と訪れた目的をお話しすると、飛び込みでの訪問だったにもかかわらず丁寧な対応をしていただきました。そのまま、この会社に決めました。
この会社の社長は旅行が好きなのか、毎年、御中元・御歳暮に、各国の珍しいものを贈って下さいます。今では毎回、楽しみにしています。
新宿の物件は様々な使われ方をして、最後に土地収用で大きな利益に!
当初は一般賃貸に出していましたが、その後様々な使われ方をしていました。札幌にある不動産会社の東京オフィスとしてお貸ししたり、マンスリーマンションとして活用したり、有名なジャズピアニストの方の東京拠点として使われたこともあります。今はまた、不動産会社の東京オフィスとして活用されています。
新宿はその後も再開発が進められました。JR南口整備、高島屋、バスセンター等です。
都のことですから、土地収用がいつか来ると思っていましたが、意外に早く連絡が来ました。話し合いの結果、私の持分の土地3㎡のうち1㎡が1,250万円で収用されることとなりました。
1,400万円で購入していましたので、差し引き150万円で購入できたこととなります。その場合、利回りは、40%ということになります。なお、土地収用の場合には、5,000万円までは非課税です。
品川・大崎の物件も大化け!都会の物件は一気に大きな利益になる可能性がある!
以前、私の知り合いが、品川・大崎の区分所有マンションを購入した際、私も同行しました。都心の再開発エリアは規制緩和が活発で、建蔽率・容積率等が緩和されます。築浅だったのですが、そこに目を付けたディベロッパーが、建直し・再開発をすることになりました。私の知り合いのマンションは新築に生まれ変わり、家賃もアップしたといいます。工事期間中の家賃補助もあったとのことです。場所が良いエリアはこういったことも起こりうるのですね。
品川は、在来線・新幹線だけでなく、将来リニアが通りますし、泉岳寺にはJR山手線の新駅もできる予定です。羽田空港・成田空港にもアクセスが良いです。将来は、東京駅を凌ぐのではないかと思っています。
逆に言えば、僻地はますます人がいなくなるでしょう。立地の良い場所は規制緩和され人口が増える一方、日本全体の人口は減り続け、僻地は過疎化が進んでいきます。最悪の場合、無法地帯・ゴーストタウンになるかもしれません。企業・個人共に貧富の差は広がり、金持ちが住みたがるエリアと、そうでないエリアに二極分化していくでしょう。いっそう立地選びが重要となってきます。
都会は再開発などによって土地収用で儲けることも可能なので、投資用物件を購入するなら都会で探すほうが良いと思います。
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著者紹介
加藤 隆加藤 隆
サラリーマンのままで、経済的・時間的・精神的自由を目標に、預貯金・外国為替・貴金属・株等の資産運用を経て、不動産経営歴31年。数々の失敗・バブル崩壊を生き抜き、リスク分散をモットーに、東京・博多・札幌・名古屋・京都・小樽・千葉に、区分所有マンション・一棟物アパート・一棟物マンション・戸建等、物件108戸を運営。総資産7億円・借入5億円・自己資本2億円、年間家賃収入4,100百万円・借入金返済3,100万円・キャッシュフロー1,600万円。節税で、所得税・住民税ゼロ。