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石川貴康の超合理的不動産投資術

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海外不動産投資続報:フィリピンのコンドミニアム投資で起きたこと 

目次

前回お伝えした「完成しないコンドミニアム 〜フィリピンでの不動産投資〜」の続報です。「逃げ水のように完成時期がズレていく、完成しないコンドミニアム」と「完成したのに連絡がなく、いまだに引き渡しが受けられないコンドミニアム」として書いた物件にそれぞれ動きがありました。

完成しないコンドミニアム、またまた支払え、引き渡し可能との連絡

完成しないコンドミニアムは、再びデベロッパー(以下:デベ)から「支払え、引き渡し可能」との連絡が来ましたが、無視しました。しかし、購入者と管理契約を多数結んでいる現地の会社から連絡があり、事情説明と、対応策協議のメールが来ました。

この会社はデベとは無関係の会社です。この会社の方々は知っているし、完成しないまま私も管理契約を結んでお金を振り込んでいるので、この会議に出席することにしました。

このコンドミニアムは2棟あって、私は最初の1棟に属する部屋を買っています。その後、2棟目の建設が始まりました。1棟目の遅延は、この2棟目の開始と遅延に巻き込まれた感じです。

2棟目の会議は前日に終わっていて、今日は1棟目の会議ですが、不安を抱えている2棟目のオーナーも参加していました。話を聞くと2棟目の方が深刻な感じです。また、1棟目も2棟目も最終支払いを済ませている人とそうでない人が混じっていました。

再三の支払い要求に、まじめな日本人の購入者の中には支払ってしまった方も多いようです。私は支払っていません。引き渡し不能なのに、支払う必要はありませんから。その辺の足並みの乱れはあるものの、完成しない点で多大な迷惑をこうむっている点では同じ。

しかも、どう聞いても引き渡せる状態ではない。共用部分は工事中、エントランスも工事中、一部の階も工事中で、とても住める状態ではないのです。完成時期に関しては、今年の年末がまたアナウンスされましたが、どう考えても無理です。

勝手に管理会社を作って、勝手な管理規約を作りはじめるデベグループ

さらに、驚くようなことがいくつか明らかになりました。このデべは購入者たちを無視し、勝手な管理会社を設立し、その会社と契約しないと共用部分を使わせないと言い始めました。その上、ホテルが併設されるため、入居者はある一定時間いくつかのエレベーター使用不可などと言い出しています。

まず、この管理会社の設立は後出しじゃんけんで、販売当初から今にいたるまで、そんな話はありませんでした。しかし、デべの関連会社として設立されたこの会社は、購入者や入居者に著しい不利益をもたらします。とても吞めた提案じゃない。まして、利用方法を宣言するとは、オーナーたちに対して何様のつもりだということになりました。

日本人交渉団の設立と交渉の開始

こうしたいい加減な施工計画、勝手な管理会社の設立と不利益に業を煮やし、日本人の交渉団を設立することになりました。1棟目と2棟目は事情が違うため、別々の設立になりましたが、それぞれが共闘して動くことになりました。

我々が所属する1棟目の代表団の代表が決まり、さっそくデべと交渉開始です。まずは、「日本に説明にくるべし」というのが最初のアクションです。この物件の販売は日本人が絡んでいて、特に2棟目は売れると踏んだ日本の不動産コンサルタントが株主にもなって販売をしたため、購入者にとても日本人が多いのです。そう、有名なNというコンサルです。表には出てきませんが、金だけせしめてなにもしないといういつものパターンです。

さて、まずはデべが日本に来て説明することをするかどうかです。メール1本で「支払ってください」などという顧客に対するふざけた扱いや、勝手な管理会社設立と不利益を被る管理規約にどれほど皆が怒っているか、目の当たりにすべきでしょう。どう考えても、タカをくくっています。

さて、交渉が開始されます。これからどうなることやら。まったく、この海外不動産投資は、儲からないどころか、まともな案件にもなりません。

引き渡しが受けられないコンドミニアム、なんと勝手に売られていた!!

さて、もう1件、引き渡しが受けられない物件で、衝撃の事実が発覚しました。デべの関連会社の管理会社からメールが来たのです。要約すると、「こちらのミスであなたの物件はキャンセルになり、他に売ってしまった。こちらのミスで、支払った金額を返すか、どうするか、意見をくれ」とのこと。

じつは、私はこのメールを見逃していて、2通目で気が付きました。その2通目の冒頭の言葉を見るたびに、まともじゃないと思います。そこに書かれた最初の挨拶は「Hi」なんです。2千万円を超える物件を勝手に売って、購入者に迷惑をかけているという謝罪のメールの冒頭が「Hi」で始まっているのです。まったく、どうしようもない感じです。

しかし、勝手に私の物件を売ったというのはどういうことでしょうか。理由を聞いてもミスで売ってしまったとしか書いてきません。謝る(Apologize)とは書いてありますが、まったくそんな感じではありません。

現地日本人をエージェントに交渉開始

さて、実はこの物件は日本人エージェントに依頼をして引き渡しを受けようと動き出していた物件でした。のろのろしている間に、このメールが来て、びっくりしたわけですが、遠隔地にいる私では交渉に困難があるので、この日本人エージェントを交渉窓口にしました。

まずは、当初のコンドを返してもらう、それがだめなら交換か、返金です。交換の場合は、すくなくとも、売られてしまった物件より良いものでなければならない、返金の場合は支払った金額にプラスしてこの間の金利と損害賠償分を加算して、と方針を決めました。

しかし、適当なフィリピンでのこと、あまり強硬に行くとこじれるので、まずはエージェントにジョブ打ちを依頼しました。

最初の条件が来ました。私が買ったタワー2ではなく、タワー3が完成したので、そのなかの物件でどうだと来ました。見ると条件が悪い。

私の部屋は33階で海が見えました。提示の部屋は26階で、通り沿い。しかも、面積が1フィート狭い。最近、物件が高騰していて、その分の各種引き渡し費用も上がっているとのこと。

まずは、拒否することにしました。諸経費高騰はこちらの事情ではなく、謝罪の意味も含め、当初の物件ではなくなったこの時点での割増費用分は負担する旨言ってくればまだかわいいが、きっとそんなことわかってもいないのだろう。さて、交渉は継続です。

これが、フィリピンでも有数の財閥系の開発案件です。いい加減なのは国民性なのか、どうなのか。

おそるべき! 適当の王国フィリピンは、明るくフレンドリーで良いところ

きっと、本人たちは悪気がないのでしょうね。「たまたまそうなったから、よろしくね」程度の認識なのでしょう。いままでのあらゆるタイミングでの接触を考えるに、明るくフレンドリーな人々です。接触時は親切ですが、仕事は自分に関係ないと思えば知らん顔、自分の利益を追求するといったわかりやすさです。

おそらく、日本人のような「お客様を大切に」といった考えはないのでしょう。でも、別に悪いと言っているのではありません。不真面目なのではなく、適当なだけなのです。そして、あの明るさやフレンドリーさは素晴らしいのです。

ビジネスには不適切な感じですが、ま、仕方ない。日本では絶対起きないことが起きます。悪意がないのに、この状況、おそるべき適当の王国。さて、私のフィリピン投資案件はいったいどうなっていくのでしょうか。続報、乞うご期待。

著者紹介

石川 貴康
石川 貴康

外資系コンサルティング会社、シンクタンクに勤務し、現在は独立の経営コンサルタント。大手企業の改革支援を今も続ける。対製造業のコンサルタントでは業界第一人者の一人。会計事務所も経ており、経理、資産評価、相続対策にも詳しい。2002年から不動産投資を始め、現在は15棟153室ほか太陽光3箇所、借地8箇所を経営する。著書に『いますぐプライベートカンパニーを作りなさい! 、サラリーマンは自宅を買うな(東洋経済新報社)』『サラリーマン「ダブル収入」実現法 、100円ちゃりんちゃりん投資、(プレジデント社)』など

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