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2021年5月17日(月)
知られざる「タワマン大暴落」事例まとめ
だれもが憧れるタワーマンション。とくに都心の物件は「成功者の証」とも呼ばれ、資産価値も高いといわれています。
一時期は富裕層の間で節税対策としてタワマンを買うことがブームとなり、投資対象としても非常に人気です。
ところが最近では、そんなタワマンに大幅下落の兆しが見られます。
その内情を紹介しましょう。
「タワーマンションが突然機能停止」の衝撃
2019年10月12日、台風19号が日本に上陸し、甚大な被害をもたらしました。
その際、話題となったのが、神奈川県川崎市のタワーマンション「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」の浸水被害による機能停止です。
地上47階、総戸数643戸のこのタワマンは、「住みたい街ランキング」の常連となっている武蔵小杉駅前に位置する人気物件でした。
ところが、台風19号によって地下に設置されていた電気設備が故障し、停電や断水が発生。
6基あるエレベーターのすべてが停止し、高層階の住民も階段での移動を余儀なくされました。
台風が去った後もトイレは使えず、しばらくの間、住民は1階の非常用トイレを使わざるをえない状態が続きました。
その結果、同物件の資産価値は下落。
台風以降約10カ月間、まったく売買が成立せず、その後の成約事例も台風前の1割減の価格に……。
「1割なんてたいしたことはない」と思えるかもしれませんが、この物件は人気があったゆえに新築価格よりも値上がりしており、1億円近い住戸も珍しくありませんでした。
8000万円だった場合の1割は800万円。これは非常な大金です。
このような事態は「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」に限らず、値上がりした価格で買った人の多い、タワマン全体に当てはまることです。
活況を呈していた湾岸エリアにも陰りが……
東京23区の中でも東京駅や銀座駅にほど近い豊洲、勝どきといった湾岸エリアは再開発が進み、特に人気の高いエリアとなっています。
再開発の中心は、タワマンの建築ラッシュ。その価格は瞬く間に高騰しました。
ところが、2019年に勝どきエリアのマンション相場が急落しました。
そのおもな原因と考えられるのが、東京五輪の選手村を活用するマンション「ハルミフラッグ」。
総戸数4145戸という超大規模供給が、価格下落を引き起こしたのです。
そこに追い打ちをかけているのが、前述の武蔵小杉の事例とコロナショックです。
「タワーマンションは災害に弱い」というイメージと、コロナショックによる収入減や五輪中止の可能性――こうした要因が、人気物件であったはずの湾岸エリアタワマンの資産価値を、じわじわと下げつつあるのです。
人気のタワーマンションでも事故物件の影響は避けられない
タワマンの人気は続いているとはいえ、いくら人気があっても事故物件になってしまえば、資産価値は大暴落してしまいます。
事故物件とは、その部屋で自殺や殺人があった物件のこと。
このような借主(買主)にとって心理的瑕疵(欠点)となる物件は、不動産業者に告知義務があり、一般的には2~5割程度値下げして取り引きされます。
〈タワマン×事故物件〉では、次のような恐ろしい事例があります。
「2008年、お台場のタワーマンションで女性のバラバラ殺人事件が発生。犯人の男は同居していた女性を絞殺後、遺体を切断・遺棄した罪で死刑の判決」
「2014年、豊洲のタワーマンションで飛び降り自殺が発生。飛び降りた男は、同物件内で父親を刃物で殺害していた」
マンションの事故物件の怖いところは、該当する住戸だけでなく上下左右の住戸にも影響することです。
不動産業者は、上下左右の住戸に対して告知義務はありませんが、実質的にその影響を避けることは難しいでしょう。
風評被害を受ける可能性は非常に高いのです。
資産価値が下がり切る前に損切りを
「災害に弱い」というイメージ、供給過多、コロナショック――。今後のタワマンは、値下がりする要素はあっても、値上がりする要素は見当たりません。
もしも「自分の物件は危ない」「すでに値下がりし始めている」と感じるなら、思い切って「損切り=売却」することが得策かもしれません。
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