Q&A

階下住人の騒音クレームにより入居者が次々退去していきます。

ご相談者様P.N 斎藤 大樹(仮名)

マンションを所有しています。

1階に住む入居者が階上の入居者にクレームを入れることが多くあり、階上に入居する人が、続々と退居してしまいます。

日常的な生活音についてもクレームがあり、階上の入居者が長く居られない状態です。これまで、子どものいる3人家族、そして夫婦ふたり暮らしの方々が退居されています。

このような場合、どのように対処すればよいでしょうか?

この質問に答えた人

石川 貴康
石川 貴康

外資系コンサルティング会社、シンクタンクに勤務し、現在は独立の経営コンサルタント。大手企業の改革支援を今も続ける。対製造業のコンサルタントでは業界第一人者の一人。会計事務所も経ており、経理、資産評価、相続対策にも詳しい。2002年から不動産投資を始め、現在は15棟153室ほか太陽光3箇所、借地8箇所を経営する。著書に『いますぐプライベートカンパニーを作りなさい! 、サラリーマンは自宅を買うな(東洋経済新報社)』『サラリーマン「ダブル収入」実現法 、100円ちゃりんちゃりん投資、(プレジデント社)』など

大家がすべき隣人からの迷惑行為対応に悩む大家さんも多いことでしょう。以下、私の経験、私が実際にとった対策を含め回答したいと思います。

まずは実態を把握し、証拠を押さえる

ある入居者が隣人に迷惑をかけるということは起き得ます。意図的な場合もあれば、単に気づかないまま迷惑行為を繰り返す場合もあります。

いずれにせよ、他の入居者が退居するはめになると大家も大打撃ですから、できるだけ早く対処します。ただし、最初から「攻撃モード」はいけません、かえって事態を深刻化する可能性があるからです。

私が最初にすべきだと思うのは、まず、現状を調べ、必要に応じて隣人へのヒアリングに加え実際の状況を押さえることです。ゴミを散らかす、隣の玄関先にわざとモノを置く、自転車を放置するなどは確認できます。

夜騒ぐ場合は、夜に行って実際に騒いでいる様子を確認します。ムリな場合は、隣人に証拠を押さえてもらいます。

最初はお手紙作戦で様子を見る

実際に迷惑行為があったら、まずは丁寧なお手紙で行為をたしなめます。けっこうこれで収まることも多いものです。

自主管理の方は自分で手紙を書くでしょう。私は基本的に管理会社に依頼しています。

不動産管理会社による直接訪問と迷惑行為をやめるようにとの警告

お手紙によって一時迷惑行為が収まっても、再発する可能性もあります。あるいは、効果がない時もあります。このときは、直接訪問をして警告を告げます。

人と人で会って話すと、反省する方も多く、その後収まることもあります。私の物件で夜な夜な友人を呼んで騒ぐ入居者がいたのですが、お手紙+直接訪問で沈静化しました。

いよいよダメな時は法的対応に切替え、弁護士に相談する

いよいよだめなら、法的対応に切り替えます。内容証明郵便で警告し、弁護士に相談して退居を前提に対策します。私の場合は、迷惑行為でなく、悪意のある長期滞納にたいして、法的手段に訴えました。

そもそも賃貸借契約に迷惑行為は禁止であり、違反時は退去と加えておく

できれば入居者には長く住んでほしいのですが、トラブルを起こす入居者は他の入居者の迷惑ですし、不動産事業にとっても痛手です。行為が起きる前に入居申し込み段階でスクリーニングしますが、賃貸借契約書にも迷惑行為時の対応を明記しておくべきでしょう。「契約書に則って」という説明ができるとそれだけ楽ですから。

不動産賃貸業にはトラブルはつきものです。トラブル対応に対し、自主管理はつらいので、こうしてストレスを軽減するためにも管理会社に委託した方が良いと思います。

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