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不動産投資の最新動向

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【2020年最新版】関東地方の不動産相場

目次

3月18日、国土交通省は令和2年1月1日時点における公示地価を発表しました。このデータからは、関東地方における最新の不動産相場を見ることが可能です。

関東地方の最新不動産相場

東京都

令和2年1月1日の公示地価は、全国平均では1.4%上昇しました。特に東京都の上げ幅は顕著で、住宅地で前年比2.8%、商業地で7.2%の上昇となっています。東京オリンピックやリニア開発、山手線の新駅開業などの好材料が追い風となり、引き続き地価が上がっています。

しかし前年に比べれば上昇幅は鈍化。23区のマンション価格の高騰により、住宅地は買い控えの動きも見られます。23区の住宅地は4.6%上昇で前年の上げ幅から0.2%の減少となっており、上昇率のトップは荒川区です。調査地点のうち87%で上昇となっているものの、多摩地区は1.2%の下落でした。

神奈川県

神奈川県の住宅地は0.3%の上昇で3年連続の上昇、商業地は前年比2.7%で8年連続の上昇です。相模鉄道とJRの相互乗り入れが始まったことにより新設された羽沢横浜国大前駅近辺、リニア開通により地価上昇が続くJR橋本駅近辺が地価上昇を牽引しました。

鎌倉市や逗子市においても富裕層による高額取引が見られ、下落から上昇に転じました。

一方で、三浦市は顕著に減少。前年比4.1%の縮小となっており、10年連続の下落となっています。その他にも都心へのアクセスが悪く高齢化が進んでいる地域では下落となっており、都心は上昇、地方は下落という全国的な地価の動きの縮図が神奈川県内でも生まれているようです。

埼玉県

埼玉県の公示地価は住宅地で1%、商業地で2%上昇。住宅地では蕨市と川口市の4.3%上昇、戸田市の4.1%上昇といった、都心へのアクセスが至便な県南地域が地価上昇を支えた格好。商業地でも同様の傾向が見られます。上野東京ラインの沿線に位置する浦和地域も好評です。

他、地価の上昇要因としては住宅ローン仲介大手のアルヒが公表した首都圏1都3県駅別の「本当に住みやすい街」の2020年版ランキングで「川口」が1位になるなど地域イメージが改善したことや、都内の足立区や北区などの地価上昇に押し出される形で埼玉県に需要が流れていることなどが指摘されています。

一方で、都心へのアクセスが悪い地域に地価下落の傾向が続いているのは、神奈川県と同様です。

千葉県

千葉県の公示地価は全用途平均で1.3%の上昇で、7年連続の値上がりとなりました。調査地点1237地点のうち、値上がりしたのは657地点。前年に比べて3.0%増加しています。

ただ、千葉県は地域格差が顕著です。京成船橋駅前、本八幡駅前などの商業地で20%上昇といった高騰が見られる一方で、外房地域や県南部の値動きは鈍くなっています。東西線沿線やアクアラインの出入り口付近が価格上昇を牽引しており、東京のベッドタウンとしての需要が引き続き鮮明です。

北関東

茨城県、栃木県、群馬県の北関東3県の全用途平均公示地価は、いずれも28年連続で下落しました。内訳を見ると茨城県が0.4%、栃木県が0.7%、群馬県が0.4%の下落となっています。

バブル崩壊以降、値下がりが止まることを知らない一方、茨城県と群馬県は前年より縮小幅が小さくなるなど改善の傾向も見られています。また、いずれの県も、つくばや流山、前橋や高崎、宇都宮など生活利便性の高い地域の公示地価は、再開発などもあり堅調となっています。

コロナショックでどうなるか

2020年の公示地価については東京一極集中の傾向が変わらず、周辺の県についても東京へのアクセスを第一の要因と値動きになっています。

ただ、今回の発表は1月1日時点のものであり今回のコロナショックの影響は反映されていません。来年の時点では例年とまったく違う傾向になることも否定できないでしょう。

例えば、一挙浸透したリモートワークは今後の一定の割合で続けられ、都心の会社に勤める人の「田舎暮らしブーム」が到来する可能性は既に指摘されています。再開発の計画も先延ばしになるケースが多くなるでしょう。住居の広さなど生活環境がそこまでいいとは言えない都心部、東京と3県の県境近辺から自然豊かな郊外へ人が流れていくかもしれません。

それ以上に、全地域で大下落となることもあり得ます。

不動産投資は関連データ・数字をシビアに見てみよう

関東の公示地価について、エリアごとに概要を説明しました。

この地域の中に保有物件がある人や、物件の購入を考える人は、ぜひ国土交通省のサイトにアクセスして生の数字を見てみましょう。

・国土交通省「地価公示」
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000043.html

データは膨大ですが、自分に関係する部分だけでも細かく見ることで、あなたなりの仮説が立ってくるでしょう。メディアの報道を調べるだけでなく、自分自身の頭で考えることで不動産投資の勝率は格段に上がるはずです。

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著者紹介

不動産投資塾編集部
不動産投資塾編集部

投資への関心が高まる中で、高い安定性から注目を集める不動産投資。しかし不動産業界の現状は残念ながら不透明な部分が多く、様々な場面で個人投資家様の判断と見極めを要します。一人ひとりの個人投資家様が正しい知識を身に付け、今後起こり得るトラブルに対応していくことが肝要です。私たち一般社団法人首都圏小規模住宅協会は、投資用不動産業界の健全化を目指す活動の一環として本サイト「不動産投資塾新聞社」を介し、公平な情報をお送りいたします。

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