不動産投資の最新動向
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2021年11月27日(土)
不動産投資の成功率はどれくらい?――失敗談から成功率アップのポイントまで
投資商品の中でも比較的成功率が高いといわれている不動産。
しかし、当然ながら100%成功するわけではありません。
しかも「節税」「年金代わり」など投資の目的によって成功率は大きく異なります。
今回の記事では、投資目的ごとの成功率を解説します。
不動産投資の成功率は目的によって異なる
実は不動産投資の成功率を算出した公式なデータは存在しません。
とはいえ、不動産投資の目的別の成功率は次のような数値が目安となるでしょう。
①家賃収入で生計を立てる:成功率10%以下
国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査結果」によると、日本の平均年収は433万円。
これだけの金額を家賃収入だけで得るのは、かなりハードルが高いといえます。
たとえば都内の新築ワンルームマンションの場合、固定資産税やローン返済などを差し引いた年間のキャッシュフローは10万円を超えれば優秀でしょう。
それらを考えると年間数百万円を得るには、かなりの戸数の黒字物件を所有しなければなりません。
②副業による安定収入の確立:成功率30~50%
たとえ毎月1~2万円でも収入を増やしたいということであれば、成功率はぐっと上がります。
ただし、その状況がいつまでも続く保証はなく、常に空室などのリスクに備えていなければなりません。
③相続税対策:成功率50~70%
資産は現金として所有するより、不動産として所有していたほうが相続税の評価額が下がります。
そのため、不動産投資による相続税対策の成功率は、比較的高いでしょう。
④将来の年金代わり:40~60%
不動産投資は毎月安定した家賃収入が期待できます。
また、年齢が若いときに投資を開始していれば、年金を受給する時期までにローンを完済できるので収入は増えるはず。
このようなことから不動産投資は年金代わりになり得ます。
初心者あるある失敗談!
以上のように不動産投資の成功率は目的によってさまざま。
特に初心者の場合は、下記のような失敗をすることが多々あります。
失敗例①:「年金代わりに買った物件が20年後4分の1の価値に……」
現在60代のAさんは、40代の頃から「老後は悠々自適に暮らしたい」と思っていました。
それには年金受給額だけでは足りないので、ワンルームマンション投資を始めることに。
さまざまな不動産投資セミナーに参加し、地方都市の新築ワンルームマンションを購入しました。
価格は2000万円で毎月のキャッシュフローはプラスマイナスゼロでしたが、営業担当者から「この物件の周辺は再開発の計画があるので、20年後でも今以上の価格で売れる可能性が高いですよ」といわれて、内覧もせずに買ってしまいました。
20年後に2000万円で売れれば十分年金代わりになると考えたのです。
ところが実際に20年経ってみると、再開発の計画は頓挫し、逆に人口減で不動産相場は下落。
Aさんの物件も4分の1の500万円まで値下がりしてしまいました。
失敗例②:「高利回り物件を購入したはずが不具合だらけで赤字続きに……」
サラリーマンのBさんは、副収入を得るために高利回りの物件を探していました。
そこで見つけたのが地方の一戸建て。築40年と古いものの、利回りは20%を超えていました。
しかもすでに入居者がいたので空室の心配もなく、Bさんは「これはお宝物件だ!」と即決で購入。
ところが3カ月後、給湯器が壊れました。そして4カ月後、エアコンが故障。
これらの設備を交換すると、今度は半年後に雨漏りがはじまり、それが原因で8か月後に入居者は退居していきました。
結局、黒字経営となったのは最初の2か月だけ。Aさんは雨漏りを修理する費用も捻出できず頭を抱えています。
成功率を高めるポイント
利回りよりも好立地を重視する
日本の人口は減少傾向です。それに伴い不動産は「人気の立地」と「不人気の立地」の二極化が進みます。
いくら高利回り物件でも住む人がいなければ意味がありません。これからは今以上に好立地にこだわるべきでしょう。
優秀な管理会社をパートナーとする
入居者から見た賃貸物件の魅力は、管理会社の質によって大きく左右されます。
清掃が行き届き、適切にメンテナンスされた物件は、入居者募集に困らず、退去者も少ないものです。
基礎知識をしっかり学び、信頼できるパートナー選びを
繰り返しになりますが、不動産投資の成功率は目的によって異なります。
しかし、どのような目的であれ成功するか失敗するかは結局自分次第。
業者任せにせずに基礎知識をしっかり学び、日々変化する不動産市場のトレンドを把握して適切に提案してくれる不動産業者をパートナーとすることが重要です。
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。