不動産投資の最新動向
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2020年5月28日(木)
テレワーク導入によって生まれた「都心暮らし」以外の選択肢
新型コロナウイルス蔓延により、にわかにクローズアップされた「3密」問題。外出自粛により、今でも多くの人は会社に出勤せず在宅勤務を続けています。
会社の近くが便利だからと都心に住む人にとって、リモートワークの導入は脱・都心のきっかけです。
都心暮らしならではの不便さ
テレワークの広がりを経て都心暮らしに嫌気が差してしまった……その理由としてよく聞かれるのは、以下のようなことです。
・「密」が避けられない
都心の繁華街、高層マンションのエレベーターなど、都心の暮らしを支えるインフラのほとんどはどうしても「密」が生まれてしまう設計になっています。現在は施設の入場制限やエレベーターの一人昇降などの対策が取られていますが、「不便すぎる!」という声が多く上がっています。
・家が狭くてテレワークに向かない
都心で広い家に住むのは基本的に困難。しかし、仕事が多忙な人であれば、家には寝に帰るだけという人も多いです。そんな生活のうちは家の狭さはそれほど気にしなかったものの、在宅勤務になって家の狭さに非常にストレスを感じているケースが多く見られます。
特に夫婦ともにテレワークの世帯からは「奥さん・旦那さんがずっとウェブ会議ばかりで集中できない」「子どもを入れておける個室がなく、一日中『遊んで遊んで』で仕事にならない」という嘆きの声が跡を立ちません。
・電車を避けると移動が不便
都心は電車による交通網が発達していて、どこに行くのにも便利です。しかし裏を返せば、都会人の生活は電車移動を前提に設計されているということ。
「電車自粛」となってしまった今、逆にどこへ行くのにも不便という状況になっています。車移動をするにしても、都心に住みながら車を維持するのは経済的に難しい人が多く、持っていても駐車場が少なく狭い道路ばかりで使いづらいのです。
いずれ新型コロナウイルスは終息します。しかし、世間の価値観はあまりにも変わりました。この先、当面の間は「密を避ける」「必要がなければ仕事は在宅で」という方向に社会が進んでいくことは間違いなく、今までどおりの社会に完全に戻ることは二度とないかもしれません。
注目される田舎暮らし
かねてから、フリーランスや経営者などの一部は仕事で東京の案件をこなしつつ、住居は神奈川県の湘南エリアや長野県などの地方においていました。独立研究者の山口周さんをはじめとしたいわゆる「葉山族」が代表的です。
彼らは「毎日出勤」というルールに縛られることがなく、仕事の内容も大半が企画やクリエイティブなどの知的労働です。都心に住居をおくことはむしろデメリットのほうが大きい、と早い段階で気づいていました。
田舎暮らしを実行したフリーランスエンジニアのAさんは、こう話します。「サラリーマン時代は東京の23区に住んでいましたが、独立後は自宅での作業がほとんどになり、都心の狭い住宅に嫌気が差しました。自分で必要性を感じて都心で人と会うのも週2、3回程度になったので、都内に住んでいる意味を感じなくなり、湘南エリアに引っ越したんです。住んでみると空気や食事がおいしく静かで、家も広々として仕事が捗ります。事前に決まっているアポイント以外の不意な対応が減り、言い方は悪いですが邪魔が入らないので、生産性が激増した感覚です。また、『とりあえず会う』という選択肢がなくなり、人間関係を本当に価値のある人脈だけに絞り込めました。都心から離れると仕事のチャンスをつかみ損ねるのだけが心配でしたが、受注の数も質もむしろ引っ越し前より改善しています。家賃や生活費が安いこともあって、生活水準は非常に上がりました」
以前であれば、こうしたワークスタイルは経営者やフリーランスの人に限られました。しかし、アフターコロナの世界においてはサラリーマンであっても、都心に縛られない働き方が実現できる可能性があるのです。完全リモートがずっと続く人は少ないかもしれませんが、在宅でタスクをこなすことを前提に社員の出勤は週3回程度にしてその分オフィスを縮小する、という方向に転換した会社は既に出てきています。
都心の会社に勤めながら田舎暮らしを実現できる時代は、既に到来したのです。
アフターコロナは価値観に変化がある
ペストの流行はヨーロッパの古い荘園制度を崩壊させ、文明を開花させるきっかけになりました。病気が人間社会の制度や常識を大きく変えることは、歴史が証明しています。
長らく問題視されてきた日本の東京一極集中も、今後は変わっていくことになるのかもしれません。
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著者紹介
不動産投資塾編集部不動産投資塾編集部
投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。